この手はなんの為にあるのか
あなたに触れられないこの手は。
冷たい水すら注げないこの手は。
暖炉に火さえ灯せないこの手は。
そよ風ひとつ起こせないこの手は。
なんの為にあるのでしょうか。
どうして私はこの家に生まれてしまったのでしょうか。どうして魔族の血は私に馴染まないのでしょうか。
私を否定する魔法なんて、私を拒絶する魔族なんて、この世から消えてしまえばいいのに。
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