彼の手がすけべすぎる件について


 


『蘇枋くんの手が…、すけべすぎるの…どうしようことはちゃん…!』
「どうしようと言われてもね…」


ここは喫茶ポトス。
コーヒーカップを手入れしていたことはは呆れたような眼差しを名前に向ける。


『蘇枋くんの手がほんとに…!ほんとにっ…!なんか、性的に見えてしまって…もう…わたし…っ!』
「欲求不満なの?」
『違うよ!なんかね、蘇枋くんの手って、大きくて、指は太過ぎず細過ぎず、それに長くて…ほど良く骨ばってる感じが…綺麗なのに男らしくて、なんかすけべなのっ…!どうしよう…!』
「どうしようと言われてもね…」

さっきも同じセリフを言った気がする、とぼんやり思いながら、そんな事を言われてもそういう風に見ているのは名前だけなのだから何と答えてあげたらいいのやら。
目の前のカウンター席に座る少女は頬を染めながら更に続ける。

『なんかその…、あられもない事を想像しちゃったりしてね…?別にそういう欲求があるわけじゃあないんだけど…』
「ふ〜ん、本当に無いのぉ〜?」

ニヤニヤすることはに対して名前は慌てるように両手を左右にぶんぶんと振る。

『こ、高校生らしく、清い交際してるもん!まだちゅうだけだし…!』
「ごめん、振っといてなんだけどなんかもう甘すぎて正直お腹いっぱいで吐きそう」

比喩としてだが、名前のまわりに浮いているハートがぽこぽこ飛んで来るようであった。







現在、蘇枋くんと公園デート中です。
ベンチに座り、まったりとしている…と言いたい所だが、ことはちゃんとの会話がフラッシュバックするせいで彼の手にばかり意識が行きすぎてしまう。
そして更にはそれを突っ込まれる事となってしまった。

「名前ちゃん?熱心にどこ見てるの?」
『あっ…、えっ!?その…ごめん、そんなに見てたかな!?』
「穴が開くかと思ったよ。もしかしてオレの手を見てた?」
『……!?』

そんなに見てたのか私!と心の中で叫んでいると蘇枋くんは更に笑みを深めた。

「そんなに好き?」
『あうっ、その、えっと』
「オレの手を見ていつも何考えてるの?教えてよ」
『あう…』

この様子はもしや、蘇枋くんの手をすけべな眼差しで見ている事がバレている…?
しかしこちらは細心の注意を払ってこっそり見ているのだからそんなはずはないと思いたい。

「ちなみに君がやらしい目で見てる事には気付いてたよ」
『ええ!?え?』
「むしろ隠せてると思ってた事に驚いてるよ」

それって私ただの間抜けでは…。
いや、すけべを通り越して変態なのでは、というかやらしい目とは…?
なんていうか穴があったら入りたい。

「何にせよ、そんなにオレの手が気になるなら好きにしてみるかい?」
『えっ?……え?』
「その前に鼻血拭こうか」



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