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「ハッ…!!!!」

\観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空度 一切苦厄 舍利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 ………/

次にタケミチが目を覚ましたのは、誰かの告別中だった。




──2018年2月22日




その世代にぶち当たる不良一同がお香典持って悲しむ日である。




無理もない、




本日は□□□□の葬式だ。






まず、出席者を一部紹介しよう。



左隣にはイヌピー君、ココ君、イヌピー君にそっくりの女の人。右隣には千冬、そのさらに隣に場地君。

席はホール会場の左側後方だった。右側前方に、えらく派手な髪色の集団を発見する。他にも、ガタイのいい感じの男達や大勢の女が沢山いる。席がたりていなくて、立ち見が所狭しと敷き詰められていた。立ち見の中に大寿君や三ツ谷君、サウス君も見つけた。
……暫定マイキー君の横に座っているのは、あれはもしかして真一郎君か…!?

じゃあ、この世界は、タイムリープした過去の延長上の未来なのか…!!



「(一体誰の葬式だ……??)」



遺影がライトに反射して顔が見えない。

タイムリープを知っている、横の席の千冬に聞きたかったが、とても聞けるような状態では無かった。


ガラの悪そうな人、急いで来たのか喪服じゃない人、なんの仕事かわからない様な髪色の人、その場にいた全員が誠意を持った姿勢で坊のお経を聞き、涙が似合わないような大男までもがハンカチを握りしめ鼻をすすっているからだ。
姿勢の悪いやつなんて一人もいなかった。
口を開いて喋るやつなんて一人もいなかった。





タケミチたちのお焼香の番が来たらしい。
起立して列に並ぶ。

自分の番になってやっと遺影に写った顔が見えた。





































一虎君のお姉さん、その人だった。








───────────────────








幸せ絶頂の結婚式から、不幸のど真ん中のお通夜へ平行世界リープを遂げたタケミチは、とにかく状況を聞こうと千冬に話しかけようとしたのだが………
千冬は、右側最前列に居た派手な髪の集団になにかを話に行こうとする場地君について行っちまった。

エ、どうしよ、オレ誰と弁当食べよう……



「よォ花垣、リープお疲れ様」


ペロってしながら野生のココが話しかけてきた。


イヌ「ほんとうに、リープしたんだな?」
タケ「え!?なんで2人がオレのリープ知ってんすか!?」
イヌココ「「なんでだろうなぁw」」

黒龍。ヒナや千冬とは違った、タケミチを支えてくれる存在である。






タケ「えっと、じゃあ、
この世界のオレは、平行世界にしかリープできなくて、でもオレが過去に飛んだ事でタイムリープできる平行世界のオレを知ってて、」


武道が元の世界の結婚式で出会ったのは、平行世界の自分であった。


ココ「そうだ、どうしてもって聞かなくてな、全く困った大将だよ」
イヌ「どこまで知ってる、アイツは「聖夜決戦まではオレじゃない」って言ってた」
タケ「はい!」
ココ「ふぅん、じゃあまず、死んだのは姉の方の羽宮だ。」
タケ「………、す、」
イヌ「で、右側最前列の近親者席に集団で座ってたのは、

イヌココ「「   天竺   」」

タケ「天竺…?」
ココ「日本最大の犯罪組織だ。売春、賭博、詐欺、売春」
タケ「(売春2回も言った…!?)」
ココ「どんな話でも裏には"天竺"が居る」
イヌ「橘ナオトが今も全力で情報を探している、伝言だ花垣「平たく言えば、ほぼ前の"東京卍會"です」」
タケ「っ、」
ココ「そのトップの男が、」
イヌ「黒川イザナ」
タケ「??……誰???」
イヌ「元黒龍の総長で、真一郎君とマイキー、エマの家族らしい。」
タケ「!!じゃあ、マイキー君に…!!」
イヌ「止められなかったから今こうなってんだ」
ココ「……だがな、知ってるやつは知ってる。諸悪の根源は黒川イザナじゃない。今日はソイツの話をしに来た、」

\ガチャリ……/

タケ「…!?」
ココ「それはコイツの方が詳しい」
イヌ「1回負けたやつだ、なんでも聞いていいぞ」
?「チッ…吠えてやがれ」
タケ「いや、え!?」
?「…久しぶりだな」
タケ「、」
?「元気してたか?
    花垣。   」
タケ「お久しぶりです…!!
     大寿くん……!!  」







─────────────────







大「いいか、お前らに協力する気はねぇ。だがオレも、………アイツの事で天竺には因縁がある。」
ココ「………………」
大「情報交換だ、お前らの掴んでるものも知りてぇ。今からする話はここだけの話だ。」
\ゴトリ、/
イヌココタケ「「「!?」」」
大「……オイ、…今話してんだろうが……」
サ「はっ、そんな湿気たツラしてっとカビ生えんぞ、これでも飲め」
大「誰が50度もある酒飲みながら話すか💢」
サ「日本ジーン、これだから情けねぇ!」
大「……ま、オマエらも飲みたかったら飲めよ」
タケ「(ンなもん飲んだら話せねぇっすよ…!!)」
大「で、知りてぇことは"アイツ"と天竺創設についてだったな」
サ「…………」
タケ「……すみません、ココ君と大寿君が言ってる、"アイツ"って一体、」
大「………は?」
イヌ「(やっべ説明すんの忘れてた)」
大ココ「「天竺の"梵天様"」」
ココ「天竺には梵天様って奴が居る。名前通り創造神、ソイツのせいで天竺は結成された。
……ヤクザには金が要る。梵天様が金脈だって情報も出てる。ソイツが大得意としてるのが売春。」
大「…ちょっと違うな」
ココ「…」
大「天竺を作ったのはアイツじゃぁない。……アイツが、あの時代に元居た主力の愚連隊やらヤクザやらを枕で潰した。それに乗っかったのが天竺だ。」
サ「……………」
ココ「くせぇな…オマエのエゴも入ってんじゃないのか?」
イヌ「おいココ、やめろ。喧嘩しに来たワケじゃねーだろ、」
ココ「………わかってる。
……天竺は、アイツの顔だけ割れねぇ。」
サ「……………」
ココ「今日はその話をしに来た。オマエらが昔天竺と羽宮とつるんでたのは知ってる。梵天様はアイツで間違いないな?」
大「そっちには警察がいるんだろ?」
ココ「黒川が、警察に顔を効かせてるらしい。お手上げだとよ」
大「それが答えだ」
ココ「ならどうしてオマエが天竺に接触しねぇ、もう冷めたのか?案外、冷てぇ男なんだな。」
大「……オレはその話を聞きに来た。
あの日、何があってああなった」
イヌ「………」
大「何があって、羽宮が植物状態になった。何があって、アイツはボコボコにされた。」
ココ「………それは愚連隊の、」
大「オレが聞いてんのは"誰が"やったかじゃねぇ。"何が"あったか聞いてんだ」
サ「………………」
大「オマエの姉貴が、あの時仕切りに謝ってたのが何か関係あるのか、乾」
イヌ「……………」
大「佐野の妹は元気か、花垣」
タケ「……………」
大「三ツ谷も、マナもルナも、ずっと何かを黙ってやがる」
ココ「……………」
大「オレは、柚葉が八戒にさえ口を割らねぇ理由を聞きに来た」
サ「……………」
大「…もう、アイツが安心して落ち着いた生活ができているなら構わない。無理やり戻って来いとも思ってねぇ。本当にオレの事が嫌いになったならそれでもいい。…ただ安否が知りてぇ。オレはずっと、心配で、」



\パァン!!💥/

一同「「「「「 !? 」」」」」


いきなりとび出て発砲音である。飛んでもない。いや銃弾は飛んだが。






?「\スクラーーーーップ!!!/」
?「うるせぇ静かにしろ!!💢」
?「ウッッッッっっっス(ガンギマリアイアイサー)」



もうわざわざ書く必要もないだろうが、三途とムーチョである。新喜劇のようにズカズカ入ってきやがった。
「「邪魔すんやったら帰って。」」ココも大寿も同じことを思った。
今日も元気にMDMAチヨは、なんだかよくわかんねぇカラフルなラムネみてーなやつとブロンをガンギメし、ムーチョのお世話をする(笑)(むしろ逆)仕事をガンギマリの笑顔で遂行している。マイキーも、この笑顔には黒い衝動も引っ込めて「笑うな」って言うだろう。ちっちゃい子が見たら泣く。


春千夜とムーチョは今天竺に居るのだが、丁度いいので天竺のメンバーを紹介しておこう。

・天竺首領:黒川イザナ
 ・イザナ側近:鶴蝶
・天竺No.2:武藤泰宏
 ・武藤側近:三途春千夜
・天竺幹部:望月莞爾
・天竺幹部:斑目獅音
・天竺幹部:通称梵天様
 ・梵天様側近:灰谷蘭
 ・梵天様側近:灰谷竜胆


以上である。獅音だけ高校の単位が足りず中退したので未だにそのネタでおちょくられている。可哀想に。









しかしこの時空ではもっと可哀想なヤツが居る。半間だ。

なぜ半間がこの時空で一番可哀想か、
寝たきりになった羽宮を治すため医者を志した稀咲に、「オイ、看護師免許とってこい」なァんて言われちまい、「偽造したらインじゃねーの」つったら「中身が伴ってねーだろーが!!」とかキレられ、入学まで毎日のように羽宮に「起きてくれ頼む起きろマジで」って頼んだ甲斐もなく泣く泣く3年制の看護専門学校に入学。罪と罰を資生堂のスポッツカバーやらテーピングやらで誤魔化し続け、こだわりのモヒカンは黒染めさせられ、真っ黒でダセェスーツを着用し、これまた真っ白でダセェ靴を履き、再試に金のかかるタイプの試験をなんとか全て倒し、病棟実習中はめちゃくちゃ冷たい指導看護師に日誌やら態度やらなんやらの難癖をつけられ続け、お局に気に入られちまって"オバハン歳考えろアタック"を毎日ほどくらい、最終的には国家試験をぶち破りなんとか看護師になった。国家試験が終わった瞬間にモヒカンに戻し、いつも黄色く染めてる部分をレインボー🌈にしてやった。着ていたスーツと靴は破ってお焚き上げファイヤー🔥した。
オシャレが嫌いと言いつつも、作中一番オシャレな半間には拷問でしか無かったらしい。「ダリィ」の一言で片付けず、事細かに"梵天様"に愚痴った。「がんばったね♡」って言われて「オレはこのために生きてたンかもな」とか言いながらふあふあのおっぱいに沈んだら、思いっきり平手を食らって「稀咲にもブたれたことないのに、、、」なんて言いながら涙をハラハラ流した。勿論嘘泣きである。

そして、今は医者になった稀咲が経営する"天竺お抱え"の半分闇に染まった診療所で、羽宮の専属看護師をしている。専属って割に色々な仕事をさせられる。なんせ稀咲Dr.が鬼畜すぎて看護師がすぐに辞めるので。
半間みたいに、看護専門学校を突破できるヤンキーはマジで居ない。だからといって、稀咲が求める叩き上げの仕事能力ハイスペックをフツーの看護師は持っていない。稀咲は、この時ばかりは半間が頭良くて本当に(都合が)よかったと思ったらしい。
しかし、(都合が)よかったからと言って待遇が上がるわけでも何でもなく、天竺のヤロー共の応急処置をさせられるのも半間だし、健康診断で雑用やらされるのも半間だし、銃弾が腹に入って処置して痛み止めの薬を渡したモッチーに「この薬飲んだら胃ィ痛くなんだろーが!!オマエこれ間違ってんだろ!!」とかガン詰めされ「一緒に渡した薬と一緒に飲めつっただろーが!!」と怒鳴り返し、急性アル中で週4運び込まれる獅音に水をぶちまけ無理やりブッ生き返し、頭痛持ちで遂にOTCじゃ効かなくなったイザナを大袈裟な子連れオオカミほど心配する鶴蝶の相手をさせられ、三途ヤク中が刀持って乱入してきたかと思えば「ハルシオン出せやゴルァ〜〜〜"!!」などと切りつけてくるので稀咲を姫抱きにして躱しながら保護者ムーチョ連絡通報をし、etc......
もうもはや、数ヶ月に1回ピルやら当帰芍薬散を取りに来る今日も今日とてゆるふあの梵天様(※後方のジャイアンから「色目使うなよ(ニッコリ🖕)」の圧力オプション付き)と、寝たきりだけど文句1つ言わねぇ羽宮(※もれなく正気を喪失した一虎のアンハッピーセット、たまにクラゲの厄介彼氏ヅラまでふえる)だけが心の拠り所であった。
そう、心の拠り所であった。
羽宮のバイタルサインが停止した時、一番最初に発見した半間は、植物状態の羽宮のために脳神経外科にまでなった稀咲の顔が見れなかった。
地獄で会ったら「オマエ〜死ぬンかよ〜、オレがせっかく何年もセコセコ世話してやったのによ〜〜ww」って憎まれ口を一言だけ、絶対言ってやろうと思っている。





まァつまり、ムーチョと春千夜が何をしに来たかと言うと、、、



ム「悪いことは言わねぇ。関わるな。悪いが、これ以上関われば命の保証はねぇと思え。」
春「ね🖕」
ム「チヨ💢」
春「ウーーッス(アッカンベーー🖕)」
大「………」





そんなこんなで弁当を食いっぱぐれて解散となり、まァ天竺がわんさか参加しているこの葬儀でもう一度話す機会を設けられる訳もなく、あっという間に火葬も終わっちまった。
火葬の前の昼休憩で、派手髪集団に話しかけに行った場地君は、さっきより浮かない顔をして千冬と帰って行った。

タケミチも、もうあとは会場から帰るだけなのだが、、、。
帰ってしまっていいのか、ここがターニングポイントじゃないのか、なんとなく会場から帰れずに居た。






























さて、ここらで読者の皆様には特別にネタバラシをしよう。


まず、"梵天様"とは誰か。
気がついた人も多いかもしれない。パイセンである。



次、なぜ一虎の姉ちゃんが死んだのか。
羽宮が2006年2月22日、つまりちょうど12年前の今日、ヤクザに命を狙われた佐野エマを、身を呈して逃がしたからである。
一緒に逃がされた人間は3人。佐野エマ、乾赤音、パイセン。なお、パイセンは2人を千咒に引き渡した後、その場に戻って負傷した。
しかし、一虎の姉ちゃんの怪我はパイセンのソレより遥かに酷かった。みんなでお金を出しあって治療の限りを尽くしたが、12年の植物状態を経て、1度も意識が戻ることの無いまま亡くなった。



次、なぜココが"梵天様"を探しているのか。
赤音ちゃんが、「助けてもらったのに自分だけ結婚なんてできない」って言うからである。
赤音ちゃんは、あの時「振り返らずに逃げろ!」と言った一虎の姉ちゃんを一緒に連れていこうとしなかったこと、パイセンが戻るのを止めきれなかったことをずっと後悔している。



次、なぜ大寿が何も知らないのか。
"梵天様"が、何も教えてくれないまま姿を消したからである。
柚葉や周りが頑なに口を割らないのは、パイセンのためであり大寿のためであるのだが、、、
大寿はずっと、少ない情報と記憶を頼りに、自分の人生の傍らでパイセンの幸せを祈り続けている。



次、サウスは一体何なのか。
サウスは全てを知っている、とだけ伝えておこう。知ってて大寿に黙っているし、わかってて大寿について来て、今は大寿が経営する飲食店で酒の管理とピアノ演奏をしている。ヴィーヴォっ♪!!



次、なぜ春千夜がマイキーでも一虎でもなくムーチョに着いているのか。
ずっとイザナが心配な真一郎、マイキー、エマの頼みで、天竺にスパイをしている。いやスパイは言いすぎたかな、『日報イザナ』を佐野家に送り続けている。しょっちゅう写真やらネタやらを要求するため、鶴蝶には"イザナのファン"だと思われている。
あと、個人的にもマイキー的にも、一虎の様子が気がかりであるから、「灰谷(に着くの)は嫌だ!!灰谷(※くり返し)は嫌だ!!」とスリザリンより駄々を捏ねた結果(まァそんな駄々をわざわざ捏ねなくても)ムーチョの側近になった。でも本来スパイなんてできるほど器用じゃないので、ムーチョに優しくされるのにも耐えられねぇし、クソ武臣が未だに梵天様に借金返せてねぇのにも耐えられねぇし、一虎がオレをオレと認識しなくなってどんどんミイラみたいになっていくのにも耐えられねぇ。だからクスリに手を伸ばしちまった。主治医の稀咲は飼い主ムーチョに「いつ死んでもおかしくないと思っとけ」と言ってある。「そこをなんとかしてやってくれねぇか」とは弱ったムーチョが漏らしたSOSであった。「自業自得だ」ってガン無視されたし半間にひっ掴まれて病室から放り出されたが。



次、今東京卍會はどうなっているのか。
12年前、初代総長佐野万次郎の宣言を持って解散した。



次、一虎は今どうなっているのか。
天竺に引き取られて、竜胆が家に連れ帰って面倒をみたり、姉の病室で半間に介護されたりしている。意識が喪失している状態で、誰が話しかけても誰かわかってない。
場地さんは、ことある事に一虎に接触しようとして失敗している。



最後、結局なぜ天竺ができたのか、










梵「なんでここまで着いてくるの」
蘭「なんでだと思う?」
梵「勤務外よ、プライベートは放っておいてちょうだい」
蘭「ハイハイわァったわァった」


葬儀が終わった後、ここは葬儀場近くの高層ホテルの展望台である。
冷たい夜風が吹き上げ、"梵天様パイセン"の長い髪と蘭のジャケットが空中に膨らむ。
地上に輝く夜景がキラキラして綺麗だ。



梵「………………」
蘭「………………」

2人とも多くは語らない。
そうやって他人の目を気にして生きてきた、そうやって他人の期待に答えて生きてきた。







タケ「!!」



展望台の更に上の階層で「んー、困ったなー、何したらいいんだろ」なぁんて思いながら、、ふと目線を下に向けたタケミチは展望台に今にも飛び降りそうな2人の人影を見つけ、思わず走り出した。









タケ「\死んじゃダメだ!!!/」





蘭梵「「!!」」

何を話すでもなかった2人に大声が届く。




タケ「死んじゃ!だめですよ…!!」


タケミチは目の前で千堂敦が飛び降りた時の悲しみをずっと覚えている。誰かが目の前で飛び降りるのは、もうコリゴリだった。


梵「…あなたは、」


綺麗な声が透き通る。
横にいた蘭が驚いた顔をしている。突如現れた得体の知れないお節介野郎に、まさか喋りかけると思ってなかったらしい。





梵「………あなたは、全部失敗して、周りをみんな不幸にして、結局一人死に損なった後に見える景色を見たことはあるかしら」


どうやら、事情も知らねぇで「死ぬな」だなんてお節介をぶちまけてくるタケミチに心底ブチ切れているようだ。

蘭はさらに目を開いた。
「(やっと、アンタが何考えてるかわかった)」そう思った。
アンタも後悔してんのか、そうか。




タケ「…エット……」
梵「……誰かも知らないあなたに怒っても仕方がないわね、そうね、

私自身でケリをつけないとね」







横から女の体が前方に傾く。落ちていく細脚を何とか片方掴み、蘭の手は先程無神経な説教をタレた謎のヒョロい男に掴まれた。


タケ「っ"!!
 あなたが、梵天様ですよね…!!」
蘭梵「「!!」」
タケ「大寿君も、ココ君も、あなたのこと、探してましたよ"っ、」
蘭「…………」
タケ「帰りましょ?……ね"っ、!!」
梵「っ、誰その人!!知らない!!!」




こうやって、この時空の梵天様パイセンは嘘ばっかりつき続けてきた。





蘭「………おい、今からコイツを上に放り投げるから、オマエはそっちを掴め。

俺のことは離していい。」

梵「っ、」
タケ「ダメっs」
蘭「うるせぇ聞け!!!!!!!」
梵「何言ってるの!!!!!!!」
蘭「暴れんなバカ!!!!!!!!!」
梵「嫌もう離して!!!!!!!!!」






この時空で、一番後悔をしているのは蘭である。





蘭「なァ、頼むから、幸せになってくれよ?」
梵「嫌!!!!」
蘭「wそんだけ元気あれば大丈夫だなーww」
梵「やめて……!、!」
蘭「オイ、誰だかしらねーけど。乗りかかった船だ。
コイツのこと、絶対無事で柴の所まで連れて行け。暴れても何しても押さえつけてでも連れて行け、他の奴には見つかるなよ」
タケ「!!」
蘭「頼んだぞ助けてくれ




この時空で、一番過去を変えたいのは蘭である。






\ドクン、/


タケ「え?」




────────────────








──2006年2月22日






その世代にぶち当たる不良一同が口を噤んで下を向く事件が起こる。







さて、一虎の姉ちゃんがエマを庇って最初に頭を殴られてから既に数時間。





一虎の姉ちゃんのタイムリミットまで、




あと1時間。


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