──少年院ラッキースケベ事件




S62が1人を除いて吹き出す伝説である。




事の顛末を簡単に説明しよう、




一虎の姉ちゃんに関節技を仕掛けた竜胆が最悪の方法で院全体に童貞バレした。




まず何故女子であるはずの一虎の姉ちゃんが少年院の男子用施設に収容されたかというと、女子用施設でデモを起こし、パチキで職員5名を昏睡状態にしてしまったからである。


一虎の姉ちゃんは薬が効かなかった。大昔に怪我で手術をする時に打った麻酔が子供の量では全く効かなかった。だから、少年院で暴れた時に打たれる、例の注射を打たれても暴走が止まらなかった。





一虎の姉ちゃんは筋の通った()人間である。だから、バイク盗んだヤツをボコしたことに反省は無いが、止めに入った真一郎を病院送りにしてしまったことには反省も後悔もしていた。
一虎(小5の姿)が毎日のようにくれるお手紙に『リーゼントのおにーさんが、姉ちゃんのバイクの凹み直しに来てくれたよ。』って書かれてあってさらに申し訳なくなった。カリスマ性という巨大な力は、案外地道な気遣いの積み重ねから生まれるのかもしれない。
だから少年院に入った事はしっかり受け止めてさっさと出てちゃんと謝りに行こうと思っていた。


しかし、一虎の姉ちゃんが謝らないといけないのは真一郎であり、少年院の職員では無いのである。







気に入らん事を言われた一虎の姉ちゃんはホウキを鯖折りにし院中の女子諸君を従えてデモを起こし、職員の態度改善を要求した。



それでも聞き入れられなかったので暴れ倒して暴れ倒して注射打たれても動き続け施設ぶっ壊し回り職員5名昏睡させて、最終的にクマ用の麻酔銃を打たれるまで破壊行動を続けた。黒い衝動もびっくりの活性化エネルギーイラチ力である。






施設がメタメタに壊されてしまったので、このままコイツをこの場に収容していては危ないと判断した偉い人達が、最新設備とバリケードが整っていた当時最高峰の監獄()であるS62を収容している少年院に飛ばした。






そう、一周まわってタップルより出会いの場になっているあの、私語禁止令も何もかも全て機能してなさそうなあの少年院に飛ばしたのである。















それは、乱気流どころか熱帯低気圧が日本列島に押寄せる季節のとある日だった。
先に収容されていた極悪の世代はカイジよりざわ…つく職員達を不審に思いつつ、各自部屋からそっと外を覗いていた。みんなお向いさんかお隣さんだった。


窓の外が異常な悪天候の中、デコにタオルぐるぐる巻きにされて、手錠で縛られてる女が7人の職員に取り囲まれながら廊下の奥の部屋に入っていった。
世界で一番嫌な白雪姫である。こんな修羅ってる白雪姫があってたまるか。



イザナと竜胆は「はにゃ?(首斜め45°)」の顔でその光景を見ていたし、モッチーとムーチョはなぁんかヤな予感がしたので「関わらんとこ…」と思ったのだが、噛ませの獅音とヤリチンの蘭はどうやらそうではなかったらしく……








次の日のド早朝、




\\イ"ギァェ"ァァアアアアア"ア"!!!!//




汚ェ断末魔が響き、叩き起された極悪の世代一同がイライラしながらドア開けた次の瞬間、部屋の前にデコから血を流した獅音が吹っ飛んできた。







すぐさま同室の兄がよからぬ事を企んでいる気配を察知した竜胆は、兄の顔を見ないようにつとめて大人しくしていのだが、時すでに遅し…



愉快犯の蘭のピクリン酸より爆発的な好奇心には既に火が点っていたので、次の瞬間には





「竜胆、👉。(満面の笑み)」



コレである。







竜胆はどこまで行っても蘭の弟であり、極悪の世代の弟ポジなので、獅音1枚下の噛ませ犬筆頭が居なくなってしまうと次の毒味が回ってくる。兄貴が気に入らない命令なら躱せることもあるが、ジャイアンの命令なので仕方が無い。
ぱーちん木村昴より余程剛田武ジャイアンである。








獅音の伸び方と、女なのに男用施設(しかも究極)に入れられていることから、「手ぇ抜いたらヤベェな…ヨシ………」と、初手から加減なしの寝技を決意。



息を整えてノック。



出てきた女は己より身長が高く、しかも物凄い剣幕であった。



「ァンだ?テメェもやンのかァ?ゴラ…」






次の瞬間肩を持たれたので、「あぁそういう事パチキか」と納得しつつ勢いで押し倒してマウントを取りとにかくデコを避けたかったのでヒールホールドを掛けた。










一方、一虎の姉ちゃんはかけられたヒールホールドに「痛っっってェ"」と屈していた。別にどっかのフィジカルギフテッドでもなんでもないので喧嘩とか当たり前に男に劣る。パチキとバイク以外は劣る。
……しかし、眼前の男が自分のマウントを取った時、一瞬目が動揺したのを見逃さなかったので気がついたのである。






そう、灰谷竜胆は童貞である。











勝ち筋は見えた。















次の瞬間一虎の姉ちゃんは自分のこの無駄に豊満で持て余している乳で竜胆の足をパイズ………ンン"っ…ホールドし、竜胆にホールドされている片足の方向に合わせてケツを竜胆の股間に押し当てた。



身体のマウントを取った時点で童貞心のマウントを取られていた竜胆は突然増したムニムニ感に焦り散らかした。

焦ってさらにホールドを強くすると向こうもさらにムニムニを押し付けてくるので竜胆のリンドウ(都内在住・14歳・♂)は限界度が上がる。

…今ここで逃げたら向こうで野次馬してる兄貴たちの笑い物になることは間違いないのでさっさとギブして欲しい。











だが残念、無念、













「は?オマエ勃ってね?(笑)」
「〜〜〜〜〜〜〜〜"!?!!!!!!」








バレた。
しかもバラされた。
ちなみにこの時鼻血も出ていた。


ちょっと刺激が強すぎた。






頭真っ白になって野次馬してた兄ちゃんの足にダッシュ、精神安定の為にプライドもメガネも放り捨てて縋った。


「兄"ち"ゃ"ん"(ギャン泣き)」


兄ちゃん(鬼)(悪魔)(非童貞)は頭をヨシヨシしながら爆笑し、イザナもモッチーもムーチョも爆笑していた。



ちなみに、モッチーもムーチョも爆笑しているがコイツらはバキバキに童貞である。
悪さしかして来なかった。色恋なんざ二の次である。人の事を笑える立場ではない。
しかしここで笑わなかったら童貞がバレるのでカラ笑いしている。その様が大袈裟すぎて爆笑に見えているだけで、実際はお互いがお互い「「エッオマエ非童貞なの…!?」」と思っている。


イザナに関しては、大分ぼかした保健体育しか履修してないのであんましなんの事か分かってない。詳しく知らない。いつもと様子の違ェ竜胆に笑っただけである。





「アイツ"!!!……ア"イ"ツ"鼻で笑いやがっ"た"……!!!!!👉」
「ンンヒッヒヘッwwwww(ヨシヨシ)」
\おーい童貞ー、トイレ行かなくていいのかー?www/
「\デケェ声で喋ってんじゃネーーよ!/」
「今ので全部屋にバレちまったんじゃねぇのwwwwwww」
「ドンマイ竜胆www………」←カラ笑いその1
「オツカレ竜胆www………」←カラ笑いその2
\やーーーい!!!!
童ーーー貞ーーーー!!!!wwww/
「\ウッセシネバッッッカ!!!!!!!/」
「ヒョアwwwwwwwwww(悶絶)」



気絶していた獅音を除き全棟に竜胆の童貞が響き渡り、「あんなにイキってっけどアッチは中学生……」つってヒソヒソされたり、職員からカワイイ枠に入れられてお節介されたりするようになる。とんだ災難である。早くシャバに出てこんなモン捨てたい。



しかし竜胆が可哀想だったのは何もコレに留まらない。

一虎の姉ちゃんがタイプドストライクだったのである。正直一目惚れだった。
なのに勃ってるのはバレるし童貞はバラされるし当たった乳とかケツの感覚は鮮明に覚えてるし、散々である。



見た目だけじゃなく、一虎の姉ちゃんの"なんだかんだ姉ちゃんな部分"に弟ヂカラが靡いてさらにズブズブになっていくのは時間の問題だった。









まぁそんなこんなで、竜胆のメンツと初恋を生贄に、恐怖と利害以外の面で距離の近づいたS62は、別に少年院に入っている訳でもない鶴蝶を入れて交換日記(絵しりとり)をする位には仲良くなっていった。





いつものように獅音の部屋を不法占拠し、ブチブチ言いながらニュースの感想とかその他もろもろ出された課題を書いているある日、将来の夢の話になった。



姉「黒川将来何になんの?」
獅「…あのォ、……ここ俺の部y(((
イ「国創る」
姉「国??????」
蘭「まァじか大将wwwwww」
ム竜モ獅「「「「………(…エッ、国って創れんの???)」」」」
イ「そうだ。鶴蝶と国創る。天竺。」
姉「天竺???なんでインドなんだよ」
イ「インドってなんだよ、天竺だつってんだろ」
姉「は?だから天竺ってインドの事だよ、知らねェで言ってんのかよ」
イ「???」
蘭「インドの別名が〜、天竺って事ぉww」
イ「…………、」
姉「勉強しろよバカかよwwwww」
イ「っ!…誰がバカだよ💢」
姉「ァン?やんのかゴラ"」←額を合わせる
竜「ちょちょちょ、待てって」
姉「は?童貞は引っ込んでろ」
竜「ーー"っ!!…女の子だろ"っ!!!そんなこと口に出してんじゃねぇよ"!!!(泣)」
モ「竜胆やめとけ、」
獅「ケガすんぞ、」
ム「そんな捨て身になんな、」
竜「もう捨てるもんなんて貞操しか残ってねぇよ"!!!!」
蘭「〜〜〜"!!!wwwwww(セミファイナルの動作)」
獅「イヤ笑いすぎだろ」
ム「……言い方が………」
モ「処女でも散らすンか???」
蘭「wwww!!…────(笑いすぎて気絶)」
イ「兵士はもう居るっ!鶴蝶だ!!(✌️にっ)」
姉「……じゃあ国民第一号になってやるから税金完全に撤廃して社会福祉充実させろ。もちろん資本主義でな。」
ム「無茶苦茶言いやがる」
イ「???」
モ「ダメだ大将シャカイフクシが何か分かってねぇ」
姉「ベンキョーしろオマエ」
イ「誰に向かって命令してんだ!ァア"!?」
獅「っ、怒られんの俺だから部屋散らかすのヤメてくんねぇかなっっ!!!なぁちょっと聞いてる!!?!!?!!」




この時一虎の姉ちゃんの将来の夢を聞いておけば竜胆の運命はかなり変わって来るのだが……残念ながら竜胆はタケミっちとは違ェので運命を変えることはできなかったらしい。





他にも、一虎の姉ちゃんが少年院に入ったキッカケ真一郎のことをボコして病院送りにしたことがバレてイザナと一悶着あったり、蘭と弟談義したり、ムーチョに護身用の柔道教えて貰ってたら横から割り込んできた竜胆が頼んでもねェのに関節技教えてきたり、メシで出されたパプリカをモッチーの皿にみんなで押し付けたり、仕組んだジャンケンで獅音にトイレ掃除押し付けたり、煽られて逆ギレしたイザナが偏差値上げるために本気で勉強しだしたり、自分だけが勉強すんのは許せなかったため周りも全員巻き添えで勉強会したりと色々あった。




元居た少年院では一番治安の悪かった一虎の姉ちゃんだったが、イザナ達の居る少年院では一番マシかつイザナ達の暴走を抑える働きがあったので、他の奴らより早く出られることになった。

これが前回(メタ的な発言)の最後。









「姉ちゃんそれ何書いてんの?」
「………」
ねーね、、、ってばー、……聞いてる??」
「ァン?手紙」
「誰にー?」
「知り合い」
「何書いてんのー?」
「ナゼナニ期かオマエ、もう小学校も高学年だろ?」
「ねぇってばーー」
「絵しりとりの続き、アタシが描かないと次のイザナに回んねェから。」
「少年院ってそんなに早くお手紙届くの…?」
「んーん時差がある。でも、アタシが出す限りアイツらはアタシに絵しりとりを回してくるし、………つかアイツらアタシしか手紙寄越してくれるようなヤツ居ねぇんじゃねぇの?知らねぇけど。たまにはジジイババアしか見ねェ様なつまんねェニュース以外のシャバの空気入れとかねぇと現代の知識空っぽになりソーだなwwwwww」
「こっちのお手紙は?」
「ア?よくわかんねェ説教」
「見てもいい?」
「あー見ていいゾ」
「んー、」
\ぺらり…/


──お元気ですか。
貴女が少年院にいた時、バイクが好きだと言っていましたね。夜の繁華街は危ないことも多いので、ツーリングも程々に帰ってください。俺が院を出てからはどれだけでも付き合います。そばで守ってやれないので心配です。
(中略)
また手紙を出します。まだまだ寒いので身体には気をつけてください。
              灰谷竜胆より



「…………エッ(驚愕の目)」
「?ンだよ」
「姉ちゃん、この知り合いって、…誰?」
「いや、知り合いは知り合いだけど」
「えっと、……男?」
「男だな」
「…………付き合って、る…?」
「は?ナイわ〜〜wwww」
「………ねーねのこと好きになる変わったヤツってこの世にいたんだァ…(小声)」
「なんか言ったか?」
「なーんもっ!💦」




この時の竜胆(少年in)は知らない。
書き方とか字とかちゃんと調べてウン千回見直した手紙がTLのイラストより秒でスクロールされていることも、ラッキースケベ事件より恥ずかしい目に遭うことも、クソ厄介な頭脳派ライバルが増えることも、まだ、知らない。


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