No tease!


飛行機の、2人分しか席が並ばないところ。類に窓側に押し込められ、自分は通路側に座る。新幹線などはS.E.Mで並んで座ることが多いが、今回は類から“プロデューサーに相談したいことがあるから”と私と2人席に座ることを事前にお願いされていた。

「あの、舞田さん…」
「No problem!大丈夫大丈夫!」
“何が大丈夫なの…?”と不安になるが、類の言うまま席に付いた。

もともと飛行機は苦手で、高い所もあまり得意ではなかったのだが、315プロのプロデューサーとなってから、アイドル達と全国、最近では海外へ遠征するため飛行機に乗るようになり、以前よりは慣れた…と思うのだが。

離陸の時のあの感覚はまだちょっと苦手で、一瞬……ちょっとの間だけ目を瞑っていたら隣から楽しそうな声が聞こえる。
「…何ですか?」
「ううん、何でもないよ!」

なんて言いながらもクスクスと笑っている気配がする。

飛行機が安定した状態になり、シートベルトライトが消えてから、私は類に本題を振った。

「それで、相談したいことって何ですか?」
「Whats??あー、そうだったね。えーっとね。」
何とも歯切れの悪い返事しか返ってこなかった。

“相談なんてなかった”と分かり切っていたが、彼が話す最近あった色々な話に相槌を返していた。そんな時に飛行機がガタンっと大きく揺れ、思わず“きゃっ”と声が出てしまった。“しまった!”と思ったが遅く、隣にいる類が、ぱあっと嬉しそうな表情になっていた。

「OK?大丈夫だよ!怖いなら僕が手を繋いでいてあげるよ!」

そう言って手を取られるが
「大丈夫ですから!怖くないですから!」
「遠慮しないで〜!プロデューサー!」

手を繋がれたり離したり…そんなやり取りをしていたら、あっと言う間に福岡空港への着陸準備のアナウンスが機内に響いた。