座右の銘は有言実行と言っても良いように、シロナさんは翌々日しっかりシンオウリーグと全ジムを休みにしました。
こんな急な要請によくリーグが応じたなぁと思ったけれど、初の女性チャンピオンになるような人だし、綺麗な顔をしていても気は強い。きっと押しと脅しでどうにかしたんでしょう。

「よし!」

ナギサジム前。今日は静かです。
まぁナギサジムは基本的にあまり挑戦者がいないですから、轟くのはポケモンたちの鳴き声ではなくジム改造の機械音で、改造してない時以外は静かですけどね。

「まったくデンジさんも学習しませんね〜このくらいのセキュリティ解除なんて御茶の子さいさいですよ!」

だいたいジムのセキュリティシステムってデボンのだから解除キーも頑張れば手に入らない事もないんですよね。
さぁて、今日は改造してないみたいですし、私室でお休み中ですかね?


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「たのもー!!」

「!…な、お前どうやって…!セキュリティは完璧なはずだぞ!」

ベッドで転がって雑誌を読んでいたデンジさんが大袈裟に驚いている。
いやいや、わかっていたでしょう?私が何としてでもここに来ることは。

「あんなの!自動ドアの如くスムーズに開きましたよ!」

「デボン全然ダメじゃねーか…簡単に解除されてんぞ…」

セキュリティの事なんてどうでも良いんですけどね!
それより!!

「デンジさん、何で私の事避けるんですか?」

「何でって…」

「デンジさんが私の事が好きになってるのはわかってます」

「な、んだと…?」

「あんなにわかりやすい態度取られて気づかないほど私も馬鹿じゃないんですよ」

「……」

「私が何を言いたいかわかりますか…?」

「お、おい…」

思わず声のトーンが下がってしまいました。
私の雰囲気がいつもと違うからか、デンジさんが少し焦っています。
でもねデンジさん。今回ばかりは私も耐えれないんですよ。

「ライラ…」

「会ってくれないなら……会ってくれないなら、パンツの一枚でもくれたら良いでしょう!!?」

「……………は?」

「私は!デンジさんに好きになってもらってもそれで会えなくなるのは嫌です!それなら今までのままで良いんですよ!どうしても会いたくないならパンツ下さい!」

「お前、さっきのシリアスな空気はなんだったんだ…てかパンツなんて誰がやるか!この変態女!」

「くれないなら奪うまでですよ!」

「……っ!」

獲物を狙う肉食獣の視線のごとき。ギラリとデンジさんを視界に捕らえる。
怯みましたね?怖じ気付きましたね!?このライラ、チャンスは逃しませんよ!!!

「てめ!こら、離れろ!」

「脱ぎたてのパンツを頂いたら離れます!」

「ふざけんな!」

「至って真面目です!!」

「このっ…!」

「わっ!」

ぐるり。
火事場の馬鹿力というんでしょうか。瞬間的な力は私が勝っていたはずなのに、身体を反転させたデンジさんにポジションを逆転されました……
というか、こここここの体勢は……!!!!

「ち、ちょっ、デンジさん!待ってください!!まだそんな、心の準備が…!」

「何言ってんだお前…」

「あ、でも嫌とかじゃなくて、むしろバッチコイなんですけどね!?」

「君たち、何をしてるのかな…?」

「「!」」

急に降りかかる第三者の声にはっとした。
何というバッドタイミング。
私たちの視線の先にいたのは……

「ダイゴ…」

『あいつ』だった。