出発前夜
やっとだ。やっと全てがそろった。
父を殺した人間の情報、仲間、そして敵に立ち向かうことが出来るほどの知性や力。
【アキ】みんな、ここまで協力してくれてありがとう。いよいよ、明日奴らのアジトに忍び込むために出発する
【フルヤ】ああ
【アキ】そこで、もう一度確認しておこうと思う。奴らは政府公認の医療研究所内の研究会のメンバーらしい。奴らの研究は表向きは再生治療ということになっているが、秘密裏に行われていたのは死者蘇生の研究
【カワウチ】死者蘇生なんて許されることではないわ
【フルヤ】ああ、死とはこの世の摂理。反することは許されない
【アキ】その通りだ。そして、かつてその研究会のメンバーだった父も反対したものと思われる。そして―――
【フルヤ】死者蘇生を企む輩が、都合の悪い人間を殺して始末ってどんな皮肉だよって感じだけどな
俺の言葉を遮るようにそう言ったフルヤは、以前父に病気を治して貰ったことがあるらしい。そういうわけで今回俺に協力してくれている。
いいやつであることは確かだが、言葉に遠慮がなさ過ぎて、たまに心に大きな穴が空く。
【カワウチ】それより、明日出発っていっても、アジトがどこにあるかわかってるの?
【アキ】ああ、大体の場所はつかめている。だから周辺まで行って聞き込みをしてみようかと
【カワウチ】そう……そこに、無事でいてくれればいいんだけど
カワウチは自分の弟が、二年前、怪しい集団とともにいたという目撃情報を最後に、行方不明になったのだという。条件的に今回の敵と接触していた可能性が高く、俺らとともに行動している。……怒ると怖い。
【アキ】じゃあ、明日に備えて今日は早めに寝てくれ
【フルヤ】りょーかい
【カワウチ】わかった
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