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「で、来てみたはいいものの…」


妖達に連れられ、八ツ原に来て早々に夏目が妖に取り囲まれた。
話の後、結局八ツ原へ行くことになり道中話を聞きながら思っていたがやはり夏目は人が良すぎる気がする。
初対面の私がそう思うのだから結構なものだと思う。


「猫ちゃんは行かなくていいの?用心棒なんでしょう?」
「そろそろあんな小物くらい自分で払えるようになってもらわんとな」


あんな小物、されど数は多い。
揉みくちゃにされる夏目を私も助けることなく眺めていると何か違和感を感じた。

何か、くる



そう思ったのも束の間、猫ちゃんに咥えられて夏目と私は木の上まで移動した。下を見れば野原には先程まで嫌という程いた妖はゼロに等しく、成る程、これが続いたら低級の妖は中々戻れないという猫ちゃんの言葉に納得した。

そりゃ困って夏目に助けを請うわけだ。


「結構、一方的ね」


そう言って、どうするの?と夏目の方に判断を仰げば眉間に皺を寄せて静かに「取り敢えず、相手の顔は拝んでみたい」と言い放った。

その言葉の中にはきっと、妖の見えるだろうその霊波を放つ人と会ってみたいというのもあるだろうが
多分、妖達への肩入れの方が気持ちは強いと思う。その事に本人は気がついているのだろうか。


夏目の言葉に猫ちゃんはやる気になって、中級2人は喜んで夏目を胴上げし始めた。


「助けてくれっ!相馬!」
「ごめんなさいね、私が願いを叶えるのは妖だけなの」


そう言って微笑むと中級たちは「おお!叶え屋様もやる気ですな!」と更に喜んで胴上げの高さを高くした。

まぁ、本当に落ちそうになったら猫ちゃんが助けてくれるだろう何て悠長に考えた。









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