I'm proud!
315プロ合同ライブツアーで初めてのソロステージ。
嫌いなリハーサルを重ね(…何度脱走し、道流とタケルと一緒に連れ戻しに行ったことか……)迎えた今日。いつも通り自信の塊でユニット曲も歌って踊っていたが、初めてのソロ曲のステージを目前に、ステージに立たないプロデューサーの方が緊張していた。ユニット曲に負けないくらいのアクションを取り入れつつ歌うのだ。決して彼に対して自信が無いわけではない。自慢のアイドルだ。だけど、楽しみな気持ちと緊張で落ち着かない自分がいる。
「牙崎さんスタンバイオッケーです!」
スタッフの小さな声が掛る。振り向くと闘争心むき出しの漣がいて、バチリと目が合った。と、すぐに眉間に皺が寄り、ツカツカと自分の方に向かってきた。
「なんつー顔してやがる!俺様のステージだぞ。もっと誇らしげな顔してやがれ!ばぁか!」
バンっと背中を叩かれたと思うと、そのまま彼はステージへと向かって行った。暗闇の中、ステージ中央に立つ。イントロが流れ、曲に合わせて照明の演出が入ると、会場からは大きな歓声が沸いた。
スポットライトが彼に合った瞬間顔を上げ、ニヤリと笑う。
会場を煽りまくり盛り上げて漣のソロステージが終わった。歌い終わり、汗を腕で拭いながら堂々とした足取りで袖に捌けてくる。
同じくらい頬を紅潮させて見守っていたプロデューサーが漣を迎えると、漣はそのまま片手でプロデューサーの頭を抱き寄せた。
「どうだ、見たか!この最強大天才様のステージを!!」
「はい、最高でした!」
その返事に満足した様で“あたりまえだ!くはは!”とプロデューサーの頭をわしゃわしゃと撫で、まだ興奮した様子のまま楽屋へと歩いて行く。
見送るその背中に、輝くオーラを見た。