2022/04/01(Fri)

テツミド

めも
「おいおいおいっ、何をようとしてる、なぁおいっ」


思わず首根っこを掴みあげさせた彼の瞳は普段のとろけた視線とは別にぎらぎらと輝き(好奇心に満ちているとも言える)何故止めるんだと言わんばかりに首を傾げる仕草にあからさまにげんなりとため息をついてやる。

「離せよおっさん」
「口が悪いな、昨日のおまえさんはどこいったんだ」
「誤魔化したってだめだぞ、おっさんこうされるの好きだって聞いた」
「誰だよそんなこという馬鹿野郎は」

多少の時間稼ぎにこぼす言葉も誤魔化しであることなどすでにバレバレのようで、ぐいぐいと手を押し返す頭がそのまま引きずりだされたすでにたちあがりかけたそれに迫っている光景に現実味がどんどん遠のくと同時に無意識に動く喉元が頭の後ろの方でやけにでかく響いた。

ss
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