エンフィールド/ここから始まる
2023/07/02
出会い方について聞かれても、上手く答えられないのが現状である。そういったことは私ではなくエンフィールドに聞いてほしい。多分、出会えたことがどれだけ素晴らしいかを語ってくれるはずだ。
しかし、もしものことだが彼が私との出会いは悪いものだと認識していたら、私はどうしたらいいのだろうか。
スナイダー/記念日
2023/06/30
「炭酸水いる?」
「いらん」
「じゃあエンフィールドが焼いたスコーンは?」
「いらん」
「ショートブレッド」
「いらん」
何を贈ったら喜ぶのかわからないため手札は複数用意していたが、すべて外れてしまい途方に暮れる。補充のため一旦席を外そうとしたら「今日は俺の側にいろ」と思いきり腕を掴まれた。
マークス/わかったか、あほ
2023/06/29
出来心だった。いつも私をすごいすごいと褒めてくれる、そんな彼が私を罵倒するとしたらなんと言うのか気になってしまったのだ。
「マスターの………あ…ほ……! っ、駄目だ! これだけは言えない!!」
罵倒とも言えない可愛い言葉について言及する前に、傷つけてしまった彼の頭を撫でることにする。
エンフィールド/よくもそんな恥ずかしい台詞を
2023/06/28
「朝からマスターの顔が見られるなんて、今日はなんて良い日なんでしょうか!」
エンフィールドのその言葉には、きっと嘘も偽りもないのだろう。以前そんなお世辞はやめてほしいと返したら、きょとんとした顔を向けられたことを思い出す。返答に困る私を他所に、彼はお茶会の準備を進めていたのだった。
マークス/世界で一つだけの願い事
2023/06/27
あなたが笑っていてくれればそれでいい。ただ、たまには俺を使ってもらえると嬉しい。マスターさえよければ、その後に俺のメンテナンスもしてくれたら、とても嬉しい。それから_
「マークス、願い事は一つしか書けないんだよ」
俺と同じく短冊を書いていたマスターは、そう言って照れくさそうに笑った。
エンフィールド/図書室の猫
2023/06/27
最近図書室にまったく人に懐かない猫が居座るようになった。
「ちょっとスナイダーに似てて可愛いかも」
私と同じく猫が気になって見にきたエンフィールドにそう話しかけたら、「マスターは懐かない猫の方がお好きでしょうか」と返されてしまい冷や汗をかく。エンフィールドのやきもちは洒落にならない。
スナイダー/大人の定義
2023/06/27
「これはなんだ」
スナイダーがそう言って指さしたのは透明な酒だった。まさか、と思い彼の顔色を覗き込むと微かに赤い。
「お酒だよ、飲んじゃった?」
「飲んだ。こいつのせいで身体が熱い」
大人になったね、と話しかけるも不機嫌そうに銃が歳をとるわけないだろうと返された。浪漫もへったくれもない。