いつもお世話になっております。殿山成です。
Pixivで連載しておりました「King of Solitude」シリーズ、ちょうど今作の本編にあたる物語が足掛け約二年、二〇二五年七月三日に無事に完結いたしました。
まずは、中々長い当連載を読んで頂けた皆様、そしてマシュマロやコメント欄でメッセージやスタンプなどで応援を送ってくださった皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。
学生時代、夢小説をコピーアンドペーストのHTMLで書き始めたのを始まりとして二十年以上、実は連載というものを初めて完結させることができました。私の人生においての「プチ・偉業」になることでしょう。
本作を書き始めた当初の予定としては半年くらいかけて上・中・下巻くらいで一気に書ききるつもりでした。書いているうちに追加の設定が増え、設定が増えれば書かなくてはならない説明が増え、気付けば十八話の五十万文字を超える物語となっておりました。不思議ですね。
連載開始前のほんの少し前まで「長い話を書くのが苦手で〜」なんて言いながら短編ばかり積み上げていたのが嘘のようです。設定を立てて順序良く理論立てて物語を書くのも本当に苦手です。心意気だけで作品を作りたいです。
それにも関わらず書き始めることのできた自分と、幾度も手を止め、サボりながらも、なんやかんやで飽きることもなく最後まで書き上げることのできた自分と、そしてまた書きたいと思うことのできている自分を、まずは誉めたててやろうかと思います。
今一番恐ろしいのは、書籍版にする際加筆修正を行うと必ず追加・補足情報で文章ボリュームが増えるので、情報量の多い後半戦では最終的に書籍にしたらどれくらい増えるのか見当もつかないということです。Pixiv版執筆時は討伐戦をあっさり書くよう努めたのですが、読み返してどう変更したくなるか自分の心と戦うことになるのだと思います。
でも最終的に本編がどれくらいの文字数・情報が増えたのかをチェックするのは、自分でもちょっと楽しみです。これはこの世で作者にのみ許される楽しみかもしれません。
 
さて、そんなわけで本作「Happy ever after」は「King of Solitude」シリーズの外伝として執筆いたしました。
既に本編を読んでいる方が殆どであろうと判断し、その皆様にはご理解いただいているかと思いますが、当連載は設定作るの大好きマンが好き勝手に盛りに盛って書き始め、更に途中から追加しまくったためにかなり制約がある連載でした。よく考えたら中盤までアルティメット美少女のヒロインの顔面を一切出さなかったので美少女オタクにあるまじき制約でしたね。まあヘルメットやバイザーもたいへんもえますが。
どうでもいいですが萌えっていう表現いつの間にか消えましたね。ときめきが春を呼び勢いよく発芽した感じがなかなか良い表現だと思うんですが。
 
私は恋愛メインにしてすれ違ったりどうこうする物語で「しゃらくせえ!」と卓袱台返しをするような、どうにも夢小説に向いてない体質のため、恋愛関連とは別でシナリオをつけたのは我ながら良い選択ではあったのですが、しかし恋愛ものにありがちの素敵なお洋服だとかセクシーな水着だとかそういうイベントができない設定にしてしまったので、途中で歯軋りをする羽目になりました。
まさかサンダルすら履けない設定にするとは自分でも予想外でした。何か気付いたら指が減ってました。最後には手足が減ってました。そんなつもりはなかったんですが……おかしいな…………。
イチャイチャや肉体接触を書くのを最も苦手だと思っていたので、様々な苦手と戦った作品にもなりました。想定外の不可抗力でかなり苦しむことになりましたが、書く前より書いた今の方が書きたいものを書けるようになった実感があるので良かったのかなと思いこむことにしました。
 
そんな設定や苦悩を乗り越え、ようやく人生初のえっちのお話「サニー・サイドアップ」を書けました。快挙です。万歳。コングラチュレーション。もう二度と書きたくないです。書かないとは名言しませんが。
書きながら、「そういえばこの二人一線超えてなかったんだな」と改めて感じました。そういえば一線超えてなかったんですよね。頭の中ではとっくに毎晩ベッドインでギシギシしてるんですけど。不思議ですね。
二人が交わったのはこの通りすべてが終わった後なんですけど、多分二人以外の学園の人たちはラギーと同じくとっくの昔に超えているものだと思ってると思います。レオナもそう認識させるように動いてます。
男子校だから出会いがなかったり恋人と会えなかったりして若さを持て余して歯ぎしりして見つめられている中で、一番欲を持て余しているレオナ・キングスカラー氏(童貞)、ちょっと面白いですね。
というかそもそも原作のレオナ氏が童貞処女(仮定)なこと事態、まあまあ「ほんまかいな」になりますよね。あの美貌で二十年よくご無事でいられたと思います。
たまに彼の美人が過ぎて、彼が世に生まれるにあたり、身辺警護が必ずある王族という超倍率の家に生まれたのは良かったなとたまに思います。平民だったらきっとえらいことになっていたでしょう。
あとどうでもいいですが、一途な色男が童貞という設定……最高ですよね……。
漂う色気が凄いくせに当人の色欲が薄そうで、全然夜の遊びに興味なさそうなのも凄く好きなところです。原作のレオナ氏とても潔癖そう。夜のお姉さんと会う機会があったら、遊ばずに普通に身体とかの心配していそうな男だと思っています。お父さんかな……。
 
濡れ場もこれまでの人生で書いたことがなかったので、かなり右往左往しました。
肉の感じを書くのは楽しかったですが、同じような言葉ばかりが続いてしまいそうになるので難かったです。シナリオが付けにくくセリフに困るので、今後は押し倒す、花ポトリ…とか、麦茶の氷が鳴る的な表現で誤魔化して終わらせたいなと思います。
エロさが出たかは微妙ですが、長期間かけて処女開発後に初夜迎えるのが好きなので、生きている内に書くことができて良かったと思います。
合意と長期間の処女開発とねちっこい前戯とオーラルセックスとらぶらぶえっちが好きなので、まあまた好き勝手全部詰め込んだな〜というのが今の感想です。
年齢指定本って好きなこと言えていいですね。これが人生最後の機会かもしれないので、言いたいこと言っておこうと思います。
 
さて、最終回を終えたので、ついでに連載開始当初の設定からの変化の話でもしたいなと思いました。既出の話もあるかも知れませんが、サビだと思って聞き流してください。
まず、最初の設定ではドラゴンは出ませんでした。
すべて対人間で、ナイトレイブンカレッジにスパイまたは生徒を操って内部情報を得るような展開や、研究施設に乗り込むなどの話がありました。一話で登場し最終話でようやく名前がついた、どうしてもレーヴェが二章で一線を置く状況にしたかったために加害者になってしまった不幸なモブのサバナクロー寮生、ゼブくんがその名残です。
ツイステの原作の世界観がかなり人間に優しめに作られているので、作中で暴力表現だけでなく人の命に関わるとなると、物語の終結後にすべての関係がかなり変化しそうだなと思ってかなり修正を加えました。健全な学生の中にに殺人鬼を入れるのはちょっとなと。
呪術廻戦から東リベと殺伐を渡り歩いてきてしまったためか、そもそもの資質か、頭の中でライトに人が死ぬ人間としては線引きにかなり悩んだ記憶があります。
そんな経緯で、レーヴェをドラゴンスレイヤーにすることを決めました。その流れで「じゃあ英雄譚っぽくしてまとめよう」と全体のイメージが決まった感じです。
突然女神とか出して困惑した人もいるかなと思いましたが、私も困惑しました。でもまあ英雄譚には必要だと思ったので……。
製作中ツイステッド・ワンダーランドにそもそも神はいるかという謎にぶち当たりましたが(ハデスも神と言う表現してませんし)、ならいっそ作っちまえばいいかと思って生やしました。所謂神話的な神様というより、土地神的な感じです。
まさか孫のロマンスを大喜びで鑑賞するおばあちゃま女神になるとは思いませんでした。
 
レーヴェの手足を奪うという件は、比較的初期に決まりました。
レーヴェはどんな理由であれ多くの人の命を奪っていて、更には自分の死を否定し、理から逸脱しました。なので、彼女が全てを取り返すことはできません。
彼女が一番望んでいた「レオナと手を取り合って並んで歩く」という理想的な夫婦の姿を、その対価として失った形です。主従関係も解消されることはないので、二人が真に対等にもなることもできません。それでも二人は足りないものを埋め合わせて生きていくのだと思います。
 
レーヴェについてですが、原案ではもっと分かりやすく男性みのある子で、完全に少年として学園に紛れ込む設定でした。
しかしそれだとあまりにも可愛げがなかったため、ほんのり口調に出るだけのお嬢さんに変化する最中で「そもそも性別バレしたところで作中なんの問題もないな」と思いどっちつかずの感じになりました。ちなみに学園潜入と男装の発案者は王妃様というどうでもいい設定があります。理由はそういう趣味です。
二次性徴がはじまっていないので体形などで区別がつきにくく、学園内でも「これどっちだ?」と思ってる生徒がそこそこいるイメージ最終的に収まりました。なので顔がバレて女性だと判明した後もさほど騒がれませんでした。
 
レーヴェというキャラクターを作る中で比較的当初から決めていたことの一つに「全員と仲良くはならない」でした。その方がツイステッドワンダーランドに馴染みそうだと思ったことや、個人的に逆ハーレムのような状況が苦手だったこと、そういった様々な理由から自然とそうなりました。
好きなものを考えるより苦手なものを決める方がキャラクター性が定まりやすいかもしれない、という知見を得ました。尚レーヴェは食べられないものはあまりないですが、過剰に脂っこいものやニラや青い匂いが強い食べ物が不得意です。そもそも鼻のいい獣人はきつい匂いのもの苦手そうだなと思ってます。
その苦手を更に詳細に「とにかく意見や方向性、テンション等が全て合わない人物がいる」「卒業後少しずつ疎遠になりそうな人物がいる」「嫌いじゃないけど仲良くはならない人物がいる」という感じで決めたので、我ながらまあまあ徹底したなと思います。
でもそのためか、自分の過去一番人間みのあるキャラクターに仕上がったかなと思います。尚この方式はエドガーとマークにも存在します。
それが誰かは想像にお任せしますが、そもそもレーヴェは人付き合いがあまり好きではない子なので、他者を避けがちで自ら多く関わることもありません。
ついでに最終的にレオナ以外は「まあいっか」ができてしまうので、卒業後は仕事や地元民関係以外だと最低十人程度としか付き合わないのではないかなと思います。恐らくライトに絡んでくる人間関係が好きです。
作中であんまりいい扱いをしていないキャラが結構いるのも結構わざとなんですが、やりながらファンに申し訳ない気持ちになりました。本当にマレウスのファンには申し訳なく……でも足元掬われて苦虫を嚙み潰したようなやられ顔のマレウス・ドラコニア、普段の余裕ぶってる顔より百倍は好きですね。
なお友人としての相性はラギーやケイト、アズール辺りの、ある程度壁を作り、一線を保つことが前提になる相手が一番合うと想定してキャラクターを作った記憶があります。彼らの出演が多いのもそのせいです。尚、エペルとも相性がいいのでマジフト部に定期的に居座っています。
彼らのいい具合に踏み込まなくて少々ドライな感じが、とてもいいキャラクター性だなと私が思っているせいもありますね。
 
リドルと仲良くなったのは、実は想定外でした。
同じ学年の目につく生徒という視点から書くことが都合がいいと思ったところから始まり、原作本編のハーツラビュルからサバナクローという流れ的にちょうどいい人物ということで彼が選ばれたのですが、うまいこと嵌ってくれたかなと思っています。リドルとレーヴェは住む場所が離れ生き方や立場が変わりますが、どれだけ関係が細くなっても、長い付き合いの友人になるのではないかと思います。
 
また、その他追加された設定としては、エドガー以外のオリジナルキャラクターについてはかなり後発で生えてきました。
そもそも当初マジフト大会の試合について詳しく書く予定がなかったからです。マレウス氏からすれば完全にとばっちりでしょうが、実はレーヴェはこの時対ドラゴン戦の練習をしています。
マジフト大会編はシナリオに関係ないほどではないけれど大きな影響を与える場面ではなく、更には長いので蛇足になりすぎないかと思っていましたが、感想をいただくとマーク・マーウィンの名前が出ることがあったり、彼がいるとエドガーより物語を進めやすかったので、出して良かったなと思います。常に何となく場を雑にまとめてくれるお兄ちゃん。尚、私のお気に入りはマークとミルコです。
これは完全な蛇足ですが、同人誌即売会に一緒に出るタイプの恋人がいるエドガー以外の脇役たちには恋人がいません。そしてマークは女性に一切興味がありません。
マーク・マーウィンは少なくとも三十歳近くまでは独り身の予定です。可哀そうなことに作者がここで決めたので覆らない事実になってしまいました。可哀そうに。
因みに一番好きなオリジナルキャラクターの名前は「スタニスロー・ビェガンスキ」です。覚えている人がいるかは不明ですが、どこかで先生の名前として使ったはずです。名前だけ出てくる教師として出すためにネットで外国人の名前を付けてくれるシステムを使って作ってもらいました。特に音が良い感じだと思います。
「エドガー・フリント」もなんか気が抜ける音でいいなと思っています。
なお、オリジナルキャラクターについては全員区別できることや覚えやすいことが前提で作っていたので、名前もあんまり意味を持たせて付けていません。何ならレーヴェも「まあこんなでいいか」と思って付けました。
作者の意図を感じ取ったのか、名は体を表すのか、全体的に全員雑な性格の子しか生まれませんでした。
 
因みにハーマン一家の年齢ですが、レオナ氏が二十歳の時点で、レーヴェが十七歳、父アドラーが四十七歳、長兄ヴェルナーが二十九歳が、次兄ヘラルドが二十七歳です。異母兄なので結構年齢が離れています。何か様々な想像とかの参考になれば。
尚、顔は全員美形ということになっています。なぜなら女神の系譜なので。
レーヴェと一番顔が似ているのは一歳下の弟ジョルドで、ジョルドの方が可愛い系でした。ようやくジョルドを出せたことが、今回本を出してよかったことです。
 
しかし、補足事項が多すぎることもあって外伝を決定したのですが、正直うまく伝わっているかとても心配です。何か疑問点などがあればいつでも質問など受け付けています。
 
繰り返すようですが、この外伝本は本編で出せなかった補足や、「めでたしめでたし」の後の舞台裏のお話が必要だと思い作ったものです。
ゆえにKing of Solitudeシリーズは一旦これですべて完結となります。開始より現在まで約三年、長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
Pixiv版・書籍版・外伝ともにいつでも感想・質問を募集しておりますので、マシュマロやその他機能等よりぜひともお願いします。
書籍版も随時発行予定ですので、お手に取っていただけたら幸いです。
 
 
なお、自分が次どんな作品を書くかは、現在何も決まっておりません。
最近はよくロマンスファンタジー系の漫画を読むこともあり、一次創作に取り組んでみるのもアリかな、でもまた本作のように外伝を書くのもいいかな、などとちょっぴり思っているところです。
実は本シリーズの参考になるかと思い手を付けたロマファンでしたが、そこに沼がありました……美少女や美人がステキなドレスとかをいっぱい着てくれて大変助かることに気づいてしまいました……。
もし選んだ先が一次創作の場合は恐らく名前を変えひっそりどこかを漂っているかと思いますので、見かけたらよろしくお願いいたします。
 
またふと思い出したり、レーヴェやレオナに会いたくなったら、また筆を執るのだと思います。その先でまたお会いすることができたならうれしいです。
 
殿山成



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