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「鶴見中尉へ会いに小樽へ行くぞ」
あれよあれよという間に駅に辿り着き、鯉登と共に鉄道へと乗り込む。ガタンゴトンと揺られながら通り過ぎていくノスタルジーな景色に名前は心躍らせていた。
『わあ…素敵な景色ですね!』
「そうだな」
名前と出会ってから今日まで、今のように笑っている姿を鯉登はあまり見かけたことが無く、そんな彼女が楽しそうに車窓にかじりつく姿に満足そうにしていた。
「未来の景色というのは、どんな様子なのだ」
車窓の枠に肘を付き、ぼうっと外を眺めながら問い掛ける。
『そうですね…縦に長い建物がたくさん建ってますかね』
「さぞかし立派なものなのだろうな」
『ふふ、そうですね』
「なら"すまほ"というやつに景色の写真とかはないのか?」
『ありますよ。見てみますか?』
「あるのか!見たい!」
窓の外を見るのを辞め、勢いよく振り返る。
普段の凛々しい感じとは違い、未知のものに無邪気にはしゃぐ鯉登に強いギャップを感じると共に名前はまた可愛いな、とも思っていた。
『探すので、ちょっと待って下さいね』
*
『これは東京駅なんですけど、高層の建物がたくさんあって…』
「これは驚いた…」
『これだけ高い建物が並んでいると、私でも少し圧巻でした』
「映像が鮮明だ…」
現在ふたりは肩を並べ、ひとつのスマートフォンに集中している。
鯉登は未来の写真を食い入る様に見ていた。
「この変な形のやつは?」
『これは神奈川県にある宿の建物ですね。旅行に行った時に撮影しました』
「ほう……」
写真フォルダを鯉登と共に見ながらの会話は尽きることは無く、気付けば時間はあっという間に経っていて小樽まであと少しの所まで来ていた。
『なんだか楽しいですね!』
「……ああ、そうだな」
穏やかな時間だ。
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