牡丹と青嵐

 空が落ちてきたらどうしよう。女児は校庭の真ん中で考えていた。ふと見上げた空は黒い雲に覆われている。女児の不安は膨らんだ。あんな黒い塊が降ってきたらぺしゃんこになって死んでしまう。考えれば考えるほどに怖くなった。
 立ち尽くす女児に、男児が声をかける。理由を聞いた男児は、「そんなもの俺の天狗風で吹き飛ばしてやる」と自信満々に言い切った。



×/ 戻る /top