マツバとお茶会をして、アカネちゃんのお家に泊めてもらった翌日。
すぐにシンオウに帰るつもりだったのに、ナギサシティについたのはなんとその一週間後の真夜中でした。
それは少しジョウトを回るつもりが、なぜか!(ここ強調です!)コガネシティ付近にいたグリーンに捕まりバトルを強要され、その後リーグに連行されて四天王の皆さまとバトルをし、さらにシロガネ山に派遣されてレッドを探し、五日後に報告の為にリーグに戻るとワタルさんがバトルしようと待ち構えていたから。
無駄に強い人達とのバトルと雪山捜索(しかも探し主は見つからなかった)は心身共にボロボロになるには充分でした。

「フリーザーごめんね。疲れてるのに飛んでもらっちゃって……」

ナギサシティのポケモンセンター前で降ろしてもらい、ぎゅっと抱き着くと気にするなというように優しく鳴いた。
まったく、本当に君はカッコイイですね!

「ワタルさん戦は大活躍だったし、今日はゆっくり休んでね」

ワタルさん本気でした。前に再戦した時よりえげつないレベルに成長した彼の最強の仲間達を相手にするのは流石にきつかったです。
こんな事ならグレイシアやラプラスを送ってもらっておくべきでしたと思い出しても後悔。

「さてさて」

皆さまここがどこかわかりますか?
はい、ナギサジムです。

「電気ついてますね。よしっ!」

一週間ぶりのデンジさん。もうライラはデンジさん不足で干からびそうです!
どうせジムの改造に集中してるでしょうし、後ろから飛びついちゃいましょう!

「寝不足で動きが鈍かったらハスハスさせて貰おう」

へっへっへ。おっと涎が。
それにしても夜は仕掛けが解除されてるから、スムーズに目的地まで進めていいですね。

「所々、鍵は掛かってるけど、ヘアピン一本あれば朝飯前ですね。デンジさんと私の間を阻む事のできるものなんて存在しないのです!」


□□□


あ、あの無防備な後ろ姿は!
見つけましたよ〜

「………」

抜き足差し足……

「デンジさ〜ん!」

「甘い」

「きゃ!?いたたた……」

ライラのガンメンダイブ!▼

ドラゴンダイブならぬガンメンダイブですよ!
痛い!ガブリアスっていつもこんな気持ちなんです!?

「何で避けるんですか!!」

「そりゃ後ろから邪な視線なんか寄越されちゃ避けるだろ」

「邪って!私はただデンジさんに後ろからぎゅーってしたりクンクンしたり服の中に手を入れようと思っただけですよ!?」

「お前、それが普通だと思うなよ……?」

何でですか!私はデンジさんに後ろからぎゅってされたらもう脳内お花畑どころじゃありませんよ!
ピカチュウにボルテッカー食らう並に即死ですから!

「一週間も会えなかったんですよ?ちょっとくらい良いじゃないですかぁ……」

「会えなかったって……他の男んとこ行っててよく言えるな」

「……お…?」

「あ?」

デンジさん。それって。
まさかまさかもしかして……

「ヤキモチですか?」

「や、やき?……っ…んなわけあるか!!」

「ふっふー照れなくても良いんですよ?」

「照れてなんかねぇよ!ってか違げぇし!」

「はいはい。わかってます〜」

「わかってねぇ!」

どうやら無意識の内に押してダメなら引いてみろ作成をしてたみたいですね!
さながら、効果は抜群だ!!ってところでしょうか?

「デンジさん」

「……何だよ」

「私、今とっても嬉しいです!」

「…っ……」

「充電完了しましたから今日は帰りますね!あんまり寝不足しないでくださいよ?お休みなさい」

スキップで空を飛べてしまいそう!
今日は良い夢見れそうです!