大男の紳士

ルーナ「ジーザスとハザードの病室のお花、ちゃんと水を変えないと…ロギアもクラウンの仕事が忙しいし、わたしがジーザス達のお世話をしないと。…よいしょ、水が入った花瓶って零さないように…慎重に廊下を………わ、わ…わっ、きゃぁぁ!!」

カルメン「おっと」

ルーナ「きゃ………ってあれ…零れてない…!あ……あなたは番人の…」

カルメン「カルメンだ。大丈夫か?怪我はないか?」

ルーナ「え、ええ。あ、ありがとう…受け止めてくれて…」

カルメン「廊下で花瓶を抱えた状態で滑って転ぶなんて怪我でもしたら大変だからな」

ルーナ(ど、どうしよう…今は和解したとはいえ、ちょっと前まで敵同士だった人…しかもすっごく大柄な人だし顔も怖いし…話すの…き、緊張しちゃうよ…)

カルメン「どうかしたか?」

ルーナ「な、なんでもないです!…あ、あの、ほんとに助けてもらってありがとうございます…」

カルメン「気にするな。あと、敬語もなくていいぞ」

ルーナ「う…うん。…あの、カルメンは…怪我はもう大丈夫なの?」

カルメン「ああ。犬神の体質能力で傷は塞がったし、しばらく療養させてもらったおかげですっかり完治した。本当に感謝してるぜ」

ルーナ「そっか…色んなことがあったけど、もうわたし達は敵じゃないし…これからも宜しくね、カルメン」

カルメン「ああ。お前にも怖い思いをさせたしな。すまなかった」

ルーナ「ううん、いいの。お互い様だよ。…ふふ、なんだかカルメンって思ってたよりすごく優しいし良い人ね。さっきも転びかけたの、助けてくれたし」

カルメン「そうか?困っている女を見たら助けるのが男だからな」

ルーナ「(紳士!!)ふふ。本当に優しいね…じゃあ改めて宜しくね、カルメン」

カルメン「こちらこそ、宜しく。ルーナ」



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ロギア「重たーい!!自動人形とはいえ、なんでこんなにたくさんの資料の山をアタシが運ばなきゃいけないのさー!…まー、今回の一件は資料がたくさん必要なのはわかるけどぉ…」

カルメン「重そうだな。俺が持ってやろう」

ロギア「わっ!…おぉ!アンタは番人の。えっ、というかもう動いて大丈夫?」

カルメン「ああ、すっかりよくなった。お前の力のおかげだ」

ロギア「あー…でもその怪我させたのアタシだし…てか、ちゃんと謝ってなかったね。ゴメン…ボコったヤツに治されるとか…」

カルメン「何を言う。戦いでは己の拳と武器を信じ、力の限りを尽くすのが道理だろ。俺達は全力を出し合って、結果として俺が負けた。恨みなどないさ」

ロギア「(うわカッコイイ!!)いやぁ、そう言ってくれると嬉しいよー。あっ、しかもゴメン、資料の山運んでもらってるし!重くない?アタシでも重いって感じるよ?」

カルメン「いや、俺の腕力ではそこまで重くはない。むしろ人形といっても小柄な女にこんなものを持たせるなんてな」

ロギア(うわなにこの紳士ーーー!!!)



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ルーナ「ねえロギア、番人のカルメンってすごく優しくて紳士だよね!」

ロギア「うんうん、逞しいし、レディの扱いがすごく上手っていうか!嫌味もなくて、ありゃ天然紳士ってやつだね!」

ルーナ「見た目で誤解しちゃってたけど、ほんとはすごく素敵な人だね。いいお友達になれそう!」



ジーザス(まさかのライバル登場…!?)

ハザード(妙に気に食わない…あのデカブツ…)


大男の紳士