「輝、」
仕事から帰ってくると珍しく彼がいた。玄関の扉を開けて見慣れた靴が綺麗に並んでいるのを見て思わず彼の名をぽつりと呟いていた。
「よう、おかえり。それとお疲れさん」
「もう!鍵かかってたからびっくりしたんだけど」
むっとしたように唇尖らせるも全く不満などないわたしは久しぶりに会えた相手の姿を見て鼓動が速まりそんなわたしに彼はにへらと笑ってみせる。
「驚かせようと思ってさ。どうやら作戦成功みたいだな」
彼が何気無く、自然とわたしの鞄を持つと片手はわたしの手を軽く握ってリビングへと向かった。
「輝、今日は早いんだね」
「ああ、久しぶりだ。こうして会うのも」
「寂しくなかったか?」
ソファに座った彼は口角を上げて両腕を広げながらそう言う彼は意地悪だ。
「寂しかったに決まってるでしょ」
しっかりと抱きつき相手の肩に顔を寄せながら再び不満げな顔で呟けば輝さんはどこか嬉しそうに笑った。