波原と角谷

部室と共に、代々受け継がれてきた電気ポットが壊れた。ピーピー鳴くだけで、水を沸かしてくれないその赤いポット。僕が一年の時から世話になっていて、それなりに愛着があった。寒い冬にはいくつものマグカップに暖かさを灯すことができたのは、この子のおかげだ。壊れたとしてもその功績を称え、と、熱弁を奮ったが聴衆には響かず、虚しくも壊れたポットは不燃物のレッテルを貼られ、回収の日を待つのみとなった。可哀想な子だと出てもいない鼻水を啜っている私のことなど完全に無視した後輩達は、各自スマホの画面を突き合わせ、ああだこうだと言い合っていた。

そんなもの早く捨ててより良いものを買おうと一年生の飯森くんが声


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