怪文書

2021/06/29(Tue)

時間が経ってきて分かってきたこと、私はエーデルガルトに関しては好きといえば好きなんだけど、それよりももっと正確なのは「拗らせまくってる」っていうのが正しいなと。
なのでエーデルガルト絡みに関しては二次創作とかが全然見れない。雑な師呼びとか(これは金鹿ルートのムービーでもやらかされてるけど)はまだ良い方で、エーデルガルト解釈で「そうじゃねえんだな〜〜〜〜」ってなってそっ閉じしちゃうので。

じゃあそんなエーデルガルトの二次創作書いた私自身はどうなのかというと、正直私自身未だ固まりきってないので、何となくちゃんと整理しようかなと。
今から書くのはあくまで私の解釈であり、私の二次創作はこういう解釈が下敷きになってるよ、というメモとして公開するので、「これが正しい」と強要するものではありません。てかかなりバイアスがかかってる自覚はあるので、他の人から見れば「ここおかしくない?」となる箇所はあると思います。

まず「エーデルガルトの目的は何?」と聞かれると、多くの人が「教団を倒す」「貴族や紋章なくす」って答えると思うんですが、私はこれに「No」と言います。
「作中でそう言ってるのに?」と首を傾げると思いますが、これらは「手段であって目的ではない」と私は考えています。
私の思うエーデルガルトの目的というのは「例の実験を二度と繰り返させない」だと思います。紋章や貴族主義で苦しむ人をなくすのは、その副次的効果。そしてそれを実現するために取った方法が上述のものであり、実験のことを公表できないが故にそれらの手段を目的として世間に喧伝せざるを得ず、それらが目的であると思ってしまいがちであると。私はこういう考えです。

まず、紋章を後天的に植え付ける、という技術が帝国にもたらされました。そして「そのままエーデルガルトが何もしなかった時のif」を考えてみましょう。
次代の皇帝にも同じ実験がされるかもしれません。それだけならまだしも、その辺で拾ってきた無関係の子供に紋章を植え付けて「この子は紋章あるから○○家の血を引いてます」と継承権を主張し、その家を乗っ取ってしまうことも可能になります(こう思うとクロードはかなりギリギリでしたね。突然現れたどこぞの馬の骨が盟主の孫と証明されたのは紋章が宿っていたおかげですが、正真正銘の本物である彼と違い全く無関係の人が同じことができるようになると考えたら恐ろしい)こうなってしまうと、貴族も紋章もその正当性が崩壊し、将来的にはフォドラの社会そのものが崩壊してしまうでしょう。
だから、あの実験が成功してしまった時点で、どの道フォドラの仕組みには手を加えなければならないわけです。エーデルガルトがそこまで考えていたかはさておき。
なら、どうやって今後実験を起こさせないか?エーデルガルトが取った手段は「紋章や貴族の価値を無くしてそんな実験をする必要性をなくす」というものだったわけです。では紋章や貴族の価値をなくすにはどうするか?で「教団の正当性を貶めることで、教団がその重要性を説いている紋章の価値も一緒に貶める」「紋章によって地位が保証されている貴族を制裁し貴族制度と紋章の正当性を落とす」という「手段」に出たということかなと。
出処はともかくエーデルガルトの元には「教団の上にいるのは人間ではない」「教団の広める歴史は嘘偽り」という情報があったわけですから、それらの情報も彼女に教団を倒そうという方向性で固まらせる要因となったでしょう。

「エーデルガルトの主張内容の多くは目的ではなく手段と考えたら何が変わるのか?」というと、「あまりそれらに拘ってない節がある部分に説明がつくかも」と思います。
エーデルガルトに関する意見に「貴族をなくすといいつつ後日談で全然なくなってない」というものを割と見ると思います。コンスタンツェの支援会話で微妙にフォローが入ったようでそんなに入ってない。
わざわざコンスタンツェのヌーヴェル家再興に助力すると言うあたり、貴族制度そのものに対してそこまでの拘りは薄いんじゃないかな、と感じます。
エーデルガルトが変えたいのはあくまで貴族制度によって能力のない者が幅を利かせている(もっといえば地位のためにいらんこと考える輩が出てくる)状況。あんまり変わってないように思えるのは生徒たちが優秀揃いで偏ってしまうのもあるかなと。
言ってることの割にやってることがそんなに徹底していないのは女神の眷属に対する態度にも表れているように思います。捕らえたレア様を速攻殺さないでいたり、離脱するセテスフレンを追わないでいるあたり、女神の眷属相手でも抵抗する気がないのなら別に絶対殺すつもりではない。これは授業質問でも表れてますね。
どうも紅花ラストムービーの影響で雑に人ならざるもの許さないマンみたいな印象を抱きがちですが、別にそうでもない。紅花ラストのあの台詞は、その前に降伏を呼びかけていたことと併せて考えると「レアが王都に火を放ったことで絶対に倒さねばならない存在であると定めたから」と思います。あの状況だと正直相手が人間でも絶対倒さないと、となるんじゃないかな。
教団を支配するのが人ではない、というのは絶好のパフォーマンスになるから大袈裟に喧伝してるけど、別に敵が人間相手でも女神の眷属相手でもそんな大きな差はないんじゃないかな。
そして紋章。これはハンネマンの支援会話で明らかになくすことに拘ってないのが分かりますね。エーデルガルトがしたいことはあくまで「紋章の価値をなくす」なので、「全ての人が紋章の力を宿すことでその希少性をなくし価値を暴落させる」でも全然構わないと。むしろ実験のこと考えると紋章を得る方向性でもオッケーなのは意外なくらい。これはハンネマンの動機を聞いて、ハンネマンなら苦痛を与えるような方法は編み出さないだろう、という信用も込みだとは思います。この点、「なくしたいのはあくまであの実験(めちゃくちゃ苦痛でめちゃくちゃ人が死ぬので二度と繰り返させない)」という考えの補強にもなるかなと。


割と無理くり好意的に解釈しようとしてるなあとか、これだけ長文書いてもまだ全然書ききれてなくてどんだけ拗らせてるのか、とかまあ色々あるけど、今のところこんな感じ。

私の作品はこの解釈が下敷きになってるとは言ったけど、夢主とエーデルガルトの対話シーンなんかのような、実験のこと明かせない関係とかあってわざとずらしてる部分もあります。夢主にも多少思い違いがある、という感じ。
そもそもあの作品は私が青ルートやっててモヤったポイントの解消も兼ねてるから、夢主の設定の割にかなりエーデルガルトに寄せたキャラ付けや行動になって不自然な感じになっちゃてる。ので読んでる人の期待したようなものにはできてないかなとは思う…。