キスをして、ハグをして。


「…お、はようございます。」

とある、オフの日の朝。
それ程遅い時間ではなかったが、隣にいた人物はすでにおらず、キッチンから聞こえる美味しそうな音で目を覚まし、まだ眠気眼のまま朝の挨拶を伝えた。

「お、起きたか…!?」
彼女より早く起きて朝食の準備をしていた信玄が、“おはよう”を返そうと思って振り返ったが、目玉焼きを焼いていたフライパンを持ったまま固まってしまった。

「どうしたんですか?」

「いや、その…その格好は…」

「あ、信玄さんのシャツ、お借りしちゃいました。」
えへへっと照れた顔で膝上のシャツの裾をツンツンと引っ張る。

「あぁ…」

フライパンを置いて、コンロの火を消して、照れて頭を掻いていた信玄が顔を上げる。


「昨日の今日で、それはまずいな…」

その瞳にチラリと燃えるものが見えた。


「!?」
昨晩、彼につけられた痕が痛んだ気がして、思わず首元を指でなぞる。



さて、朝食の準備は一時中断。