riding

今日はお前が上に乗れ、と言われた時にノーと言うべきだった。
普段好き勝手やられているから、今日こそゾロに一泡吹かせられるんじゃないかと前のめりで「やる!」と手を挙げなければよかった。

「〜〜〜〜っ♡なぁ、やだ、やっぱやめる! いやだ、ぞろ、もう、もうむり♡おりる、おりる……っ!」
「ア? なに言ってんだ。おれァまだイッてねェぞ。いいから動け」
「む、りだって、言ってんだろうが……ッ! 聞けよ、クソマリモ……!」
 だってもうずっとゾロのペニスがいいところに当たっている。
 ヒグ、と声を詰まらせながらそう訴えたところで、呑気にベッドに寝そべっているだけのゾロは楽しそうに口角を持ち上げるだけだ。
「当たってんじゃねェだろ。お前が、自分の好きなとこに当ててんだ」
「っ! そ、ういうこと、言うな……っ」
 言われたら余計に意識してしまって、浮かせた腰を前後に揺すりながらやっぱり気持ちいいところに当ててしまう。
ゾロに強制的に気持ちよくされるのとは違う。自ら快楽に溺れようとする動きが恥ずかしくて、――けれど止められない。もういやだ、と零す口は開きっぱなしになっていて、唾液が溢れて顎髭を濡らす。
「ア゛ッ♡あぁっ♡♡また、イ、イく、イ゙、ぁ、あ……ッ♡」
 ぎゅう、とゾロのペニスを咀嚼するように腸壁が蠢いて、一拍遅れて腹筋と内腿が大袈裟なほどに痙攣する。こうやってゾロのペニスを使って達してしまったのが、何回目かももうわからない。
 だって。
「————ッ、ひ、ア゛ァッ♡♡や、あっあっ♡だめ、だ、これ、深い、深い、ぃッ♡」
 一度目の絶頂を迎えてからと言うもの、自らの重みが支えられずに何度だってゾロのものを奥まで咥え込んでしまって、あっという間に次の絶頂が訪れるのだ。
 なけなしの抵抗で腰を浮かせても気持ちいいところを抉ってしまい、ペニスが抜け切る前にへたり込んでまた奥まで貫かれる。そうなればまた背を逸らして絶頂を受け入れるしかなくなるのだ。こんなはずじゃなかったのに。
(クソマリモの、くせに、チンコでかいの、やっぱ腹立つ……!)
 言えば「そのチンコ使って気持ちよくなってんのお前だろ」と返されるのが目に見えてるので絶対に言いはしないが。反論できる気もしないので、絶対に言わないが。
「一番奥に擦りつけなくていいのか? 好きだろ?」
「うるせェよ……!」
「あぁ。そうか、そこは痛ェくらいにヤられんのが好きだったな」
「ッ♡ち、が……っ」
「お、締まったな。妄想したか」
「ひっ、ひとの体で遊んでんじゃねェ!」
「てめェがちんたらしてっから暇なんだよ。おれをイかせるだの、泣かせるだの、吠え面かかせるだの言ってたくせになァ」
「〜〜〜〜っ、コイツ……!」
 顔面踏みつけてやろうか、とサンジが目をつり上げてもゾロはどこ吹く風である。それどころか周りを見渡して、落ちていたローションボトルを拾っては手に垂らしている。
「仕方ねぇな」
 なにするつもりだ、と眺めていれば、ローションに塗れたゾロの手のひらにペニスを掴まれた。無骨な手に大きく扱かれると、やんわりと勃起したままだったそれがあっという間に硬く張り詰めていく。
「ん、あっ♡なに、すんだよ……ッ」
「だから暇だって言ったろ」
「ひ、あっ♡あっ♡だからって、急に、チンコ触んなよ、ぉ……っ♡」
「妥協案だ。てめェがチンコでイけたら騎乗位終わりにしてやるよ」
「ほ、ほんとう、だろうな……っ」
「本当だ。その代わりちゃんと腰も動かせよ」
「わかった」
 ゾロにちゃんとペニスを愛でてもらえるように、前についていた手を後ろへとやる。逞しいゾロの太腿を掴んで、それから言いつけ通りに腰を動かすのだ。
 眦を眇めて満足気に笑うゾロの顔に弱い心臓が、きゅうっと締め付けられる。
「ちゃんと好きなとこに当てろ」
「んっ♡んっ♡当たってる、きもちい、い……♡」
 過敏になって膨れているようにも思える前立腺にゾロのペニスを押し当てて。遠慮なくペニスを扱かれて。眉も眦もとろりと蕩けて自分ではどうしようもない。
 更に無防備に曝け出している下腹部を撫でられて、押されると身も世もなく声を上げて悶えるしかない。
「やっ♡あ゛ぁああっ♡ゾロ、それ、それヤバい、ヤバい……ッ♡あっ♡あ゛っ♡やだ、すぐイく、イッちまうからっ♡」
「どれがヤバいんだ」
「ぜんぶっ♡ぜんぶきもちいい♡も、あたま、とけそ……ッ♡ヒッ、ぃあ、あ゛ぁあ゛っ♡」
 いやだいやだ、と首を横にふれば涙が散って。それなのにいっそう早くペニスを扱かれて、どぷどぷと溢れるカウパーがゾロの下腹部を汚していく。
 ぐうと睾丸が迫り上がって、鈴口がぱくりと開く。精液を出したいと、浅ましく強請るペニスは赤く熟れていく。
「イ゙く、っ、イく、きもち、ゾロ、ぞろぉ……っ♡♡」
 カリ首を指の輪で強く扱かれるのが気持ちよくて、もっともっとと腰を前後に動かした。尻たぶも太腿も好き勝手に痙攣して、出る、出ちまう、と勝手に口が叫ぶ。
(出したら、そのあとは……)
 きっと、暇だと言っていたゾロに押し倒されて遠慮なくナカを犯されるのだ。自分でやるよりも恐ろしいほど強く、泣いて叫んでも許してくれないくらいに。逃げられないように体を押さえつけられて、そこにしか興味がないとでもいうような顔で奥の奥まで貫かれて、精液でマーキングされて、——そのくせ、耳元で短く愛を囁いてくる狡い獣。
「ア、……っ♡」
 シてほしい、と願いながら込み上げる絶頂に身を委ねて、オーバーなくらいに体が跳ねた。目の前が白んで、嬌声を吐き出すのが間に合わない。強烈で、強く、深い絶頂。
「ひ、ぁ゛」
 ガクガク、と全身が震えた。
 キィン、と耳鳴りが止まらない。
「はぁ゛、あ、う゛ぁ……♡」
 下にいるゾロも唸るような声を出して、それから揶揄うように短く笑う。
「エロコック」
 今日一番の深い絶頂の中でいても、男の声はよく耳に響く。呼ばれるままに男を見下ろせば、ゾロが短く鼻を鳴らす。
 そして。
「そんなにケツでイくほうが好きか」
 言われて、朦朧と目を遣った先。自分のペニスがまだ硬く張り詰めたままだと気付いて、全身の血が沸騰した気分。
「——っ、ち、ちが……!」
 なんで、と自分に聞きたい。
「違わねェだろ。チンコ扱かれてんのにケツだけでイッて、……お前イくときなに考えてた。言ってみろよ」
「っ、」
「へぇ? 言えねェようなことか」
 目が回りそうになるほどに恥ずかしい。
 ドッと跳ねた心臓がそのまま過剰労働で止まってしまいそうだ。全身が熱くて、ちがう、以外の言葉が思いつかない。
(おれ、おれ……っ!)
 ゾロに犯される妄想をして、射精より先にお尻だけでイッて。
「ぞ、そろ、ちが、おれ……っ」
 じわじわと勝手に涙が滲む。縋り付いて情けない顔を隠したいのに、意地悪な男は許してくれない。
「なに勝手にやめようとしてんだ。まだチンコでイッてねェだろ」
「っ、でも、おれ、むり」
「ダメだ」
 それに、と続く言葉にゴクリと唾を飲む。
「ちゃんとこっちでイけたらてめェがヤりてェこと全部ヤッてやる」
「……ぜ、んぶ……?」
「あぁ。全部だ」
 ううう、と唸ってしまう時点で負けなのだ。
「……も、いっかい、やる……」
「ちゃんと腰動かせよ。手ェ抜いたらノーカンだからな」
 追加のローションを垂らされて、手のひらで亀頭を擦られると堪らず体が跳ねた。
 今度こそ、今度こそ、と。意識せずとも再びゾロに犯される妄想をしながら、従順に腰を揺すって嬌声を上げた。


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