相爆)
「先生って恋人いんの?」
「いないねぇ」
「納得。枯れてそう」
「納得するんじゃないよ。あと人を勝手に枯らすんじゃない。そういうお前はどうなんだ」
「そんなこと聞くんだな」
「俺だけ答えるのはフェアじゃないだろう」
「いねぇ」
「納得」
「アンタそれ言い返したかっただけだろ!」
とかって言う会話の五年後くらいに目出度くお付き合いして「せんせぇ、恋人いんの?」ってニヤニヤしながら悪戯に聞く爆豪くんと「いるよ。ところで俺は枯れてたか?」って意地悪に笑う相澤先生ください
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相爆|大人)
A組同窓会にお呼ばれした相澤先生。着てきたコートを脱いで適当に丸めながら座ろうとすれば先に来ていた爆豪くんに「あ、消太さんそれすぐに皺になるからハンガー………に………」と言われて開始一分で交際&同棲がバレてしまう感じ好きです
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相爆|大人)
二十歳を過ぎて同棲を始めて、時折一緒にお酒を嗜む二人。いつもより酔っ払ってる爆豪くんが唐突に油性マジック持ってきて、先生の腕に「かつき」って書く。「俺ん家自分の物には名前書く習慣があったんだよなぁ」って嬉しそうに字を撫でるのが可愛すぎて次の日そのまま出勤する相澤先生。
先生は腕捲りしないのでまずバレない。なのに思い出しては爆豪くんが可愛すぎて口元緩んじゃって、つい腕をさすってしまったので、プレゼントマイクにバレて超絶揶揄われるし超絶捕縛して黙らせる。
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相←爆)
卒業式に「予備でも壊れたやつでもなんでもいいから」と言って相澤先生のゴーグルを貰った爆豪くん。次の日から「どうかあの人の大事な目が今日も無事でありますように」とゴーグルにキスをして願掛けをしてるのとか好きです
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相爆+茶)
プロヒ後。先生と現場が一緒になったお茶子ちゃん。無事に敵は殲滅して後片付けの時にキョロキョロしてたら先生に声を掛けられたので「爆心地宛の手紙を預かってて渡したいから探してるんですけどなかなか現場が同じにならなくって」「手紙?」「はい。爆心地が助けた女の子からのファンレターなんですけど…渡すって約束しちゃって」「成る程な。だが今日はこの現場には来てないぞ」「ですよね。また事務所にでも行ってみます!」じゃあ!と手を振って去ろうとするお茶子ちゃんの腕を取って、ちょっと考え込む先生。その後で「まぁ麗日なら大丈夫か」ってボソッと呟いたと思ったら「お前今日は時間あるか?ちょっとうちに来ないか」と言われたので驚きつつも着替えて先生のお家に着いて行くお茶子ちゃん。別に先生を今更異性として見てはないけど、やっぱり一人暮らしの男の人の家は緊張するなぁとか、何で呼ばれたんやろうとか、ていうか先生久しぶりに会ったらちょっと小綺麗になった?気のせい??とか悶々と考えてたら辿り着いた何だか高そうなセキュリティ万全っぽいマンション。えーなんか先生に似合わん…とか考えつつ「こっちだ」と言われてエレベーターに乗って、部屋まで案内される。ああとうとう家まで着いてきてしまったなんか緊張するうう、とかグルグルなってたら「ただいま」と言う先生。ただいま?誰かおるの?えっ先生実は結婚しとんの!?って驚いてると「おー、おかえり」ってラフな格好で表れた爆豪くん。「っっっは、っっ!!!!!?????!?ばくっっっ!!!!!????」ってなるお茶子ちゃんと「っっ!!?まっ、まる、まっ……!!!!????」ってなる爆豪くんと「お前に用事があると言ってたから連れてきた」とシレッと言う先生。このあと一緒にお昼ご飯食べたし恋バナめっちゃ聞いた。恋とは無縁そうに見えていた先生は思いがけぬ甘えん坊でくっつき虫だった。
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相爆+光己さん)
ショッピングモールでお買い物途中に雑魚系敵達に捕まった光己さん。一気に騒がしくなるモール内。響く悲鳴。逃げられない体格差。それでもあははって怖がらずに笑う。怒鳴り散らす敵に「人質選びが下手ね」と言う。その瞬間にどこからともなく飛んでくる捕縛布。緩んだ拘束。昔から聞き慣れた爆破音と怒声。逞しく頼り甲斐のある腕に育ったプロヒーローに抱き締められて脱出。発狂して個性を使おうとした敵は音もなく個性抹消されて、瞬きする間もなくしなやかな足蹴りを食らって気絶。残りの敵も爆撃と捕縛布になす術なく捕獲。その後光己さんは警察と話してる二人を横目に「頼もしい息子が二人に増えたんだもの。人質になったって何も怖くないわ」そう言って引き渡しが終わった二人に駆け寄り「お買い物の続きしましょう!」と二人の手を取って歩き出す。この歳になって母親と手なんか繋げるかと喚く爆豪くんと、苦笑いの先生。それでも家に着くまで手は離さないとか好き
馬鹿だから要約できないのに要約すると言葉が足りなくて申し訳なく思います。未来設定ですね。爆豪くん、プロヒーロー後のお話。ちゃっかり家族な相澤先生。
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相爆)
立った状態で先生にキスする時、両頬に手を添えてちょっぴり背伸びしてちゅってする爆豪くん。どちらかと言えば女がするような仕草だなと揶揄いたいけれど、自分相手にしかキスをしたことがないと言う証拠だと気付いて今日も黙って可愛さに悶えてる先生。男のキスの仕方なんて知らなくていい。
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相爆)
「この前アホ面とえっちの話になって」
「うん」
「俺女抱いたことねぇし、アンタのこと言うわけにもいかないから、アンタがしてくれるえっち思い出しながら適当に話してたんだけど」
「うん」
「変態くさいしエグいって言われた」
「何を言ったか全部言いなさい」
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相爆)
頭の回転が早くて機転が効き、単純思考で怒鳴り散らしてるだけかと思えば状況判断に長けていて。そんな爆豪くんが「在学中に先生に告白したらその後どうなるか」を考えないわけもなく。在学中は疎か成人するまで恋心を噯気にも出さないのが好きです。二十歳になって突然会いに行って「せんせ、俺をフッて大人にしてくれよ」とか「16からずっと好きで、会えなくなっても好きだったんだ。アンタが初恋だから諦め方も終わらせ方も分かんねぇ。頼むから一言嫌いだって言ってくれ」とか言ってほしい。そして先生に「俺が好きだと返事をする未来は想像しなかったのか」と呆れられてほしい。
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相←爆+マイク)
先生に優しくされても気遣ってもらっても、素直じゃない口が勝手に「うるせぇ」とか「言われんでもやっとるわ」とか言っちゃってその度に落ち込む爆豪くん。それを何度か目撃してたマイクが「HEY!リスナー、その気持ちオレが代わりに伝えてやろうか?」って声を掛けて手紙を書けばラジオで紹介してあげると持ち掛ける。「先生ラジオなんて聞くんかよ」「イレイザーってば意外とオレのラジオのファンなんだぜ?ペンネーム使ってフェイク入れればそうバレることはないし、気持ちもちゃんと伝えられる絶好のチャンスだろ?」グイグイ押されて頷いて、じゃあ明日手紙を持ってくるように言われて睡眠時間削って文章を考えまくる爆豪くん。訓練の時にひっそりと痛めてしまった左手首に気付いてくれてありがとう、拉致後からこちら定期的に様子を伺ってくれてありがとう、ランニング途中で会った時みんなに内緒でくれたジュースが嬉しかった、などなど。マイクにも相談しつつフェイク部分を決めてラジオで紹介してもらう。初めて聞いたマイクのラジオは緊張してあまり覚えていない。でも次の日に職員室に行った時「イレイザー!昨日のラジオ聞いてくれたー!?」「たまたま時間があったから聞いてやった」なんて会話をしててマイクがウインクを飛ばしてくるものだから嬉しくなって、小さく会釈する。それから時々マイクのラジオを通して先生に感謝を伝えるようになった爆豪くん。いつの間にかマイクと凄く仲良くなっちゃって、秘密の合図も作っちゃって。放課後時々先生に教えを請いに行ってたのが回数が減って、その代わりマイクに色々と教えてもらうようになって。
それが面白くないと、モヤモヤした気持ちを抱いて静かに怒っている先生もいてほしい。二人で楽しそうに話してる爆豪くんの顔を見て、アイツはあんな顔もするのか知らなかったと落ち込む先生もいてほしい。そんな感じの擦れ違い勘違いハッピーエンドものが欲しいです。
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相爆)
お酒飲んで酔っ払った時とか、日頃の活躍ぶりをテレビで見て褒めてくれた時とか、単純に機嫌がいい時とかに「抱く?」って聞いてくる爆豪くんと食い気味に「抱く」って言う先生可愛いくないですか。めっちゃ好きです。
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相爆)
久しぶりに爆豪くんがボムボム爆破を繰り返しながら威嚇して目尻吊り上げて「アンタなんかもう知らねぇ!」とか「そう言うとこが腹立つんだよクソが!」とか怒鳴るほどの喧嘩をしたのに一回も「別れる」とは言わないからそういうところが可愛いんだぞとこっそりキュンときてる先生
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相爆+ミッドナイト)
「ミッドナイトさんが使ってる日焼け止め教えてくれませんか」なんて唐突に言ってきた相澤先生。曰く、知り合いのヒーローがマスクを着用しているので常日頃から日焼け止めを使用しているのだけれどここ最近何を使っても肌が荒れて痛いそうで。「あなたも肌が弱くて特注のものを使っていると言っていたので」「あんたが私の話をちゃんと聞いて覚えてるっていうのが衝撃的だわ」「……まぁ普段あまり頼ってこない相手から頼られたんで」「えっなになにイレイザーのいい人!?」「あ、そういう質問は今いいんで」とかなんとか話してミッドナイトにサンプルを貰って相談相手に渡したところ凄く気に入ったらしく購入したいという話に。商品を揃えて先生に渡すと、お礼にと今流行りのスイーツセットを貰って。あの人女子に人気のスイーツなんて知ってるんだとか感心する。結局誰に渡したのかは分からなかったけれど絶対に喋ってくれなさそうなのでまぁいいかって。数ヶ月後。取材でテレビ局に行くとデクやショートや爆心地たちがいて、あら懐かしいと思いつつ声をかけて近付いて、首を傾げる。自分用に特別に作って香りを調合したあの日焼け止めの匂いがする。「ちょっと失礼」って言って端から順番に匂いを嗅いで、爆心地の順番が来たところでニヤァと笑う。気まずそうに目を逸らす爆心地。「あんた、私に何か言うことあるんじゃない?」「……」「ほらほら」「………」「ねぇったら」「………ア、アリガトウ…ゴザ……ッシタ……」耳どころか顔も首も真っ赤にして悔しそうに唸ってるのを聞いて大満足するミッドナイト。次の日抜かりなく先生を事情聴取する。自分でなんでも出来てしまう爆豪くんに頼られると何が何でも助けてあげたくて必死になる先生とか、乱暴で凶悪なイメージが強いのにちゃんとその人が好きそうなものを選んでお礼とする爆豪くんとか、そういうのが好きです。あと後日三人でデートすると思われます。爆心地用の香りを調合してそうです
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相爆+マイク)
「今日部屋で飲まないか」と相澤先生に誘われて珍しいなぁなんて驚くマイク。ついマジトーンで「いいけど、なにどうした、相談?」と聞く。「相談」「急ぎなら今聞くぜ?」「いや、急ぎではないが……」「おいおいなんだよ煮え切らねぇな」「あー、あれだ、恋愛相談ってやつだ」予想外の返答に「What's!?」て全力で叫んで怒られて。その後仕事終わりに教師寮の相澤先生の部屋で二人で宅飲み。人生の半分くらいは一緒にいるけど恋愛相談なんて初めてでマイクの方がそわそわして。先生が「その、好きな奴がいてだな」と切り出した時点でもう叫びそうだったので早々に口元捕縛してもらう。「そいつとは既に付き合ってるし、将来のことも考えてる。来年、担任を持つことがなければ部屋を借りて行き来しようかと思ってる」なんて言われたので捕縛してもらってて良かった寮壊すところだったとか思いつつ頷いて。先生はあまり人間関係を広げようとか誰かと関わろうとか積極的に思わないタイプだから漠然と将来大丈夫かなと心配していたマイクは安心して泣いちゃうし、先生もつられそうになって慌てて自分の顔を隠す感じ。明日も仕事なのに夜中まで「しょーた幸せになれよぉ」「自分の心配しろよ」「シビィー!」とかお鼻グズグズ言いながら飲んでてほしいマイクはお相手が三年前に卒業した爆豪くんだと言うことは知らなかったので、次の年に同棲を始めた先生の家に突撃訪問して爆破されるとは思ってもない。爆豪くんの手料理が美味しいことも先生がお風呂掃除担当だってこともまだ知らない。でも先生がひっそりと揃いの指輪を買ったことだけは知っている。
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相爆+爆家)遠くて近い未来のお話
テンプレートのような怒鳴り合いに、まぁまぁ二人ともなんて優しい声。喧嘩しながらもキッチンからは料理が進んでいくリズミカルな音。つけられたテレビはあまり用をなしてなくて、ソファに座って家族の声を聞く。だんだんと瞼が重くなってみんなの声が遠くなる眠ってしまうのは勿体無いなぁ今日は光己さん特製の唐揚げの日なのに、と思いながらも抗えなくて。そのうち「消太さん」って呼ばれるんだけど瞼が持ち上がらなくて。「あら寝ちゃったの?」「みてぇ」「消太さんも仕事が忙しいのよ。もう少し寝かせててあげなさい」「るせぇ。わぁっとる」会話が近くなって顔を覗き込まれる。嗅ぎ慣れた甘い匂いがする。それから「……っは」って堪えきれなかったみたいな笑い声が聞こえて「アンタそんな顔で寝られるくらい落ち着くんか」ここが。この家が。この家族が。そう言葉が続くような気がして、そうだよと夢見心地で答える。教員寮の自室で一人になった時に静か過ぎて困ってしまう程度に、この家庭の音が馴染んでしまった。今まで言ったことは無かったけれど、そうかそんなに嬉しそうな声を出してくれるのなら今度ゆっくり話そう。「またあとで起こしにくるから」とブランケットをかけられて意識が完全に沈んでいく。意識を完全に手放す直前まで、やっぱり怒鳴り声と頭を叩く小気味の良い音と弱い仲裁の声と唐揚げの匂いが包み込んできてなんとも言えない安心感がある。あぁそうかこれが幸せか、なんて浸りながら穏やかに眠る先生。
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相爆)
「ばくごう、すまない、痛いよな、ごめんね」って言いながら後ろから遠慮なくガツガツ腰振って首やら肩やら噛んで処女いただいてる先生と、初めてなのに痛いよりも気持ちいいが勝ってて訳わかんなくて涙が出て声を上げる暇もなく実はずっと射精して痙攣してて気絶寸前の爆豪くんとか好きです
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相爆未満)
プロヒ後。大きな現場に向かうことになった爆心地。不眠不休で三徹していい加減休めと怒られてもアドレナリン出ちゃってるから平気だとか言って突っぱねて。そんなところにやってきたイレイザー。爆心地の顔を見た瞬間に不機嫌になってズカズカ近寄って唐突にキスをする。抵抗してきても上から力で押さえつけて舌も入れて酸素を奪って、喚いても無視して続けていれば少しずつ弱まっていく力。頃合いを見て唇を離して手刀で気絶させる。瞼が閉じられる一瞬手前まで睨んできていた爆心地を抱えながら「寝てろクソガキ」って低い声で言ってその後「で、次の作戦は?」なんて普通に話し始めるからもはや何処からどう突っ込んでいいかわからないギャラリー。事件解決後あの二人は付き合ってすらいないと聞いて更に頭を抱えることになるギャラリー。ちなみにイレイザーも四撤目で意識朦朧としてた説もある。
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相爆)
成人後、爆豪くんと同棲するようになってから季節をきちんと感じることが出来るようになった先生。帰って来ると玄関先に桜の造花が飾ってあったり、風鈴が吊り下がっていたり、焼き芋の甘い匂いがしたり、可愛らしいお化けが飾ってあったり、モコモコのスリッパがお出迎えしてくれたり。新しい季節を一緒に迎えることが出来た幸せを噛み締めつつ「ただいま」って言う。爆豪くんの柔らかい「おかえり」を聞きながら、きっとこの子を手放したらこんな風に季節を感じて浸ることもなく淡々と生きていくんだろうなと想像して、それは淋しい人生だと笑って、爆豪くんの偉大さを思い知るの好き
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相←爆+派閥)
24時間以内に眠ると好きな人が出て来る夢を見るという個性にかかった爆豪くん。次の日学校が休みということもあって、絶対ェ寝ねぇ!と息巻いて珍しく共有スペースで派閥組と夜遅くまで遊んで。それでも基本早寝しちゃうから1時くらいが限界。せめて部屋に戻ろうとしたけど眠気が強過ぎてソファで寝ちゃう。「あらら爆豪寝ちゃった。おーい起きとくんじゃなかったのかよー!」とかって上鳴くんが揺すっても起きなくて、部屋に連れて行こうとすれば唸り始める爆豪くん。凄く凄く辛そうに眉を寄せて、そうかと思えばボロボロ泣き始めて。寝てるのに喉がひくひく言ってて。そんな爆豪くん見たことなかったから全員体も思考も固まっちゃって。すると爆豪くんが「…っく、ぐず、…せんせ……っ」って「ほかんとこ、いくなよ、ぉ…」って言うものだから切島くんと上鳴くんと瀬呂くんが超絶ダッシュで教員寮へ。夜中だろうとお構いなく扉ダンダン叩いて、ブチ切れてる先生を捕まえて押して引っ張って「先生早く、お願いだから!!!!」って怒鳴るようにお願いして芦戸ちゃんが見守ってくれてる爆豪くんのもとへ。そしてようやく事態を把握する先生。寝ながら泣きじゃくる爆豪くんの側に座って、涙を指先で拭いて、頭を撫でて「ここにいるよ、ばくごう」なんて優しく言って「せ、んせぇ…」「大丈夫、ここにいる」「せんせ…」「ちゃんと見てるからな。もう泣かなくていい」「……す、き」「うん。ありがとうね」なんて会話を繰り返して落ち着いてきた爆豪くんを先生が抱えて部屋まで送る。「もう遅いからみんな部屋に帰りなさい。あとは先生が様子見ておくから」本当は心配だったけど大人しく引き下がる四人。自室に帰りながら「このことは内緒にしようぜ」って決める。何も知らない、何も聞いてない、何も見てない。約束も爆豪くんの初恋も卒業まできちんと守る。そして卒業後しばらく経ってから爆豪くんからお付き合いが始まったことを聞いて大号泣する四人。
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相爆|大人)
複数の敵と交戦中のイレイザー。少し血を流し過ぎた結果朦朧とし始めた意識をどうにか頭を振って、全身を叱咤して覚醒させて。でも一瞬の隙を突かれて真正面から飛んできた相手のよく研がれた鋭い鉤爪が眼球を狙ってくる。すでにひび割れているゴーグルでは賄いきれないであろう衝撃を想定して避けようとするも上手く力が入らない足。クソッと吐き捨てて覚悟をした瞬間、何千何万と聞いた爆破音が耳に届く。昔より威力の増した最大火力。熱風に耐えきれずに後方へと距離を取る。イレイザーの眼球に届く前に鉤爪は遥か彼方に吹き飛んで、ついでだと言わんばかりに反対の手で放たれる最大火力。敵を殲滅。馬鹿野郎、お前だってそんなにボロボロで血塗れで煤だらけで籠手だって破壊されているのに。それでも瞳孔が開いた瞳で倒れた敵を見下ろしながら「その人の眼に気安く触んじゃねェ!!」なんて怒鳴り散らすものだから、あぁクソ惚れ直しちまうだろうがと頭を掻くイレイザー。「アンタもアンタだ!気安く触らせんじゃねぇよクソが!!次やったら浮気とみなすからな!!」
「それは勘弁してくれ。これでも誠実な付き合いしてんだよ、こっちは」
「ハッ!なら誰彼構わず許すんじゃねぇよバーカ!!」
「お前にしか許してないし、許す気もないよ」
「ったりめぇだろうが!!!」
って言う会話がインカムから垂れ流しになってしまい「えっちょっと待ってイレイザーと爆心地ってどういう関係!?」って気になり過ぎて死ぬに死ねないギャラリー。その後無事に敵は制圧されたし、手当の時もイレイザーの側を離れない爆心地を見て「あとで絶対聞き出す!!」と心に決めるギャラリー。
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相爆)
生徒の前に立ち指導しているときは「一から百まで言われなくても考えて動け」と厳しく言ってる先生も、休みの日になると「全部言わねぇと出来んのか、アンタ。脱いだパンツくらい洗濯機にちゃんと入れろや、クソが!」って年下の恋人に怒られてるのほんと可愛い。一応、言われたらすぐやる
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相←爆+耳)
「おい、今夜部屋行くからな」なんて爆豪くんの言葉に驚いた顔する先生。でもその言葉が向けられたのは自分ではないとすぐに気付く。返事をしたのは耳郎ちゃん。「分かった。何時くらいになりそう?」「合わす」「じゃあ20時とか?」「それで」そんな会話を聞きながら日誌を持って教室を出る準備。あぁきっとバンドの練習のことなんだろうなとか考える。チラ、と見ればまだ喋ってる二人。会話は貸し借りしてるCDの話になっていた。先生はそのまま教室を出て職員室へ向かう。爆豪くんに少し前に告白されたものだから、とうとう部屋にまで来られるのかなんて考えてしまった自分に嫌気がさす。来るわけがない。告白は出来る限り冷たく冷静に断った。先生と生徒だからとか言った。自分の気持ちは隠したつもり。だからこのまま自分への気持ちなんて忘れて耳郎ちゃんでも誰にでもいいから恋をして真っ当な道に進んで欲しいとか考える。年上で同性で教師ではなく、同年代の可愛らしい女の子と幸せになるべきだ。それがいい。その方がいい。怒った顔をしなければ顔は整っているのだから、きっとどんな女の子でも似合う。その子の手を取って幸せになればいい。「──なんてこと考えてたらぶっ飛ばす」不意に引っ張られる腕。引き摺り込まれた空き教室。背中には壁。その壁を乱暴に蹴りつける爆豪くん。静かに怒ってる感じで睨みつけてきて「先生と生徒じゃなくなるまで待ってやっから余計なことは考えんな」そう言ってさっさと出て行こうとする爆豪くん。そして出て行く直前に「アンタ普段からゴーグルしてた方がいいんじゃねぇの?あの目線は熱烈過ぎるわ」って言うものだから一人になった空き教室で「参った…」って頭抱えて呟く先生。その日の夜に耳郎ちゃんに「ウチのこと使って先生の気を引くの止めてよね。使用料としてジュース奢って」って怒られるも上機嫌な爆豪くん。ジュースにアイスとお菓子もつける。全部隠したつもりの先生と全部分かってやってる爆豪くん
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相爆|大人)
今年から担当し始めた生徒たちの中で一人だけどのノートにもシールを貼っている女の子がいて。今日見たノートにはかなり目が吊り上がった可愛らしいフォルムのハリネズミ。それがなんとなく同棲中の恋人に似ていてちょっと笑っちゃう。偶々その子が帰りがけに職員室に来たのでノートを返して「このシールは何処で売ってるんだ?」と聞く先生。女の子は「先生この子が好きなの?意外。気に入ったならあげますよ。これ売ってるお店先生みたいな人は入りづらいだろうし」と言って何枚か使っただけのシールシートを渡そうとする。悪いからと遠慮していればいつの間にか他の女子にも囲まれて「じゃあ先生のノートに貼ってあげよう!」とか言われて問答無用でノートを取られる。それから「先生は“黙れクソナード”と“クソヴィランが!”ならどっちがいい?」と言われて「は?」ってなる。なんだその、それこそあの恋人が言いそうな台詞のチョイスは。なんて考えていたら女の子たちが首を傾げて「だからシールの台詞。どっちか選べるんだけどどっちがいいですか?爆心地好きならやっぱりクソナード?」「いやちょっと待てなんで爆心地が」「えぇ?先生これ爆心地のシールですよ?」「はぁ?ハリネズミだろ?」「ハリネズミ風の爆心地!ほら」言われて改めてシールシート見直せば爆心地コラボの文字が。理解したら物凄く恥ずかしくなった先生。捕縛布で顔を隠しながら「まともな台詞はないのか」と言うと「爆心地イコール口が悪いって感じだから」って言われて思わず、俺の前では可愛いこと沢山言うんだぞと言いそうになって更に顔を埋める。どんな姿でも自慢の恋人に惹かれてしまう的なアレ
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相爆)
在学中、何となくお互い好意を持っているんだろうなと思いつつも距離は変わらず先生と生徒のまま。でも他の人と比べて視線の熱量が違うし、口に出さないだけで心は預けてる感じのふたり。卒業式も何も言わないまま終わったけれど、U Aの在学期間を過ぎたあたりで先生の元にやって来た爆豪くん。ちゃんと面倒くさい許可証を取って正攻法で教員寮を訪ねて来た爆豪くんの腕を取って部屋に引っ張り込む先生。閉めた扉に押し付けて、何を言うより前にキスをして、抱き締めれば爆豪くんも返してくれて。覚えたてかよ、なんて笑ってしまうくらい玄関でずっとキスしてる。で、思う存分堪能してから「好きだ」って言うと「それを先に言えや」って拗ねたように怒られて。ごめんねってまたキスして甘ったるいふたり。当然在学中は想いを口に出してなかったから三年間生殺し状態。ちょっとでも色々と進みたい先生。卒業したし、成人したし問題ないだろうと個人宅の合鍵を渡す。流石に教員寮でなんやかんやは出来ないので、日を改めて、ちゃんと準備して、なんて考えてる。爆豪くんは嬉しそうに大事に合鍵を仕舞って、次の約束を取り付けてその日は帰る。家に来る約束の日は、とっとと仕事を終わらせて万全の状態で爆豪くんを迎えて。いい感じに夜も深まったのでそろそろ、なんてキスして抱き締めてたら「もうこんな時間か。帰るわ」ってあっさり言う爆豪くん。「え、泊まっていかないの」って聞けば「泊まらない」とこれまたあっさり。ショックを受けていれば爆豪くんが「アンタなら分かってると思うけど、ちゃんと二十歳になるまではヤらねえからな」なんて追い討ち。「当然だろ?先生と元教え子なんだからちゃんと守るとこ守っておかねえとアンタの立場がヤバくなんだろうが。十八で成人とは言え、まだ子ども扱いしてくる面倒くせえ大人が多いんだ。そいつら黙らせるためにも二十歳までは何もなし。じゃ、終電の時間来るから帰るわ」ちなみにアンタと付き合ってることも二十歳まで誰にも言うつもりねえから。そんな感じのことを言われて、さっさと帰られてしまったけれど、脳内で処理出来ないくらい落ち込んでる先生。えっ?三年間我慢したのにまだあと一年我慢しろと?しかも恋人という距離感で?なんて頭を抱える。で、唯一付き合ってることを知ってるマイクに相談すれば「ド正論じゃね?」って真顔で返されて更に頭抱える先生。確かにド正論なんだけど、そうなんだけど……って考えて考えて考え過ぎた結果、爆豪くんからやっぱりシたいと言わせればいいのかと気付く。そこから爆豪くんが家に来るたびに少しずつ距離を縮めて、指先での軽いスキンシップを重ねて念密に着実に爆豪くんの体に自分を教え込んでいく先生。お互い忙しいのにその合間を縫って逢瀬を重ねて、今まででは有り得ないくらい恋人に対しての時間を必死で作る先生。会えない期間が続くと長電話なんてしちゃって、爆豪くんが好きだっていう声だってフル活用。その甲斐あって、半年くらいかけてやっと帰り際に切なそうな、熱っぽい瞳を向けてくるようになった爆豪くんに内心ご機嫌な先生。「じゃあ気を付けて帰りなさい」なんて教師の顔で見送りつつ、もう少しで落ちるかななんて男の顔で笑って。ラスト半年、爆豪くんが理性を保つか先生の策略が身を結ぶかという壮大な勝負を繰り広げてほしい。
[newpage]
[chapter:AIBK LOG2]
相爆|大人)
プロヒ後、一日限定で特別講師として雄英に帰って来た爆心地。基礎的な体の使い方や、筋トレ方法の提案、個性の使い方の振り幅などを一人一人としっかり話し合ってて、その姿からは普段の粗暴さや凶悪さは感じられず、すぐに打ち解けて尊敬し始める生徒たち。予定していた時間より終わりが遅くなっても生徒たちは離れなくて怒鳴られても楽しそうで。少し離れたところからそれをずっと見てた先生のところにようやく爆心地が戻ってくる。生徒たちは片付けをし始めたので終わるのを待ってる二人。「先生今日すげぇ機嫌良いだろ」「機嫌が良いと言うより毎秒惚れ直してる感じだな。恋人が自慢になり過ぎて好きが追いつかん」「……アンタそんなこと言うのかよ…」「人生で初めて言ったし、言いながら自分でも驚いてる」「ベタ惚れか」「ベタ惚れだな」話しながら二人して上機嫌。遠くで生徒が先生を呼ぶ。離れていく背中に向かって手を伸ばして捕縛布を捕まえる爆心地。「なぁ今日って帰ってくんの早い?」「何かあるのか?」「いや、消太さんが先生やってる顔久し振りに見たからセックスしたくなった。しかもすげぇやつ」「定時で帰る」「食い気味かよ。ちゃんと仕事しろやセンセ」「定時は無理でも19時、いや出来る限り早く帰る」「ん」待ってると頷けば先生に頭を撫でられる。でも次の瞬間にはちゃんと教師の顔に戻ってて。そういうオンオフのスイッチの切り替えがちゃんと出来てるところも昔から好きなんだよなぁと思いつつ「…ベタ惚れは俺も一緒か」なんて呟いて恥ずかしくなる爆心地。ヒーローやってる顔と、教師やってる顔がお互い大好きな二人。
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相爆|大人)
在学中から片想いをしてて見事結ばれるまで何年も日々妄想してた爆豪くん。先生の風貌と武器のイメージが強過ぎて、絶対に普通のセックスではないはずだとエグいくらいにハードなプレイをしてる動画やDVDとか見て勉強する。そしていざ初夜になってガチガチに緊張しながらも覚悟を決めていたらすっごい優しくお手本のようなセックスされて「??」って戸惑ってる爆豪くん。一回戦終わって甘ったるくキスされて愛でられてる時に「今からが本番か…?」と思って再び覚悟決めるもお風呂に入れられて、水飲ましてもらって、お着替えも手伝ってくれて。ずっと「????」ってなってる爆豪くん。
「せ、せんせ」
「ん?なに、体どこか痛いか?」
「や、ちが、えっ、先生、縛んねぇの……?」
「は?」
「えっ、えっ、(ピー)とか(ピー)とか、あと(ピー)を(ピー)したり」
「お前俺のことどんな人間だと思ってるんだ」
「…………えっ」
って拗らせ過ぎてぶっ飛んだ方向に行く爆豪くん好き
:::
相爆|大人)
先生のお気に入り。普段はツンツンしてるけどお風呂上りはふわふわしてる髪の毛。絶対に曲がらない背中。恥ずかしくなるとすぐに涙が滲むくせに負けん気の強いつり目。塩分控えめの優しい料理。不器用にしがみついてくる両手。爆豪くん特有の甘い汗のにおい。それから爆豪くんが朝早く出勤する時だけ顔の傷と歪に皮膚が引き攣れている肘にキスをして「いってきます。無理すんなよ、俺のヒーロー」って言ってくれること。寝てると思ってやっているんだろうけど、俺のヒーローと言ってくれるのが嬉しくていつも寝たふりしてる。ずっと言ってもらえるようにひっそり気合いを入れ直す朝。
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相←爆+派閥)
「あぁそうだ。おい爆豪」と呼ばれて振り返る。近付いてくる先生を見上げて「なんだよ」と返事。「今日の訓練の時のあの動き良かったぞ」なんて言われて頭を撫でられて、でもあっさりと先生は離れていくから照れ隠しで「べっ、別に普通だわ、あんなん!撫でんな!クソ!」って叫ぶ。怒鳴られても気にせず、先生はヒラヒラと手を振って「気をつけて帰れよ」と言って。爆豪くんもさようならだけはちゃんと言う。そして先生の背中を見ながら撫でられた頭を自分でもちょっと触って、下向いて、頬を赤らめて、にやける唇を必死で結んで。嬉しくて仕方ない心を隠すようにクソって呟く。で、それを一部始終見ていた派閥の皆さん。爆豪くんのあまりにも予想外の反応に間抜け面であんぐりして固まって。しばらくして我に返った爆豪くんが「〜〜〜っ見てんじゃねぇえええ!!!!!」と爆破を繰り出すまで誰も何も言えなかった。ついでに「どんなに先生が褒めてくれてもあんな風に宝物を慈しんでいるように柔らかく目を細めて頭を撫でられたことはない」ということにも気付いてもうどこからどう突っ込んでいいのか分からない皆さん。上鳴くんが堪らずに「爆豪って先生こと好きなの!?気になる!」って言っちゃって。でも「うるせぇ黙れ!!」しか言わなくて否定しないのかよってなる。
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相→←爆+ミッドナイト)
お昼休みの職員室。仕事をしながら、ゼリーではなくお弁当を食べる先生。最初はみんな驚いたけれど、週に一度か二度そういう光景を見ていると慣れてきた面々。通りすがりのマイクにおかずを奪われて怒っているのもすっかりお馴染みに。「イレイザーの彼女って年下でしょ」マイクが生徒に呼ばれて席を外したからと隣に座ったのはミッドナイト。「根拠は」「そうやってあなたがすぐに否定しないところ。あとお弁当が如何にも恋人のために頑張って作りましたって感じ」言いながらお弁当を指差す。「でも別に押し付けがましいわけでも、自分のセンスを無理やり捻じ曲げてるわけでもない。ただ、最初と比べてあなたの好みを熱心に研究した結果が今って感じ」「…」「年下且つ尽くしてくれる彼女なんてどこで見つけてきたのよ」写真の一つくらい見せなさいと言っても反応のない先生。じっとお弁当を見つめて「…やっぱりこれ、手間かかるもんですよね」と言うので「当たり前でしょ。玉子焼き一つにだって………あら美味しい。明太子入りなんて初めて食べたけどいけるわね」「ちょっと勝手に食べないでくださいよ」次に唐揚げに指を伸ばそうとすれば拒むようにシッシッと払われる。「同じものばかり入れて飽きないように工夫もしてるのね。手間も時間も愛もたんとかかってるわよ、それ」ところで彼女の写真は?と聞いてもスルーされる。「ちゃんと美味しいって言ってあげなさいよ」「言ってますよ」「言うんだ!?イレイザーって愛しの彼女にはそんなこと言うんだ!?」「…あなたね……」「ねぇねぇ今までで一番のお気に入りってどれ?」「筑前煮」「ジジくさ!」
後日。仮免補講の付き添いに、イレイザーの代わりに行くことになったミッドナイト。お昼休憩の時、出歩いていれば外で一人ご飯を食べてる爆豪くんを発見。個人行動せず轟くんと一緒にいるように言ったのに、と思いながら近付けば、これまた可愛らしい手作り弁当。「なによ、最近は彼女にお弁当を作ってもらうのがブームなわけ?」「アァン!?」「そんな怖い顔で噛み付いてくるくせに彼女がいるの意外だわ。休みの日までお弁当作ってくれるんだ?」「…さっきから彼女彼女って、これは俺が作ったんだよ文句あっか」「えっ!?!?アンタ料理出来るの!?」「料理くれぇ誰でも出来んだろうが!なめんな!!」「いやなめてんじゃなくて驚いて………あら?」彩り鮮やかなお弁当をまさかあの爆豪くんが作っているとは思ってもなく、怒鳴られても遠ざけられてもお弁当をマジマジ見て、ふと気付く。おかずの位置、色遣い、よく使う野菜、それからこの明太子入りの玉子焼き。思わず指を伸ばして玉子焼きを奪って食べる。「あ!なにしやがる!!」怒る爆豪くんをスルーして咀嚼して、思わずニヤァと笑ってしまうのが止められない。その顔に嫌な予感がしたのか、固まる爆豪くん。「……な、んだよ…」ニヤニヤしているミッドナイトに耐えきれなくなっていく爆豪くん。ミッドナイトは今日一番の笑顔で「アンタの彼氏、筑前煮が一番好きなんだって」爆豪くんの顔が青くなって、赤くなって、混乱したように目がグルグル回っている。面白くてブハッと吹き出す。「っか、彼氏じゃ、ねぇ…!!!!」誤魔化そうとして失敗して狼狽えて、でも自分の料理を誰かに好きだと話しているという事実が嬉しくて、素直じゃない口は怒鳴ってばかりだけど幸せそうにお花が飛んでいて。普段の姿からはかけ離れている様子に、あぁこれは可愛くて堪らないだろうなと思う。さぁ恋話の時間だ。
そして週明け。筑前煮が入ったお弁当を見ていじらしさに思わずキュンとするミッドナイト。「残り二年半は長いわね、イレイザー」「あなたがこれ以上余計なことをしなければすぐです」「あら、週末大変だったのかしら」「まぁ」「付き合ってないって言うのが意外過ぎて根掘り葉掘り聞いちゃったのは悪かったわ」「…」「一応言っておくけど遊びならやめなさいよ。仮にも教師なんだから」「何を勘違いしてるのかは知りませんが、俺は一言も言ってませんよ」「なにを?」「否定」「……………まさか、アンタ」「若い子どもの二年半はあっという間です。他を見る機会だって多い。だからちゃんと外堀から埋めていくんですよ。大人は狡いから」「今夜ゆっくり飲まない?」「絶対に嫌です」
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相爆|大人)
察しが良すぎる大人爆豪くんと、仕事以外では超絶鈍感な先生だと恋人として初歩的なことを見逃してそう。爆豪くんは休日の度に「しょーたさん忙しいんだから、寝てろ」って言うし、先生は「行きたいところはないのか?」と聞くけど「◯◯に行こう」と自発的に誘わない。でも不都合も不満もなく喧嘩もせずに順調と言えば順調な関係。だけど付き合って一年くらい経った頃テレビで爆心地を見かけて、気付く。テレビではデクやショートと一緒にインタビュー受けて、高校時代と変わらない三人。デクの言動に目を吊り上げて怒鳴り散らして、今度はショートが何かを言ってツボに入ったらしく珍しく笑ってて。あぁ俺はそんな顔しばらく見ていないな、ってなる。気付いたらどうしようもなく寂しくなって、物足りなくなって。一回り以上も年上なのにそんなことすら見逃して不都合も不満もないなんて思ってた自分が滑稽で。喧嘩はしなかったんじゃなくて、喧嘩にすらならなかったのだと察する。そう言えばあのコロコロ変わる表情が好きでずっと目で追いかけて、悲しみさえ一切隠さずに揺れる瞳をどうにかして笑わせてやりたいと必死に手を伸ばしていたのに、そんなことすら忘れて爆豪くんから与えられる好きに胡座をかいていた。あー、流石にこれは。「捨てられても文句の一つも言えんぞ」口に出して言葉にして、別れることは心底嫌だと実感する。だから残しておいても大丈夫な仕事は放っぽり出して、家に帰るんじゃなくて事務所まで迎えに行く。ちょうど帰ろうとしていた爆豪くんを捕まえて、一緒に帰ろう話をしようと持ちかける。すると何かを察したように息をのんで、口を結んでそれでも言葉を飲み込んで頷く爆豪くん。きっと別れ話だと思われているのだろうと、でもそれすらも察して迷惑にならないように気持ちを隠したのだろうと理解して死にたくなるほどに今までの行いを後悔する先生。でも後悔している暇などない。挽回をするなら今しかない。「爆豪、俺はなお前が今したいことも欲しいものも知らない。好きなことも物も、俺が知っているのはもう古いものかもしれない。側にいたのに見逃してきた俺が知らないお前が沢山いるんだろうと思う。自分勝手かも知れんが、それが凄く嫌だと思っている。だからお願いがある。まだこんな俺でも好きだと思ってくれるのならば我儘を言って欲しい。何でもいいから爆豪のことを知りたい。何を考えて、何がしたいのか。知りたい。知りたいよ」途中で逃げられるのが嫌で一息で言い切った先生と、驚いて目を丸くしている爆豪くん。じわじわと頬や耳が赤くなって顔を隠された。つられて照れてしまうのをなんとか耐えていれば「…手」と言われて促すと「手、を、つなぎ、たい」ってボソボソと小さく吐き出される我儘。記憶を掘り起こしても手を繋いで歩いたことなんてなかったと思い出して心の中で自分を殴る。顔を隠している手を取って、恋人繋ぎ。二度と離さないと言わんばかりに握り締める。空いた手で頭を撫でて頬をさすってするとおずおずと甘えるように擦り寄ってチラリと見上げて伺ってくる。怒られることも拒否されることもないのだと気付くと、うっとりと目を細めて微笑んだ。デクやショートには見せない自分だけが知る表情。こんな我儘にならない我儘ですらずっと我慢させていた。堪らず告白の時以来言ってなかった「好きだよ」を口に出す。手を繋いだままで二人の家に帰る。一緒にお風呂に入ってご飯を食べて眠るまでポツリポツリと話をする。爆豪くんは時折泣いていて、先生は爆豪くんが眠った後に少しだけ泣く。それからはちゃんと喧嘩が出来るようになる二人。これがやっとスタートライン。
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まだ相爆未満)
爆豪くん高校三年生。先生と一緒に「セッ(略)部屋」に閉じ込められる。ご丁寧に準備物は全部キングサイズのベッドの上にあるし、危害は加えないし録画録音もしていないと書いてるし、爆豪くんだけ眠ってる間に媚薬を仕込まれているという環境。とは言え流石に生徒に手を出すわけにもいかないので部屋を調べ、まだ余裕がある爆豪くんに壁の爆破もお願いする。でも傷ひとつつかない壁と出口どころかミリ単位の隙間すらない部屋の構造にお手上げ。「あとなんかアイデアあるんか。アンタとだけは絶対ぇヤりたくねぇかんな」「分かってるよ。もしかしたらマイク辺りが気付いて助けに来るかもしれん。少し待ってみるか。体調はどうだ?」「余裕だわ」「そうか。具合が悪くなったら早めに言えよ」「ん」部屋はワンルームで調査は手詰まり。二人とも離れた位置に座って僅かな希望にかける。時々爆豪くんの体を気遣って話をする。
1時間ほど経ったあたりで爆豪くんが限界を迎える。発情しているのを見られたくないらしくシーツを頭から被って蹲る。自分で宥めている様子もないのに声が漏れて、とうとうボロボロ泣き始めて看過出来るレベルでは無くなったのと、助けが来る希望が余りにも薄過ぎるのでせめて渦巻いている欲だけでも発散させるかと提案。しかし爆豪くんは首を振るし、触ろうとすれば牙を剥く。「そのままじゃ辛いだろう」と呆れたように言っても「絶対嫌だ。負けてたまるかこんなクソみてぇな部屋に」って意地を張るので「じゃあお前はそのまま片意地張ってろ。俺が負けたっていうことにすればいい。取り敢えず出すだけ出さないと話にならん。最後までするんじゃあるまいし」と言ってシーツ剥がしてブレザー脱がせば爆豪くん大暴れ。力の入ってない手で先生の肩を押してふるふる首振って「せんせぇだけは、やだ、やだ…ぁっ」と顔真っ赤にして目を蕩けさせて言うものだから不謹慎にも物凄く可愛く思えて。「分かったから、目でも瞑って好きな奴のことでも考えてろ。いなけりゃ、あれだ、好きなアイドルでもなんでもいい。なぁ爆豪、取り敢えず落ち着かねぇと対策のしようがないんだ。堪えてくれ」頼み込んで、俺が嫌いなのはよく分かったからと続けるといっそう泣き始める爆豪くん。子どもみたいにわあわあ泣きながら「きらいじゃなくて、すきだから、せんせぇだけは、やだ、いやだ。すきって、ずっとかくしてたのに、もうちょっとでそつぎょうなのに、こんなんできらわれたくねぇ、がまんするから、つらくねぇ、おれ、だいじょうぶだから」ってふにゃふにゃの声で訴えられて「せんせぇ、おれのこと、いやににならないで …っ」なんてお願いされて絶対に崩れることがないと思っていた理性がガラガラ音を立てて崩れるし、自分に嫌われたくないという気持ちだけで必死に欲を抑えて一人で戦ってる姿が健気過ぎてめいっぱい甘やかして愛でてとろとろに溶かしてやりたいという欲に頭の中が支配される。思わず「……かわいいな」って零しちゃったら爆豪くんがその言葉に反応して可哀想なくらいに体震わせて我慢してたのを吐き出しちゃって。それを見た先生が「あぁクソ、もうこっから先は全部俺のせいにしろ」って言いながら服を脱ぎ捨てる。
何時間か後に部屋から出られるし卒業後に正式に付き合うしなんなら今となっては先生の方が惚れ込んでる。
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相爆+爆家)
高校卒業して暫くしてから偶然再会して付き合って成人後に半同棲。二年経ってきちんとした同棲をするため引っ越しを検討。今後のことも話し合って結婚は無理でも正式なパートナーになろうと決める。だから天気の良い大安の日に爆豪家に挨拶に行く。いつぞやの家庭訪問の時よりももっと気合を入れて、顔色悪くなるくらい緊張して「しっかりしろよ」って爆豪くんに思いっきり背中を叩かれる。でもそれで気持ちが切り替わったから深呼吸してインターホンを鳴らす。そして扉が開いて挨拶をしようと口を動かした瞬間、全部を遮るようなクラッカーの音。「いらっしゃーい!」なんて楽しそうな声。伸びてきた手に腕を取られて、隣に立っていた爆豪くんも目を丸くする。両親は悪戯が成功した子どもみたいに笑って「さぁさぁ中へどうぞ」なんて先生の腕を引っ張って通されたリビング。テーブルには手間暇かけられた料理の数々。椅子に座らされて誕生日でもないのにふわふわのケーキの帽子を被せられて、サングラスもします?って聞かれたからしどろもどろになりながら断って。その内固まっていた爆豪くんが慌てて追いかけてきて「バッバァァァ!!なにしてんだコラァ!!」「うっさいわね勝己!!大きい声出したら先生ビックリするでしょうが!いいからこっちきて手伝いなさいよ!!!」光己さんが爆豪くんの首根っこ引っ張ってキッチンに立って、勝さんが先生の隣の席に。ギギ、と軋ませながらも首を動かして「あ、あの…」と声をかける先生。勝さんはいつもみたいにちょっと困ってるような笑顔で「驚かせてすみません」とまず謝って。それから「これはちょっとした意地悪です。決して貴方が勝己くんの相手であることが不満とかそういうのではなくて、長年育ててきた子どもが巣立ってしまうのが寂しくて最後にもう一度構って欲しくて…すみません子供っぽくて」でも形式張った挨拶をするよりよっぽど忘れないでしょう?と微笑む。「これから何があろうと今日のことを忘れないでください。そうやって正装で私たちに頭を下げようとしてくれた決意も、勝己くんと共にいたいと想ってくれている気持ちも。どうか、どうか忘れないでください。それから、出来たら何回だって一緒にご飯を食べましょう。二人が作るものはなんだって美味しいから」ね?と優しく言われて、込み上げてくるものを全部飲み込んで、なんとかはいと返事して。座ったままだけれど向き合ってお互い頭を下げる。ふわふわケーキの帽子が勝さんの頭に当たって、それを見た光己さんが笑って、爆豪くんが「何やっとんだ…」って呆れて、でも笑って。こんな光景死んだって忘れられるものかと、鼻を啜って帽子を深々と被って顔を隠す先生。
食事が終わって洗い物してる時に「なんで相手が先生だって知ってたんだよ」って光己さんに聞く爆豪くん。「高校の卒業式、アンタ泣いてたでしょ。あれがただ寂しいから泣いてるってわけじゃないことくらい分かるわよ」「…あん時は付き合ってねぇ」「でしょうね。生徒に簡単に手を出すような先生じゃないわよね」「じゃあ」「勝己はあの時泣いてるの見られたくなくて下向いてたから知らないだろうけど、先生ったらアンタ以上に辛そうな顔してたんだから。いいわよね、青春って感じ」それから「再会したの、本当に偶然だったか一度ちゃんと聞いてみれば?」女の勘は当たるのよ、とニヤリと笑う顔に一生勝てる気しねぇとひっそりと思う爆豪くん。
その日の夜先生に確認すると偶然の再会はやっぱり偶然じゃなくて「恥ずかしいから光己さんには内緒にしてくれ」と必死に頼まれる。
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相爆未満)
先生に用事があって教員寮に向かう爆豪くん。次の日が休みだからとお酒を飲んでいた先生方。その中でも一番潰れてたのが相澤先生で、顔真っ赤にして床に倒れてる。マイクが「しょーたワイン飲んだらそうなっちまうんだよな。ソーリー!わざとじゃねぇんだ」なんて悪びれもなく言って「ねぇそれ部屋まで運んでくれない?邪魔なの」ってミッドナイトが切り捨てる。なんで俺がと怒鳴るも、マイクが週明けに本気の手合わせしてくれると言うので渋々運ぶことにした爆豪くん。自分よりも大きく重い先生を引きずりながら部屋まで運んでベッドに放る。水くらい飲ませるかとシンクに向かい戻ってくると座っている先生。ちょうどいいとコップを渡して「これ飲んで寝ろ」と声をかけると、ぬぼーっとした目がこっち向く。しばらく固まって「……あ?ばくご…?」って首を傾げるので用があったから来たと言えば「あー…あぁ、なるほど」なんて納得したかと思ったら手が伸びてくる。水かと思い渡そうとしたら手首を掴まれて引っ張られる。コップは飛んでいって割れるし床が濡れる。先生の太腿の上に座らされてぎゅうううと容赦なく抱き締められて、肩口に顔をぐりぐり埋めてくるものだから髭が当たって痛くて。「先生なにすンだよ!」って引き剥がそうとすれば「あーーーかわいい」って言われ動きが止まる。一瞬パニックになるも「アンタどこの女と間違えとんだ」って呆れる。自分に似た女など母親以外に見たことがないぞと先生のセンスを疑う。すると「ふふ妬いてんのか」なんて見当外れなことを言ってきて、顔を上げたと思ったらキスされる。驚いて目を丸くし肩を押し返すもビクともせず。何回もちゅっちゅされて、ワインの味がする舌が入ってきて、口腔内を好き放題舐められて、舌が絡まって、初めてのキスだったからされるがままだし、その内感覚が無くなってきた口が気持ち良く思えてくる。先生の手が薄いTシャツ越しに背中を撫でてきて、そうかと思ったら耳孔を擽られる。ゾクゾクと腰が震えて、これ以上は色々とやべぇと考えた時にはベッドに押し倒されて。ようやく唇が離れて溢れた唾液は舌先で掬われる。はふはふと必死に呼吸しながら「せ、んせ…?」って見上げると、先生は力が入ってなかった目をギラギラ光らせてペロリと自分の唇を舐める。本能的に「食われる」って悟るも不思議と嫌とは思わなくて。「かわいい、ばくご、かわいい」って何回も言われてキスされる。でも次第に動きが鈍くなっていく先生。そのうち寝ちゃう。寝てもまだ「ばくごー」って言ってる先生。頭は良い方だと自分でも思っているのにどう動けば正解なのか全くわからずフリーズしてる爆豪くん。あまりにも帰りが遅くてマイクが様子を見にくるまであと十分。その間に爆豪くんは先生を抱き締めて「言っとくけど酔っ払いのキスなんざノーカンだかんな」って言うし「どうせ俺相手じゃ酔ってなくてもノーカンだろうが」って実は途中から酔いが覚めて夢じゃないと気付いて寝たふりをした先生は苦笑い。
この後卒業式の日に「ゼリーばっか食って死ぬなよ」「死なないよ。お前も怪我しないように気を付けるんだぞ」「アンタに心配されなくたって気ィつけるわ」「可愛げのないやつ」「嘘つけ。可愛くてたまらねぇくせに」「…」「つうか、酔わねぇと手ぇだせねぇアンタをずっと待ってた俺が馬鹿だった」溜め息ついて先生の胸ぐら掴んで「これでようやくワンカウントだからな」ってキスする爆豪くんがいます。「お前ね…こんなおっさんからのキスいつまでも待つなよ」って呆れながらもツーカウント目のキスをして嬉しそうな先生もいます。
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相爆|大人)
元A組の同窓会で珍しく機嫌よく酔ってる爆豪くん。トイレ行くと席を立ち、ふらふらと歩いていると思ったら立ち止まってしゃがみ込む。気分悪いのかと心配する面々の声はスルーして、これまた珍しく同窓会に参加していた先生の髪の毛に手を伸ばして手櫛でさっと解いて1つに纏める。それから「髪縛ってけって言っただろうが」「すまん。家出てからゴム忘れたことに気付いた」「その辺で買えや」「お前が持ってると思ったからやめた」「……甘えんな」なんて会話するものだから固まる元A組。甘えんなと言いつつちょっと嬉しそうな爆豪くんと、当たり前のように爆豪くんが結ってくれると思ってる先生に理解が追いつかない元A組。「えっ、と、先生、かっちゃん…?」って冷や汗ダラダラで緑谷くんが声を掛けると「あぁすまん、それでマイクが」と先生は何事もなかったかのように話を続けるし爆豪くんはトイレ行っちゃうしで「いやもう聞きたいのはそれじゃないから!!」ってなる元A組。絶賛酔っ払い中の爆豪くんがトイレから帰ってくると同級生が先生の周りに集まっていて、芦戸さんがぐいぐい腕を引っ張ったり、葉隠さんが凄い距離が近かったり、上鳴くんや瀬呂くんが雑誌の取材でもしてるかのようにおしぼりをマイクに見立てて距離詰めて話してたり、幼馴染もオロオロしながらもちゃっかり隣に座って合間に話しかけていて。自分がトイレに行ってる短い間にどうしてこうなってるのか分からないし、先生も困った顔しながらもちゃんと相手してるからイラッとして。思わず近付いて幼馴染をポイッと捨てて先生の顔を掴んで無理矢理自分の方へ向ける。そのままちゅってして「浮気してんじゃねぇぞ、こらぁ」とか言うものだから湧き立つ元A組。「おまえね……」って頭抱える先生。よく分かってないままキス出来たことに満足して自分の席に戻る爆豪くん。この後二人は並んで座らされて芸能人の結婚記者会見かっていうくらい根掘り葉掘り聞かれるし、途中で酔いがさめて冷静さを取り戻してきた爆豪くんが店ごと全員を爆破しそうになって先生が慌てて抹消するし、後日ちゃっかりしてる女子組は爆豪くんと現場が一緒になる度に女子会へと強制参加させて近況も定期的に聞いてる。たぶんそのうち二人の家にも突撃しに来るパターンのやつ。
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相爆+マイク)
爆豪くんの顔は当然ながら、マイクの顔(オフver)も気に入ってる先生。周りには秘密で同棲しているマンションに高頻度でやってくるマイクと爆豪くんが並んでいる光景が大のお気に入り。先生が片想いの時からマイクは全部を知ってるので何かを隠す必要もないし、高校の時からマイクの好みを熟知しているので取られる心配もない。だから、だらだらとお酒を飲んでつまみを食べながら、マイクの足の間に収まって山岳系の雑誌を広げ誕生日プレゼントを強請っている爆豪くんを眺めては癒される。そのうち見てるだけでは飽き足らずスマホを取り出して写真撮って「お、始まったぜしょーたの撮影大会。そろそろ容量やべぇんじゃねーの、そのスマホ」なんてマイクに笑われても「ちゃんと選別してパソコンに保存してるから心配ない」と連写しながら即答。「それ手間かかるから合理的じゃねぇだろ、センセ」「選別中も写真を見て癒されてるし息抜きになるから合理的だ」「しょーた酔い過ぎ!」二人して機嫌よく笑ってる姿も、お遊びでウインクしてくる顔も、キッチンでお酒作ってる二人も、ソファで仲良く寝落ちした間抜けな寝顔も。全部写真に収めて、ブランケットをかけてあげる。テレビを消して、静かになってしまった部屋で一人お酒飲みながら、写真のデータを見返して口元を緩める。「お前らはそんなつもりないんだろうが」スマホを置いて二人を見る。「俺の人生変えたんだからこれくらいは許せ」言ってから、確かに今日は酔い過ぎだとお酒を置いて机に突っ伏した。他の人と同じように切り捨てることが出来なかった友人と恋人を合理的に愛でることにした先生のお話が読みたいです
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フェスの相→→←←爆)
ヒーロースーツも普段着も黒しか見たことがなかったからか、明るい色の服を着てる先生を真正面からガン見してる爆豪くん。最初は目をまん丸にして驚いてたのに、段々顔も耳も首も赤くなって、開きっぱなしの唇がぷるぷる震えて、ぽぽぽっとハートが全身から溢れ出す。珍しく分かりやす過ぎる反応を示す爆豪くんに笑いを堪えながら「どうだ?」って意地悪に聞く先生。「ど、どう、って…」目が回りそうなくらいに色んな感情が吹き出してきてなにも考えられませんって顔してる爆豪くん。それでも染み付いた負けん気からか「にっ、似合ってねぇわ!くそが!!」なんて照れ隠しで言うものだからとうとう堪えられなくて「ははっ!そうか、手厳しいな」笑っちゃう先生。それすらもツボなのかいっそう目を回しながら先生に背中を向けて頭を掻きむしって「くそ!くそっ!!」って叫んでる。真っ赤な耳がピクピクなってるのが可愛くて、むずむずと悪戯心が擽られる。だから思わずその耳に顔を寄せて「お前は似合ってるよ、可愛い」なんて言ってみる。ただこれ以上距離を詰めてしまうと普段必死に堪えてるあれやこれやが溢れてしまいそうなので言い逃げ。でも名残惜しくて頭だけ撫でる。キャパオーバーで硬直してしまった爆豪くんは先生が離れて暫くしてから「〜〜〜〜っ!!??」って唸って言葉になってない声を上げて叫ぶ。無意味な爆破も繰り返す。爆風に乗ってこちらに飛んでくるハートの感触を背中で感じながら、たまにはこういうのもいいななんて上機嫌な先生。
[newpage]
[chapter:AIBK LOG3]
相爆)
高校三年の秋くらい。爆豪くんに急に「相談がある」って言われたから進路のことでなにか悩みでもあるのかとすぐに時間を作り二人で話す場を設ける先生。「どうした?」と聞けば、少しだけ気まずそうに、でも真っ直ぐ先生を見て「アンタだったら笑わず聞いてくれると思ったから」と言う。それから「好きな人がいる、けど、どうしたらいいかよく分かんねぇ。こんなん初めてだし、クラスの奴らに言えば…絶対ぇ笑う」と言って一回下向いて、また先生の目を見て「…怒るか?」って聞く。まぁ確かに想定していた相談内容からはかけ離れているし、卒業が見えてきたこの大事な時期に恋愛に現を抜かすなとも思う。けれど二年半以上誰より努力して、他のことには目もくれずストイックに打ち込んできたのを知っているので、こういう人間らしい感情を持て余して困っている姿は単純に可愛らしく感じた。だから「怒らないよ」って言って頭を撫でてやればホッとしたように肩の力を抜く爆豪くん。「でも俺だってそんなに大層な恋愛してきたわけじゃねぇからご立派なアドバイスは出来ねぇぞ」「いい。年が先生と近いんだ。だからアドバイスというか、感覚を教えてくれ」「感覚?」「例えば…年下のやつ見てどう思うかとか、そんなん」「あぁ、なるほど」言われて考える。15も年下の男の子。これくらい年の差があっても恋愛感情は持てるだろうか。考えたことがなかった先生は未知なる世界にうううんと腕を組んで考え込む。「そんな深く考えんでもいい」もっと直感でいい、と袖を軽く引っ張られて覗き込むように見上げられて、あ、と声を出す。「そういう仕草は可愛いな。…うん、お前顔も整ってるし」「そっか」「でも女性相手にはあんまり使わんか。お前の方が背が高いだろうしな」「……ん、いや、そうでもねぇ」「背が高いのか。あぁそうか、ヒールがあれば別か」「ん」「あとは?なにが聞きたい?」「あとは……」それから大人ぶるのと年相応ならどっちがいいかとか、料理が苦手な人なんだけど俺が作っても大丈夫だろうかとか色々聞かれて、経験や自分の考えを織り交ぜながら相談に乗る先生。「こんなのでいいのか」「いい。参考になった」「そうか」「…なぁまた相談乗ってくれよ」「まぁ構わんが」「アンタにしか聞けねぇから、助かる」あまり人に頼ったり素直に助けを求めたりしなかった子がよくもまぁここまで心を開いてくれたものだと少し感動しつつ、悪い気なんてしないから「いつでも声かけろ」と言う。それからたまに二人で話すようになって色んなこと話して。相手のために料理の練習したいから食べるの手伝ってくれと言われてお昼ご飯を共にすることもあって。今までになく爆豪くんとの時間が増えて、増えた分新たに知ったことも多くて。特に好きな人の話をしているときの顔は穏やかで楽しそうで幸せそうで。思わず、爆豪くんにそんな顔をさせる相手が羨ましく思えるほどに綺麗で。あぁちゃんと実ればいいのにな、その恋がと心底思う。でも不思議なことに今この時は自分しか知らないその顔をいつか好きな人に見せて、自分は見られなくなるのかと思うと腹の底がモヤモヤしてしまう。いつのまにか、それくらい爆豪くんのその表情が気に入ってしまっている先生。「先生にしか聞けないから」よく言われるその言葉。頼ってくれていて嬉しい反面先生は相談相手以上のものではないと言われているようで、寂しかった。そして、寂しいと思っている自分に心底驚いた。
この寂しさの正体が恋心だと気付いたのは卒業式が明日に迫った夕方のこと。夕日に照らされていつも以上に紅く煌めく爆豪くんの瞳に見つめられて「明日、好きな人に告白する。今までありがとな、先生」なんて言われた瞬間。オレンジの光に照らされて幸せそうに微笑む爆豪くんに思わず手を伸ばしそうになるのを必死に堪えてる「…頑張れよ」と言うのが精一杯だった。この子が卒業して手を離れてしまうことより、誰かの手を取るということが辛くて悲しくて寂しくてみっともなく叫んで泣いてしまいたいほどに嫌だった。嫌なのに先生という立場からしか声をかけられない。好きだと気付いてもそれを伝える言葉も術も持ってはいけない。自分はこの子にとって先生以上のものではないから。
誰かを好きになって泣いたのは、この日が初めてだった。
卒業式は滞りなく進み、最後のHRもいつもの倍以上の時間がかかったけどきちんと終わらせた先生。これで全員手が離れた。三年前と比べてすっかり大人になってしまった顔を見るとうっかり感傷に浸ってしまいそうになるから早々に職員室へと戻ろうと廊下を歩いていると、正面で待ち構えている爆豪くん。鞄も花束もなにも持っていないその姿はいつもと変わりなくて、明日もそこにいるんじゃないかと勘違いしてしまいそうになるくらい。「どうした」じっと先生を見てる爆豪くん。先生を声をかければ寄ってきて、スーツの裾を掴んでくる。「なぁせんせ、話があんだけど」覗き込むように見上げられて「いつものとこ行こうぜ」って言われると断ることなんて出来なかった。恋愛相談を受けるときによく使っていた倉庫代わりの準備室で、向かい合って椅子に座る。「話ってなんだ。…というかお前こんなところで油売ってていいのか?クラスの奴らと打ち上げに行くんだろ?それに」告白だってするんじゃなかったのか、と言いたかったけれど告白という単語すら受け付けなくなった口がうまく動かない先生。それを知らない爆豪くんは「それに、なに?」と聞いてくるので適当に濁していれば「なぁ、なに?せんせ、言って」なんてうっすらと口元に笑みを浮かべている。入学時には考えられない大人の笑顔。「告白、しに行くんだろうが」顔を背けて吐き捨てるように言って、なんと大人げないのだろうと憂鬱になる。手放すのが惜しくて仕方ないくせに、それでも行かないでとは言えない。言う資格も権利もない。だから早く、もういいから、巣立ってほしい。自分の未練になんて気づかなくていいから。お前ならきっと上手くいくから。心配いらないから。今ならきっと即答できる。一番初めに聞かれた質問を。15も年下でも恋愛対象として見えるかどうか。見えるよ、十分見える。お前はちゃんと魅力的で綺麗で賢くどこまでも高潔で、本気を出せば落ちない人間なんていないだろう。だから行っておいで。だけど爆豪くんは巣立つどころか近寄ってきて「うん。だから告白しにきた」なんて言って足の間にすっと入り込んでくる。椅子に片膝をついて距離を詰めて、首に手が回される。「アンタ、ほんっと鈍いな」言葉の意味がわからなくて呆気にとられていれば楽しそうに笑っている。「気付いてねぇなぁとは思ってたけどここまでとは思わんかった」「いや、は?ばくご」「黙って聞けや」「あ、はい」後ろに回った手で髪の毛をまとめていたゴムを解かれて、いつも通りの髪型になれば満足そうに頷いている。「なぁ先生。俺好きな人がいんだよ。分かりやすくアピールしても気付いてくれねぇような鈍い人で、俺より背が高くて、料理なんてしなくてゼリーばっか食ってて、年上で強くて格好いい好きな人。二人きりで話をしたって、その人が好きなおかず作ったってこっち向いてくんなかったけど、俺が笑ったら一緒に笑ってくれる優しい人」ずっと前から好きなんだ、と言われても気が抜けた返事しかできない。これは夢か悪戯か。今の状況でそんな風に言われたら都合がいいようにしか受け取れない。受け取るぞ、いいのか、知らんぞ。グルグル考えていれば吹き出すように爆豪くんが笑って「変な顔してんなよ。今から告白されんだぞ先生。格好良くビシッと決めろ」なんて言うから素直に深呼吸したらまた笑って。それから「好きだ。先生が好き」すき、だいすき。ずっとずっと俺だけ見て欲しかった。だからアンタの好みが知りたくて、話がしたくて、そばに居たくて、笑って欲しくて。「アンタもちょっとは俺のこと好きになってただろ」どこまでも勘が良くて頭がいいこの子は全部お見通しらしい。素直に降参して「ちょっとなんてもんじゃないくらい好きになったよ」と言えば「ほんとか?」と頬を赤くして幸せそうに目を蕩けさせて笑うものだから思わず顔を覆って「おいやめろおっさんの涙腺これ以上壊すな」と唸る先生。すると爆豪くんが「……泣いたんか?」と驚いたような声を出したから、しまったと今度は口を覆うももう遅い。「せんせ、本当に?いつ?昨日?俺が他の奴に告白すると思って?そうなんか?」矢継ぎ早に飛んでくる質問にはノーコメントを徹底し、気恥ずかしさを隠す為と、これ以上の詮索を打ち切る為に動く唇に噛み付いた。まさかキスされると思ってなくて「んんっ!」なんて驚いた声を出し体を引こうとする爆豪くん。でも素早く後頭部に手を添えた先生の勝ち。引けた腰も捕まえて、しっかりと自分の太腿の上へと乗せる。何度も角度を変えて潤いのある唇を堪能して。離れる頃にはすっかり大人しく静かになった爆豪くん。ぎゅううとしがみ付かれて、応えるように抱き締めて首元にに擦り寄ってくるのが可愛くて。でも油断しているとそろそろと腕を動かしてネクタイを外そうとするものだから「こら。流石にダメだ」と注意すれば、むうぅと不貞腐れている。あ、だめだ、その顔すら可愛い。うっかり今度は自分が爆豪くんの制服を脱がしそうになるのをぐっと堪える。「じゃあいつならいいんだよ」「20歳過ぎたら?」「ハァ!?っざけんな、真面目かよ」「真面目だよ、先生だから」「俺16からずっと我慢してる」「……お前そんなに前から好きだったのか。自分で言うのもなんだが、ただの草臥れたおっさんだぞ」「るせ、格好いいんだよ」「男の趣味が悪くて良かったよ」「俺だけが理解してりゃあいいからどうとでも言えや」爆豪くんが肩にしな垂れたまま見上げてくる。そして「16からずっと我慢して、ずっと一人で準備してたのに」なんて言うものだから崩れ落ちていく理性を拾い集めるので必死。「でもまぁ今日は勘弁してやる。どうせヤるならこんな埃っぽい教室よりアンタの部屋がいい」アンタの部屋で、アンタのベッドで。抱かれている実感が欲しい。そして「先生ので全部埋め尽くしてほしい」言われて、再び顔を覆って天を仰ぐ先生。「勘弁してくれ……」そんなこと言われて平気なほど人間は出来ていない。だからいそいそと爆豪くんを下ろして立ちあがる。強制終了だ。これ以上は本当にだめ。色々だめになるから本当にだめ。タイミングよく爆豪くんのスマホが鳴る。どうやら教室で待たせてる切島くんたちから呼び出しが来たらしい。「今夜打ち上げいくんだろう?」「あー、まぁ一応」「あまり遅くまではしゃぐなよ」「わぁっとる」「それから」「んだよ」再び不貞腐れている爆豪くんに軽くキスをして、自分のスマホを取り出した。仕事用じゃない、プライベートのもの。「それから、家に着いたらちゃんと連絡しろよ」言って、番号を見せたらきょとんとして「いいんか?」って聞かれる。「いいに決まってる。お前はついさっき俺の恋人になったんだろう?」「こいびと」「そう」「こいびと」「だからちゃんと連絡を……爆豪?」俯いてしまった顔を覗き込めば幸せそうなあの笑顔。自分のものだけにしたいと思ってしまったあの笑顔。いつもの威勢も怒声も嘘みたいな、ふにゃふにゃに蕩けて好きだと全身で訴えてくるあの笑顔。「そっか。俺、先生の、恋人だ」ようやく自覚をしたらしい。もっと大胆なこと言ってただろと苦笑いするも、その姿に心臓がきゅんきゅんと締め付けられて(俺の方があと2年も待てんかもしれん)とひっそり考える。
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相爆)
先生の髪が短いとこ見てみてぇ、と事あるごとに切ろうとする爆豪くん。絶対に嫌っていう訳ではないけど、ただ色々と面倒だからスルーしてる先生。だけど、ある日敵と戦ってる時にざっくりと後ろの髪が変に切れちゃって、現場が一緒だったマイクが美容室に強制連行。面白がって高校時代より短く整えられて。どうにか前髪だけは長めに残してもらったけど、頸はスースーするし、サイドも心許ない。捕縛布の感覚がいつもと違って落ち着かない。髭まで剃られた。「そのうち伸びっから諦めろって!悪くねぇぞイレイザー!愛しのhoneyもよろこ「うるせぇ黙れお前の髪も切るぞ」「シヴィー!」夜。同棲してるマンションに帰ればこちらを見て目が点になってる爆豪くん。「は……!?」あまりにも言葉になってないのを苦笑いで「お風呂入ってくる」なんて躱す。髪が短い姿を見たいとあんなに言っていたが、いざ目の前にすると似合ってないから感想も言いづらいのだろうと踏んで逃げ込む。シャンプーもタオルドライも慣れない感覚に戸惑いつつ終わらせて出れば、腕を引っ張られて寝室に連れ込まれる。ベッドに押し倒されて驚いていれば、とろんとした目の爆豪くんに顔中キスされて、当然唇にもされて。「しょーたさん、しょーたさん」なんて甘ったるい声で何回も名前を呼ばれる。「おい、なんだ、急に」「急じゃねぇ。風呂出てくるまでちゃんと待ってただろうが」「いやそういうことじゃなくて、こら、待て」「やだ」「やだって、お前ね」会話しながらもずっとキスされてるし、切りたての髪の毛を触られる。それから「しょーたさんかっこいい」ってすっかり発情しきった顔で言ってくるので(そういえばこいつ俺の顔が一番好きとか平気で言う希少種だった)と思い出す。「しょーたさん、すき、かっこいい、これすき、かみ、すき、すき」全身からハートを出して、目をとろんとろんにして、体をべったりひっつけて、膨らんだ欲を擦り付けて「なぁ早く抱いてくれよ」と言うので勿論美味しくいただく先生。いつもは長い髪に隠れてしまう顔が全部見えているからかずっと「かっこいい」って言って熱に浮かされた状態の爆豪くんと、いつも以上に敏感になってる体を堪能する先生。明日も仕事なんて現実は忘れて久しぶりに長く交わって。終わっても、眠って起きたあとでも爆豪くんの溢れるハートが止まらないものだから色々考えた結果、年に1回バッサリ切るようになった先生。予告なくある日急に切るものだから爆豪くんはその度に「心臓もたねぇから切るときはちゃんと言えや!」って顔真っ赤にして怒ってるけど毎回ハート飛ばして喜んでる。先生も楽しんでる。今日も平和です。
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相爆|大人)
愛想を尽かされたんじゃないか、と思うくらいに擦れ違う日々に不安になる先生。相変わらずプロヒーローと教師の二足の草鞋を履く自分と、駆け出しとは言え圧倒的な戦闘センスと救助力で日本中に名を知らしめているプロヒーローではゆっくり出来る時間など元より無いに等しい。だからこそ寝顔だけでも見られたらと早い段階から同棲を持ち掛けてなんとか二人の時間を確保しているのだが、この3ヶ月寝顔すら見れていない。でも連絡は来るし、ご飯も用意してくれているので別れてはいないはず。というか別れてないと思いたい先生。今日はいるだろうかと、日々のデスクワークのせいで凝った肩を自分で解しながら家路に着いて、明るい部屋にうっかり泣きそうになった。いた。「おかえり。顔が老け込んでんぞ、おっさん」ケケケと悪い顔で笑っているのに可愛くて仕方ない。荷物は放っぽり出してぎゅうぎゅう抱き締めれば「ハグもいいけど俺やりてぇことあんだけど?」って言われて心の中の期待度メーターが上がる。「ちゃんと準備したから、な?はよ、あっち行こ?」って言われて振り切れる。「かつき…!」キスをしようとすればするりと躱されて連れて行かれる寝室。いや待て流石に風呂に行きたいとか考えていたけれど「はい、ここに寝て」と言われて固まる先生。「ば、くご…?これは」「折り畳んで収納出来るタイプのマッサージベッド」想像してたのと違う感じに固まる先生。爆豪くんは素知らぬ顔で先生のスーツ脱がしてうつ伏せで寝かせて準備に取り掛かる。マッサージ用のオイルを背中に垂らされると花の匂いが広がる。強すぎない落ち着く香り。「ちょっと前に大暴れした時に腰を痛めてただろ。歩く時に庇ってたから気になってた。で、そういう時なんかしてやれねぇかなって思って」だから知り合いの整体師に頼んで素人でも出来る範囲のことを教わったのだと言う爆豪くん。確かに施術されている体は全身が気持ち良くて眠ってしまいそうなほど。「資格とりたての奴なんかよりよっぽどうめぇって褒められた」「こんな所でも才能マンか、お前は」「有能な恋人でよかったな」「今日だけで100回は惚れ直してる。あとでキスさせてくれ」「残念。今から俺がするんだよ」ってキスしてニヤリと笑う爆豪くん。頭を抱えて「……101回目…」「単純」「男なんて恋をすると皆単純になる」「それは言えてる。どんなに忙しくて時間なくても消太さんにしてやりてぇって思ったら頑張れたし」「102回目。勘弁してくれ殺す気か…」カウントを増やす度に機嫌が良くなっていく爆豪くん。終わる頃には驚くほど体が柔らかく、楽で、そして末端まで温まっていて。帰り道に感じていた肩凝りが嘘のよう。「ありがとう」言ってキスして頭を撫でてぎゅうぎゅう抱き締めて。体全体で甘やかす。すると爆豪くんが擦り寄ってきて「もういっこ、準備してんだけど」なんて言って先生の手をお尻へと誘導する。「な、はよ、お風呂入ってきて」そんな風に言われると今すぐ襲いたくなるけど堪える。オイルでベタベタした体で抱きたくはない。「すまん、たぶん今日は手酷く抱く」「望むところだわ」「あー…112回目」「200目指すか」「あっという間に越しちまう」会話の合間にずっとキスをして、どうにか理性を繋いでお風呂へ。寂しかった3ヶ月は、たった数時間ですっかり満たされた先生。やっぱり単純。
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相爆|大人)
夜、お互いくっついて眠る手前。うとうとと微睡んでいれば子守唄のように耳に流れてくる鼻歌。先生が機嫌の良い時にだけ聞ける特別なその歌。低くて穏やかなそれが心地よくてお気に入りな爆豪くん。「それ、なんのうた」夢の中に体を半分以上預けた状態で聞けば「高校の時にマイクに無理やり聞かされた歌だったような。もう忘れちまったよ」爆豪くんは少し残念そうに返事をして「じゃあ、しょうたさんのうただ」なんて目を閉じたまま笑って夢の中へ。寝息をたて始めた爆豪くんの顔を覗き込んで、至る所にキスをして「お前の歌だよ、かつき」言って、爆豪くんの心音を感じながら鼻歌を歌う。「機嫌いいですね、爆心地」「あ?」季節外れの夏日は個性を使う上で有難い。朝からずっと調子がいい。思う存分暴れて敵は捕まえたし、救助も連携もうまくいった。さっきスマホを確認したら恋人から早く帰れると連絡があった。久しぶりに今夜はのんびり出来そうだ。だから確かに機嫌はいい、が。「顔に出てたんか」「いえ、顔というより鼻歌が」隣を歩く後輩が「爆心地の機嫌がいい時だけ、その鼻歌が聞こえるんで」そう続けて思わず鼻と口を手で覆う。こんなところまで、年上の恋人の影響を受けていたらしい。恥ずかしい。にこにこ笑っている後輩は睨んだって気にもしていない。「そのメロディー素敵です。俺にも教えてくださいよ」元の歌は何ですか、と聞かれて知らないと答える。「じゃあ沢山聞いて覚えないと」「バァカ。テメーにゃあ覚えられねぇよ」「えぇ、なんでですか。また聞かせてくださいよ」声を大きくして縋ってくる後輩を蹴り飛ばして、さっさと歩いていく。それから今日も元気にリズムを刻む心臓にそっと手を当てた。「これは俺の歌だからな」このメロディーを覚えられるのは生涯で一人だけでいい。
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相→←爆+派閥)
「この週末、寮の備品を買いに行くんだが手伝ってくれないか」なんて先生に声をかけられたのが爆豪くんといつものメンバーで。全員予定なかったのでそのまま日時を決めて、迎えた当日。私服の先生ってなんか不思議な感じだよなとかほのぼの会話しながら買い物して。内緒だぞと言いながらお昼奢ってくれて。わりと楽しかった買い出しの帰り道。前を行く先生と爆豪くんの後をついて行く三人。爆豪くんが何か言えば少し顔を寄せて耳を傾ける先生の目がいつもより優しい。それから先生には怒鳴ることも食ってかかることもなく穏やかに話して、余所見していればクイッと服を引っ張ってアピールしてる爆豪くん。おや?と上鳴くんが何かを感じて首を傾げる。瀬呂くんを見れば「あらら」って苦笑い。切島くんを見れば無言で親指を立てられて目が点。「うえっ!?付き合っ「声が大きいって!」お口は切島くんに抑えられる。「付き合ってないけどまぁ見たまんまだよな」瀬呂くんに言われて二人の距離感をまた見て「アレ分かり易すぎじゃねぇ!?」ってわたわた心配する。「マジでそれなんだよ」って肩を落とす残り二人。「だから俺らが気を付けてやるしかねぇよな」「ちなみにあれ爆豪は隠してるつもりだぜ」「才能マンも人の子か…」と呆れつつ苦笑いしつつもそっとしておいてあげる三人。短い距離だけど少しでもデート気分が味わえたらいいななんて。そして寮が近付いてきたら自然と距離を詰めて立ち位置を入れ替わる。相変わらずの仏頂面だけど機嫌の良さそうな爆豪くん。よかったなぁ、なんてもはや親心の三人。その日は爆豪くんが夜食を作ってくれたらしい。
[newpage]
[chapter:AIBK LOG4]
相爆|大人)
なんやかんやあってモブ通行人の個性にかかってしまった二人。二人の傷跡が交換されてしまうらしく、先生の頬の傷が無くなって、爆豪くんに傷が付いている。ざっと確認すればお腹や腕の傷もちゃんと交換されていた。交換されるのは傷跡のみで、痛みがいくことはないらしい。効果は24時間。どうしようかと目を合わせて、でもまぁ傷跡が交換されただけなので特に問題ないかと結論付けて、連絡先だけ交換してモブさんと別れる。予定通り夕飯の買い物をして両手に荷物をいっぱい持って二人の家に帰る。ご飯を食べ終われば先生は電話がかかってきたからと席を外して、じゃあ俺は風呂に入るとだけ声を掛けた。服をぽんぽん脱いで浴室でシャワーを浴びながら、そこでようやく自分の体をマジマジと見た。「…すげぇな」シャワーで体温が上がって皮膚が色付くと傷跡がいっそう目立つ。古いものから比較的新しいものまで、身体中の至る所にある。先生の裸なんて何度も見ているけど傷跡をじっくりと見る機会はなかったから興味本位で観察していく。爆豪くんも知ってる右肘の大きな傷跡、肩や太腿にある銃槍、腰の火傷、脇腹には長めの切創もある。細かな傷なんて目が追いつかないほどにあって。ヒーローとして教師として、どれだけ体を張ってきたのかがよく分かる。先生の歴史を紐解いている気分になって長い時間傷跡を眺めて辿っていく。そしてふと気付く。この傷跡は全部寸分違わず先生のもので、それが今、一時的にとは言え自分の体に刻み込まれている。先生の傷跡と揃いの傷跡が、自分の体に、同じ形で、同じ位置に。「……あ…」気付いてしまったらなんとも言えない興奮が腹の底から湧き出てくる。あの人が生きてきた歴史そのものが自分の体にある。まるで全身余すことなくマーキングされているように。世界中の誰とも共有出来ないものをお前にならばと明け渡してくれているように。分かっている。これはただの個性事故で、たまたま傷跡が移っただけで、そんな意味なんてないってことくらい。それでも考え始めたら止まらなかった。刻み込まれた傷跡の全てが愛おしかった。自分だけが許されているようで堪らなかった。鏡に映った自分の顔は馬鹿みたいに欲情していて恥ずかしい。目を逸らしたいのに、顔にも先生の傷跡があるものだから指を伸ばしてうっとりと撫でる。指先から伝わる傷跡の感触は、先生の顔に触れた時の感触と全く同じで。本当にこれらは全部先生のものなのだと実感を深めて、とうとうしゃがみこんだ。ざあざあ降ってくるシャワーを頭から浴びても冷静になれやしない。寧ろ熱が高まってどうしようもない。その時、浴室の扉がノックされる。「爆豪、大丈夫か?調子でも悪いか?」どうやらいつも以上に長くお風呂に篭ってしまっていたらしく先生が心配そうに声を掛けてきた。「っ、ぅ、しょうたさん…っ」情けない声を上げると扉が開いて、目が合った先生が「お、まえ、その顔…どうした」なんて驚いている。爆豪くんは、へにゃんと眉を下げて「だ、だって、おれのからだ、全部にしょうたさんの傷跡があって、なんか、おれ、しょうたさんのもんになったみてぇで」興奮して、好きが溢れて、抱いて欲しくて仕方ないのだと全身で訴える。その訴えを受け取った先生は即刻シャワーを止めてバスタオルを引っ掴んで、ずぶ濡れの爆豪を乱雑に拭いたと思ったらそのままタオルで包んで抱えられる。行き先はもちろんベッドで、爆豪くんは熱に浮かされた声で「はやく、はやく、しょうたさん…っ」なんて急かす。ぐずぐずのとろとろになるまで愛されて、はふはふと頼りない呼吸を繰り返す爆豪くんに先生は何回もキスをして。それから頬の傷に舌を這わせて「ほかの傷はまだいいとしても、これだけはだめだな。ちゃんと返してくれよ」なんて言うから「やだ、しょうたさんのきず、ぜんぶほしい、かえさない」ってぐずりながら縋れば「困ったな。俺はお前の顔も好きで気に入ってるんだ。例え自分の傷でもここにあるのは許せん」と返される。顔が好きなんて、そんなこと言われたのは初めてで恥ずかしくてぎゅうぎゅう抱きついて顔を隠す爆豪くん。抱きしめ返してくれた腕には自分の傷跡があって、先生を自分だけのものに出来たみたいでまた興奮する爆豪くん。後日、モブさんにひっそりと連絡してまた傷跡を交換してもらおうと画策する先生。
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相←爆+百)
個性事故で中身が入れ替わってしまった八百万さんと爆豪くん。急いでリカバリーガールに診てもらって、入れ替わり以外の影響はないと言われホッとする二人。診察が終わったくらいに報告を受けた先生が到着。「おいお前ら大丈夫か?」って聞かれて頷く爆豪くん(外見・八百万さん)と固まる八百万さん(外見・爆豪くん)返事をしないことを不思議に思った先生が「具合でも悪いか?」って近寄って来て肩を叩いたら、腰が抜けたように床にぺたんって座り込む。それから心臓を制服の上から握り締めて真っ赤な顔して大慌てで爆豪くんの方を見上げて「た…っ!大変ですわ爆豪さん…!!何故か先生のお顔がキラキラして見えてしまいますの…!!それになんだか心臓がドキドキして息が苦しくて頭がボーっとしてしまいます!こ、こんなこと私の体では体験したことがありませんので、もしかしたら個性の影響か病気かもしれません!!わ、私今すぐにでも専属医に相談して全身の検査をしていただきますわ……!!」なんて一息で叫ぶものだから口を開けて石のように固まる爆豪くん。リカバリーガールと先生も同じような反応。八百万さんは混乱してパニクってまだ喋ってるし目がグルグルなってる。一番初めに正気に戻ったのは先生で、へたり込む八百万さんと視線を合わせて「ばく、いや、八百万……」って声を掛ける。けどそれを聞いた瞬間に「ひいぃっ!」って悲鳴上げて耳を塞いで膝抱えて「みっ、みみまで、おかしいですわ……っ」なんて半泣き。「せんせぇ…ど、どうしたら……」って涙目の爆豪くんの姿で八百万さんに見つめられてなんとも言えない気分になる先生。「………あー……爆豪…」って言って爆豪くんの方を見れば、今にもしにそうな顔で「いっそ、殺せ…俺を、一思いに……」ってこの世の終わりみたいな声を出している。それで色々と察してしまう教員二人。呑気に笑っているリカバリーガールと、深い深い溜息と共に頭を抱えて唸る先生。八百万さんは混乱して何が何だかわかっていないので逃げるように爆豪くんの後ろに隠れて。先生は自分がいない方がいいなと踏んで保健室を出て行く。あとでひぃひぃ笑って涙を流すマイクが迎えに来て寮まで送ってくれる。入れ替わり自体は何時間かで解除されるものだったから、解除されるまで適当に共有スペースでみんなと過ごして。ちらちらと八百万さんから送られてくる視線は気付かないふりをしている爆豪くん。夜になってようやく元に戻って、お互いお風呂に入るためにそのまま別れる。お風呂から出て部屋に戻ると、扉の前に立っていたのは八百万さん。「なにやってんだ」聞くと「お話がありますの」って真剣な顔で言われて、それだけで何のことか分かったので「俺は話なんざねぇ」って言ってスルーしようとするんだけど。ドアノブに伸ばした腕を掴まれる。睨んでも退かない。舌打ちすれば眉間に皺が寄る。そして「あのこと、皆さんはご存知ですの?」と聞かれて体に力が入る爆豪くん。「あの時は私慣れない感情に取り乱してしまいましたが、落ち着いてからよく考えました。…あれが、あの体の反応が病気じゃないのなら、爆豪さんは、先生に恋をしてらっしゃるんですよね…?」疑問形だけどしっかりと確証を持っている目線に爆豪くんは「だったら、なんだ」と言い訳はしない。「皆さんはご存知なんですか?」もう一度聞いてくる八百万さん。爆豪くんは鼻で笑って「知ってるわけねぇだろうが」と吐き捨てて、それから「副委員長が脅しでもするつもりか?」って凄む。クラスの問題児の秘密。それも同性の担任教師への恋。それがどれだけ重たいものなのかは分かっているつもり。何を要求してくるかは知らないけれど、それでもあの人への気持ちに嘘をつくことはしたくない。伝えるつもりも成就させるつもりもないけれど、嫌いだとは言いたくない。だってずっと好きだったから。あぁでもそれも今日までかもしれないと。好きでいることすらやめなくてはならないかもしれないと。八百万さんを睨んだまま、心の中でひっそりと恋を殺す覚悟をする爆豪くん。保健室での一連の流れで本人にもバレてしまったから、遅かれ早かれそうしようとは思っていたけど、少し寂しい。「他の方は知らないんですね…?」「何回も言わせんじゃねぇ。馬鹿じゃねぇんだろうがテメーは」そう言えば物凄い勢いで手を取られて、顔も目も、というより体全体を輝かせてお花も音符も飛ばせてプリプリさせながら「では…!私と爆豪さんだけの秘密ですわね…!!」って嬉しそうに顔を寄せて言ってくる。思っていたのと違う反応に「………は?」ってなるも関係なしの八百万さん。「爆豪さんにとっては不本意とは言え秘密を共有させていただいた身。決して他言しないことを誓いますわ!勿論言葉の約束ではご不安な点もおありでしょうから誓約書にサインもいたしましょう!」「いやちょっと待て」「それとも録音録画でもしましょうか?私のお家に映画で使用されるものと同じカメラがありますのそれで撮影しましょう!」「おいこら」「そうと決まれば善は急げですわ!早速今週末にでも私のお家にいらしてくださいな。爆豪さんはお紅茶、なにか好きなものはありますか?」「だから聞けや!」トントンと進んでいく話に怒鳴るも全然堪えない八百万さん。怖がるどころかいっそう距離を詰めて「嬉しいですわ。私ずっと憧れていましたの、お友達と秘密の恋バナというものに。誰にも言わないでね、と言われてみたかったんです」だってそれは信頼されている証でしょう?とニコニコして、いつもより頬が赤らんでる八百万さんに、とうとう爆豪くんは大きく溜息を吐いて体の力を抜く。降参だった。「…誰にも言うんじゃねぇぞ」ボソッと言えばよりいっそうお花が飛んで「勿論ですっ!」って笑顔も満開になる。そんなこんなで距離が縮まった二人が定期的にどちらかの部屋で秘密の恋バナをするようになって、それどころか教室とかでも普通に話すようになって「なぁんか急に仲良くなったよね!?」って女子組に詮索されるくらい。「こんくらい普通だわ」って爆豪くんは適当に躱して今夜また秘密の恋バナをする約束を取り付ける。
(……まぁ確かにそれが“普通”だよ)って不服そうな顔は捕縛布に隠して、苛ついた目線は日誌で隠して状況を見守る先生。保健室を出て以降、爆豪くんや八百万さんと必要最低限以上の会話はしていない。だから二人になにがあったかは知らないし、八百万さんが感じた体の不調が恋愛的な意味を持つかどうかの確証もない。だけどあの時、中身が違うとは言え爆豪くんの姿であれ程のオーバーリアクションをとられ、涙目で縋られた先生としてはなんだか面白くない。生徒に特別な好意を持つのも持たれるのも厄介で、将来有望な若者が真っ当な道に進んでくれたのは嬉しいことなのに、釈然としない感じ。普通じゃない気持ちは切り捨てたのか、なんて勝手に裏切られた気分で。裏で爆豪くんがどれだけ八百万さんに先生の格好いいところを語っているかなんて知らずに。誤解が解けるのは卒業式の日。「もうバレてると思うけど、アンタが好きだ」って言われて雁字搦めに絡まった糸がほどけていくような感覚がして「俺もすきだ」って自覚する先生。付き合ってから「今も俺の顔ってキラキラしてるのか?」と聞いて「それを蒸し返すな!」って怒鳴られる未来までがワンセット
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相爆|大人)
同棲してるマンションに帰って来たお疲れモードの先生。「おー、おかえり」って出迎えてくれた爆豪くん見て、ただいまって言う前に胸触って、ぎゅうぎゅう抱き締めてお尻触って、やっと深い溜め息吐いて落ち着いたご様子。爆豪くんが冗談で「お触り一回一万円な」って言う。すると先生は何も言わずに体を離して部屋に入っていく。「やべ、怒ったか…?」お疲れモードの先生は時々怒りの沸点が異様に低くなるから、気に障ったかもしれないとヒヤリとする爆豪くん。でも先生はすぐに部屋から出て来て手に持っていた物を爆豪くんの手に握らせる。「あ?なんだよこれ」「通帳と印鑑」「見たらわかる」「中も見ていい」そう言って雑に抱えられてソファへ移動。後ろから抱えられて胸をしこたま揉まれる。「その金額分はここに居ろよ。お前が言い出したんだ」って言われて興味もあったしで、通帳開く。八桁の数字。青褪める爆豪くんと確信犯の先生。「めっ、飯が冷める!」「あとで温める。いつも美味しいご飯ありがとうね」「どういたしまして、って違う!離せ!」「だめ。先払いしただろ」「こんな大金気安く渡すな!アンタ馬鹿か!?」「いずれはお前のものになる金だ。問題ない」「問題大有りだわ!!」「…ところで爆豪」「ンだよ」「数は数えているのか?」「数?」首を傾げる爆豪くんに、ニィって悪い顔で笑う先生。「そうかそうか。数えてないのか。じゃあ今から一回目だな」「!」「明日休みだろ?俺も休みぶんどって来た。ゆっっっくり楽しめるなァ?」って気がすむまで至る所を触って揉んで。そしてすこぶる調子に乗った先生は朝から正座させられてお説教。
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相爆)誰も死なない遺書のお話。
プロヒになったらいつ事件や事故に巻き込まれて命を落としてしまうか分からないから、一年に一度は必ず遺書を書いて協会に提出してたらいい。(本人の要望があれば好きな時に何度でも提出出来る)先生も勿論毎年書いてて。でも若い時は何を書いていいか分からないし配偶者もいないし、財産も微々たるものなので「保険金の受け取りは母でお願いします」みたいな一文で終わり。それが何年も続いてて、教員になってからはそれに加えて仕事用のパソコンのパスワードや生徒の個人情報の管理に関することが細かく記されているだけ。またそれが何年も続いて、確認してる協会専属の弁護士には「あぁ今年も同じか。イレイザーヘッドというヒーローはとても寂しい人間だなぁ」とか勝手に思われてる。でもある年を境に遺書がガラッと変わる。保険金の1/3は母親から男の子の名前に変わって、遺書の他にその子への手紙が付くようになった。年々手紙に書かれている文章が長くなっていって、苗字で呼んでいたのが下の名前になって。「俺のことは忘れてくれ」って文章が「来年もお前に手紙が書きたいよ。見せられたものじゃないが」ってなって。二年後には保険金の受け取りは全額その男の子になる。自身の親には今までになかった感謝の言葉が綴られるようになって、男の子には愛を紡いで、それから死に対する恐怖が垣間見えるようになった。「こんなにも幸せな一年が過ごせる日が来るなんて思いもしなかった」その一文は紛れもなく本心で、少し滲んだインクに弁護士が目頭を押さえる。紙切れ一枚で終わるはずだった人生が、年を重ねる度に分厚く、色濃くなっていく。それを何年もかけて遺書というものを通して感じた弁護士は「イレイザーヘッドというヒーローの人生にこの男の子がいて良かった」と名前以外何も知らないその子に心底感謝して、イレイザーヘッドの平穏無事な明日を願う話とか凄く読みたいです。
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相爆+ミドナイ|大人)
会議で使う資料、付箋が付いた教科書、採点済みの答案用紙、押印したばかりの日誌。それから、このデスクに似合わない可愛らしい猫のイラスト付きのメモが一枚。「イレイザーって恋人が出来ても自分を変えない人だと思ってました」「…何ですか、急に」「貶してるわけではないですよ?」「褒められている気もしませんよ」「単純に驚いてるだけです」だってイレイザーがデスクにプライベートなものを置くなんて珍しい。後ろから覗き込むようにメモをマジマジと見るミッドナイト。胸を押し当てても何の反応もないから面白くない。「今夜はシチューなんですね。もしかして好物ですか?」「……嫌いではないです」「意外!」「そうですか」さっさとあっち行けと言わんばかりに冷たくあしらわれるけど、気にしない。『今夜はシチューだから牛乳買ってこい』なんて、可愛いメモ帳を使うわりに乱暴な言葉遣いのイレイザーの恋人は一体どんな人なんだろうかと考える。世話焼きな年上?傍若無人な年下?どれもピンとこない。というよりこの男と恋愛というもの自体がピンとこない。でも一つ言えるのは、乱暴な言葉を使いながらもちゃんと恋人を気遣っているということ。「今日こそ早く帰ってあげてくださいね」十日連続で深夜帰宅なんてしたら捨てられますよ。言えばうっと言葉に詰まっている。「…ちゃんと帰りますよ」下唇を突き出して気まずそうにしている横顔は疲れ切っている。それでも早く帰る理由がなければ帰らない男だ。本当にこの恋人はよくわかってる。「あなたを手懐けている恋人、今度ちゃんと紹介してくださいね。会ってみたいわ」ミッドナイトは揶揄うように、ふふっと笑って、職員室を出て行く。一人になったイレイザーは「もう会ったことあるんだけどなぁ」卒業してから何年も経つけど、なんてメモの中の猫を撫でながらひっそり笑う。そして遠回しに心配してくれている若い恋人のためにも早く帰ろうと、止まっていた手を動かした。
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相爆+A組女子|大人)
「あら、あそこにいるの相澤先生じゃないかしら」なんて前方を指差したのが梅雨ちゃん。「どこどこ!?」って興味津々で前のめりなのが葉隠さん。「しかも小綺麗バージョン!デートなんかなぁ」ってニヤッとしたのが麗日さん。「お久しぶりですし、ご挨拶がしたいですわ!」ってプリプリし始めたのが八百万さんで「いやー、流石にデートだったらウチらが話しかけるのヤバくない?」って遠慮気味なのが耳郎ちゃん。そんで「あれ?センセーが立ってるあの店ってどっかで……」って顎に指を当てて首を傾げてるのが芦戸さん。むむむ、とそのまま考え込んじゃった芦戸さんに皆んなが続きを待ってて。そしたら、店の前で立ってた先生の元に、店から出てきたこれまた見たことある顔の人が近寄って二人で歩き出した。おや、と空気が固まる面々。芦戸さんだけ「あっ!やっぱりそうだ!あの店、いつも爆豪が服買ってるところだよ!あー思い出せてスッキリしたー!」って満足気。で、変な沈黙。何秒か固まって「えええええ!?」って全員がわちゃわちゃ騒ぎ出す。「あの二人って卒業してからもお買い物行くくらい仲良かったっけ!?」「わ、私の記憶の中では格別親しくしてらっしゃる風には決して……」「でもでもなんか二人慣れた空気感だよ!?」「っていうか卒業してもう何年経ってると思ってんの!?」とかなんとかみんなで混乱してたら梅雨ちゃんがケロケロ笑いながら「追いかけて聞いてみたらどうかしら。勝手に色々憶測で話を進めるのは良くないわ」って言って芦戸さんが「じゃあちょっと尾行しちゃえー!」って悪ノリ。八百万さんが「そんな、いけませんわ」とか止めようとするけど芦戸さんと葉隠さんはパッパと先に行っちゃって。仕方なく追いかけていく他のメンバー。路地の合間や看板や電柱に隠れながら二人の後を追いかけて覗き見すれば、二人が二人でいることに慣れているのがよく分かる。楽しく騒いで話しているわけじゃないけど、たまに見える横顔は穏やかそうに笑ってて。距離は付かず離れずを保ってて。行き先も決まっているのか迷いがない。「なんか爆豪が怒らずゆっくり話してるのなんて初めてみたかも」って耳郎ちゃん。うんうん頷く他のメンバー。最初から走って近寄って話しかけていればよかったんだけど、コソコソ付いて行っている手前バッと見上げればビルのちょっとした足場に器用に立ってる二人。事もなさげにやってのけているけど、その足場は極々細いもので身体能力の高さを見せつけられてる感じ。「先生だ!」って葉隠さんが呼べば「休みの日まで先生って言うのはやめなさい」って苦笑いで言いながら降りてくる。ヒーロースーツでもない私服だけど動きは変わらない。爆豪くんも一緒に降りてきて、それから「テメーら尾行するたァいい度胸だなァ!?アァン!?」とかって速攻でメンチ切って指をパキパキ鳴らしてる。そんな爆豪くんの頭をポンと先生が叩けばすぐに大人しくなって学生の時とはまた違う手慣れた反応に「おぉ…!」なんて感嘆。ぶすっと舌打ちする爆豪くん。梅雨ちゃんが「いつから気付いていたのか知りたいわ」って言えば「店出てすぐ」って先生に言われて「最初っからやないかーい」って麗日さんがぶっ倒れて、耳郎ちゃんは「あーそりゃ赤点だよね」とか納得して。芦戸さんは元気いっぱいに「はいはーい!質問!なんでその休みの日に二人で買い物してるんですか!?」って爆弾ぶっ込んで来て。葉隠さんが「もしかしてデートですか!?」ってノッて。先生は表情一つ変わらなかったんだけど、爆豪くんは顔真っ赤にして「デ、デートなわけねぇだろうが!!!!」って怒鳴るものだから「あー……」って色々察した女子組。「あーってなんだ!デートじゃねぇ!!」「あー……」「ンだ、その目は!!!!クソが!!」ギャンギャン怒鳴ってもう帰るとか言い出して歩き出してしまった爆豪くんを芦戸さんと葉隠さんが捕まえに行って、残された先生には梅雨ちゃんが「で、実際のところはどうなのかしら、相澤さん」って上目遣いで聞けば「うーん」って困った顔して、でも4人分のキラキラお目目から逃げられなくて「……ウン、あの、アイツの念願叶っての初めてのデートだから、そろそろ勘弁してやってくれ」って言っちゃう。キャーッてテンション上がっちゃう4人。「なんか後ろから見ててすっごい慣れた空気感だなぁって思ってたのに、初デートだったんですね」って麗日さんが言えば先生が「まぁ教師と元教え子だからな、色々あるんだよ」って。「褒められたものじゃないから。こういうのは」って。その言葉に今日を迎えるまでに長年苦労して寂しい思いもしてすれ違いも経験してきたんだろうなとか考えちゃう。ちょっとシュンとなってしまった4人の頭の順番に撫でて「こういうこともあるから、人のプライベートを濫りに追いかけまわさないこと」って諭す。各々謝れば「今度あっちの2人も含めて飯にでも行くか。爆豪は俺から誘っておくから」お互いが了承した上で、ちゃんとプライベートが守られた場所で、秘密が守れるメンバーで。「どうする?」それならいいぞと譲歩してくれたことに喜んで頷く。「爆豪ちゃんのことだけじゃなく、プロヒーローとして色々聞きたいこと聞いてもいいかしら?」「勿論。こういう場はちゃんと利用しとけ」「私とても楽しみになってきましたわ…!」「ウチも」なんて騒いでいれば歩いて行ってしまった爆豪くん達が帰ってくる。あっちはあっちで怒られたらしく2人がシュンとしていたが、話は纏まっているよう。連絡先だけ変わってないことを確認して、じゃあと去っていく爆豪くんと先生。その背中を見送って、行く予定だったパンケーキのお店へと足を向ける女子組。こうやって女友達と遊んで騒ぐのも勿論楽しいけれど「なんか恋人欲しくなっちゃったよー!」ってなる。まさか一番恋愛から程遠そうな2人からそんな気分にさせられるとは思ってなくて、でも尾行してる時に勝手に見てしまった笑顔が忘れられないくらい素敵で。いつもより多めに甘いものを食べちゃう。勿論、食べながらプライベートがきっちり守られるようなお店を探して、いつにするか予定を立てて、お詫びも兼ねてサプライズプレゼントとかどうかな!?とかっていう作戦会議も忘れない。
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相爆|大人)先生の御両親捏造
あと三分で家に着くからドア開けて、なんてメッセージが来たから仕事を一時中断して玄関へ行く先生。きっかり三分でドアが蹴られたのですぐに開ければ「ただいま。助かった」って両手でダンボール持ってる爆豪くん。「おかえり。なにこれ」覗けば中には大量の玉ねぎ。ダンボールを受け取って二人で中へ。帰宅後
はすぐに手洗いうがいというのを徹底している爆豪くんは質問に答えることなく洗面所に行ってしまって、どうしていいか分からずにダンボール持ったまま固まる先生。帰ってきた爆豪くんは『待て』状態の先生見て笑う。「テーブルの上に置いていいぜ。ダンボール自体は綺麗だから。ちなみにこれは今日掘ったばっかの新玉ねぎ」「掘った?お前が?」「いんや。事務所の近くに住んでるじーさんが掘った」「知り合い?」「二年前くらいから玉ねぎ貰ってるけど名前は知らねえ」「相変わらず雑だな、そういうところ」「でも玉ねぎ作りが上手いっつうのは知ってる」アンタ覚えてねえだろうけど去年も美味いって食ってたよ、って言われても毎日料理が美味いからなぁと苦笑い。爆豪くんは食器棚からビニール袋を取り出して、中に入っていた新品の瓶を幾つも取り出した。「これは?」「玉ねぎドレッシング入れる瓶」「こんなに作るのか」「おかあさんのとこにも持っていくからこんなもん」言いながらお鍋でお湯を沸かして、煮沸消毒。先生は呑気に光己さんのことお母さんって呼ぶようになったか、大人になったなぁとか感傷に浸ってる。邪魔にならないように椅子に座ってドレッシング作りを眺めてたら「来週おかあさんの誕生日だろ?何がいいって聞いたらこのドレッシングがいいって、去年作ってくれたの美味かったからって言われた」「そうか」「アンタよりおかあさんの方が記憶力いいんじゃねぇの?」「俺だってまだ現役で、いやちょっと待て勝己。お前こそどうした。光己さんの誕生日は来週じゃないだろ?」「ハァ?ったりめぇだろうが」「や、さっきおかあさんの誕生日がって……………ウチのか」「何言っとんだ。寝てねぇのか?」「あまりにも普通に俺の母親をお義母さんって言うから」「ンだよ」呼ばねえ方がいいんかよ、と手を止めて振り返ってくる顔はちょっと拗ねていて。それから結ばれた口元が切なそうに見えて、そうじゃなくてとすぐに首を振る先生。「お前の普通が嬉しかっただけだよ。呼んだら母さんも喜んでただろ」「…ん」「それと同じ」「ん」納得したのか照れているのか爆豪くんは目線を戻して作業を続ける。沢山作るからか微塵切りにされた玉ねぎがボウルにこんもりと山を描く。「しょーたさん」トントンと止まらない包丁の音に隠れるような小声をちゃんと受け取った先生が返事をすれば「アンタが、誕生日普通に覚えてんのも、嬉しいから」って爆豪くん。真っ赤になった耳がピクピク震えてる。付き合って長いけれどこういう初心な反応を未だにするから可愛いんだよなぁと笑う。「そうか」もっと長く一緒に居ればこの『普通』に驚くことは無くなるはずだから、今日のこの日を忘れないように現役の頭に刻み込む先生。そしてドレッシングを渡しに久しぶりに実家に帰れば思った以上に爆豪くんと母親が仲良くなってて、いつの間にか父親とメールまでする仲になってて、ヤキモチ妬く方向が増えてしまって大変になる先生
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[chapter:AIBK LOG5]
相爆)遠い遠い未来のお話
事務所が作った爆心地の公式ついったアカウントは開設されてから運営側が投稿するのみで本人は一切のツイートをしてなかった。何年も何年もその状態が続いたけれど、爆心地コラボのグッズとか雑誌出演とかそういう情報欲しさになんとなくフォロワーはいた感じ。ある日突然一本の動画が23時に投稿される。場所は分からないけど、机が一つあって腕相撲しようとしてる二人の男の人。顔は映ってなくて、腕だけだけど、声は入ってる。「絶対ェ負けねぇ!」って声は爆心地のよう。でも「俺だって負けないよ」って言ってる声は誰か分からない。審判はプレゼントマイクで、相変わらずテンションの高い合図とともに勝負が始まって、お互い血管やら筋肉やらを浮き上がらせて手加減なしの本気勝負。実況にも熱が入ってる。競った結果爆心地が負けた。悔しそうに吠えて唸って「もう一回!」って勝負して、今度は爆心地が勝つ。「ハッ!へばってんじゃねえぞ、おっさん!」なんて高笑い。引き分けになったので三回戦へ。今までより一番競り合って、長い時間かけて、爆心地の負け。また吠えてる爆心地と「危なかった…」ってボソッと零すもう一人の男性をバックに、プレゼントマイクが画面いっぱいに現れて「HEY!ここまで付き合ってくれたリスナー達センキュー!でも良い子は早く寝ろよ。また明日。グンナイ!」それで動画はおしまい。今までツイートしなかった爆心地が急にプライベート映像を流したことでフォロワー急増。トレンドは爆心地関連で埋まっていく。同期の面々も知らなかったみたいで驚きのリプを寄せている。そしてマイクが「また明日」と言ったからまた動画がくるぞと全員待機してる感じ。で、次の日から同じ時間に動画が投稿される。全部同じ人と思われる男の人と爆心地がただ勝負してる。100m走だったり、カードを使った暗記テストものだったり、パルクールみたいに街中を走り抜けての鬼ごっこだったり。どれも良い勝負で、勝っては心底嬉しそうに吠え負けては心底悔しそうに唸る爆心地。でも何日経っても相手の顔は見えないし、外で撮影してるから風の音で声も聞き取りづらい。同期のヒーローたちは誰かわかっている様子だけど、誰もその名前を書かない。ヒントもない。現役プロヒーローで、更にそのプロの中でもトップクラスの身体能力を持っている爆心地と張り合う男なんてただの一般人なわけないのに。しばらく動画が投稿されたのが続いたと思ったら、ある日の動画の終わりにマイクが「ここまで付き合ってくれてセンキュー!」って言ったから、また明日という文言がなくなったから、動画は終わりなのだと落胆の声が広がる。ヒーローの時とは違う素の爆心地の言葉や動きは見ていて新鮮だったし、なにより二人で勝負している時が一番楽しそうだった。子どもみたいに俺が早かったとか俺の方が先だったとか言い合って、マイクが仲裁したと思ったらとばっちり食らって、それから声出して笑ってる二人が微笑ましかった。仲が良いんだろうとよく伝わってくる。爆心地ってこんな風に笑うんだって、こんな子どもっぽいところもあるんだって、ギャップにやられてファンが増える。またやってとコメントが殺到する中、日付が変わったと同時に爆心地がツイートする。「俺の」そのたった一言。きっとずっと映っていた男の人に対する言葉なんだろうとみんな「俺の」に続く文字を詮索する。「俺の師匠」なのか「俺の尊敬する人」なのか「俺の目指す人」なのか「俺の超えていくべき目標」なのか。ネット上で沢山議論されていたけど、同期のヒーロー達は「知ってた」って言葉をかける。結局その男の人が誰なのか、続く言葉はなんなのか、一切説明はされないまま、また運営側が宣伝するだけのアカウントに戻る。
日付が変わったその瞬間。あまり広くは知られていないアングラヒーローが引退の日を迎えたことを誰も気付かない。教師でもヒーローでもなくなって、やっと俺のものだと堂々と全世界に言えるようになった日のお話。
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相爆|大人)
先生が住んでいるアパートで久しぶりにゆっくりとご飯を食べて、狭いソファに肩を触れあわせて座る。食後の珈琲はそれぞれ違う柄と大きさのマグカップで、ミルクを混ぜるマドラーだって種類違い。先生は「お前は珈琲を淹れるのも上手だな」なんて言ってくれるから、それ以外はまぁいいやって気にしない爆豪くん。他愛のないことを喋って笑って。そうしていればあっという間に終電の時間がやってくる。「そろそろ帰る」「そっか」随分と履き古してしまったスリッパに足を突っ込んで、少ない荷物をリュックに詰める。変装用の帽子とメガネは忘れずに。玄関まで付いてきた先生が「駅まで送っていくよ」って言ってくれたけど首を振る。狭い三和土で両手を広げたら、何も言わずとも先生が抱き締めてくれる。先生の肩越しに見えるいつもの風景がなんだか心に沁みて、グズと鼻を鳴らす爆豪くん。「…寂しくなった?」「ん」「俺も」「先生もそんなん思うんか?」「お前は俺をなんだと思ってんだ。最後の夜と思えば寂しくもなる」「そっか」教員寮で殆どの時間を過ごす先生の仮の住まい。月に何度かしか来ないからワンルームの安い、そしてキッチンもお風呂も狭いアパート。文句なんて言い出したらキリがないくらいの物件。二人の始まりはここだった。初めて二人でご飯を食べたのも、キスをしたのも、朝を迎えたのも。大きな喧嘩の後で話し合いながら二人で泣いたのだってこのアパートの狭いソファの上。古くて小さい部屋には何にも代え難い思い出がぎっしりと詰まっている。でもそれも今日で終わり。最後だから先生が好きなご飯を作って、キッチンは隅から隅まで磨いた。元々あまり置いていなかった荷物は全部リュックに入った。柄の違うマグカップも種類が違うマドラーも、使い古したスリッパも、全部お別れだ。網膜に思い出を焼き付けて、寂しい気持ちは先生に擦り寄ることで軽減させる。名残惜しいけれどもう時間がない。体を離して、背伸びをしてキスを強請る。「こうやってここでキスするのも最後だな」「この玄関、三和土が低くなってるから好きだった」「なんで?」「キスするとき、アンタが近くなる」背伸びをしたらいつもよりしっかりと腕を回して抱き締めてくれるだろ。だから。「ここでするキスはちょっと特別だった」「…もっと名残惜しくなるな。そういうのは早く言え」本格的に時間が迫ってきているので、ドアノブに手をかける。「寂しくて泣くなよ、せーんせ」「調子に乗るなよガキ。あと何時間かしたらまた会えるだろう」言われて爆豪くんが笑う。「そりゃそーだ。じゃあアンタは今から最後の一人暮らしを満喫しとけ」「それは一生二人暮らしをしてくれるととっていいのか」「そりゃあ今後のアンタ次第だろ」「手厳しいな」言いながらドアを開けて外に出る。「気をつけてな」「うん」「また明日」「うん」これ以上は本当に帰れなくなるからと、先生の視線を振り切ってドアを閉めた。カンカンと音を立てて錆びた階段を降りて、後ろ髪引かれながらもアパートから離れていく。ベランダ側に回り込むようにして道路に出て、そこから先生の部屋を振り返る。何度見たって何の変哲も無い昔ながらのアパートだけどいい家だった。理由がなくてもくっつける暖かい家だった。もう二度と通ることはない帰り道をゆっくり歩いて、感傷に浸りながら駅に向かう。先生と離れなきゃいけないこの終点の時間帯が嫌いだったなぁなんて思う。駅に着いて、電車に乗り込む。明日は自分の家の引っ越し作業に追われるからしっかり寝なくては。一人で眠る最後の夜。明日からは隣にある体温を、先生も思い描きながら今夜は眠るのだろうか。そんなことを考えながら、二人の新しい家を頭に浮かべて窓の外を眺める。お揃いのマグカップもマドラーも、新しいスリッパも、使うのが楽しみだ。始まりのアパートから終の住処になる予定のマンションへ移り変わる、同棲前夜のお話。
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相爆|大人)不穏からの安定のハピエン
ふと目が覚めて、なんだか変な夢を見たなと汗を拭う先生。寝返りを打てば何かに手が当たってハッとする。「ん、んん…」と眉を寄せて唸っている男の子に「ごめん」と謝れば持ち上がる瞼。「爆豪、ごめん、痛かったね」「…ん、だいじょーぶ。それより、もう時間か?」「あぁ、そうだな」「じゃ、準備する」言って起き上がる爆豪くん。洗面所へと向かう背中を見送って先生はしっかりと閉められたカーテンの隙間から外を見る。深夜二時の街はまだ所々明るい。予定より寝過ぎたかもしれないと後悔しつつスウェットからコスチュームへと着替えた。動きやすさを重視したコスチュームにしておいて良かったと心底思う先生。入れ替わりで洗面所を使って出てくれば爆豪くんも着替えが終わっていた。流石に目立つのでコスチュームではないけれど動きやすそうなラフな格好。「スマホも財布も、なんも持ってねえから」「うん」「身体検査する?」「いいよ、信じてる」「あ、そ」ふいっと背けられた顔を追いかけるように捕まえて、頭を撫でた。「ごめんね爆豪、巻き込んで」「違ぇ。俺が選んだんだ、自惚れんな」そう言ってするりと首に腕を回して抱き付いてくる爆豪くんを抱きしめ返さずに、こんな風に言わせてしまうなんて教師失格だなと考える先生。それから、失格どころか自分はもう教師と名乗れる人間ではないのだと思い出す。もう時間がないから行こうかと結局抱きしめ返さないまま二人で先生のマンションを出た。帰って来るつもりはないから鍵は開けたままで、玄関に置きっ放し。指名手配犯と人質は身軽なままで互いの手だけを握り締める。
擦れ違うようにマイクが全速力で走ってマンションへとやって来る。「Dammit!」もぬけの殻の部屋に舌打ちして壁を殴りつけた。それからどこかに電話して「Don't worry.イレイザーの行動パターンなら俺が一番知ってます」すぐに見つけますよと言って電話を切ったマイクはマンションを後にする。そして夜の街を走り出す。「これ以上自棄になって変な行動すんじゃねぇぞ、消太!」
時間が時間なので電車もレンタカーも使わずに歩いて、それから捕縛布を使ってコソコソと移動する。爆豪くんも身体能力が高いので難なく付いてくるし、捕縛布で飛んで距離を稼ぐ間も邪魔にならないようにくっついている。何も言わずとも派手な音がする個性を使わないところは流石に賢いななんて考える先生。一時間以上移動して距離を稼いで、市を超えて、そろそろ県境が見えてくる。でも遠くで聞こえるサイレンの音が増えてきたから、一旦薄暗い路地裏で息を潜めて。パトカーを出来るだけやり過ごす。顔には出さないけれど不安そうに握る手の力を強くした爆豪くんに「大丈夫。なにも心配しなくていい」っていう先生。ジッと見つめてくる石榴色に優しく微笑んでやる。でも爆豪くんは「アンタが警察に捕まることに関してはなんも心配してねぇ」だって警察くらい簡単に撒くだろと笑う。じゃあ何を考えてるんだと目で聞けば「アンタに捨てられねぇように気ィ張ってるだけだ。ちょっとでもヘマすればそれを理由に置いていくだろ。俺をこれ以上巻き込みたくねぇから。…現にアンタはなにも心配しなくていいって言った。ンなの、人質に言う言葉じゃねぇ」密着して息を殺している路地裏で、パトカーのサイレンを聞きながら、→爆豪くんは先生にキスをする。「なぁ先生。俺を何処までも連れてって」お願い、と強請られて溜め息をひとつ。「捨てるわけねぇだろうが。捨てるつもりなら最初から連れて来ない。お前が人質にしてくれって俺の所に来るのが早かっただけで、俺は最初から連れて行くつもりだったよ」「…本当、なんか」「信じられない?」「俺が先生を信じてないはずがねぇだろ」「そっか」「ただ、」「うん?」「嬉しい、から、夢みたいだ」「…そっか」もう一度キスを、と顔を寄せたところでギロリと朝が近づいて来た空を睨みつけて個性発動する先生。同時に捕縛布もしゅるりと音を立てて伸びていく。つられるように爆豪くんも見上げて「ッ、プレゼントマイク…!」と唸る。個性を封じられて大音量は出せないけれど、ひとつも驚いていない顔で伸びてきた捕縛布は片手を犠牲にして絡め取る。そのまま二人がいる地上へと着地して先生と力比べ。捕縛布がギチギチと嫌な音を立てる。「Hey,イレイザー。そのドライアイでどこまで頑張るつもりだ?言っとくが、個性が戻ったら最大音量ブチかましてやるぜ」眦を眇めて挑発的に言えば動いたのは爆豪くん。走り出して個性を使ってマイクと一気に距離を詰める。「やめろ、爆豪!」先生の焦ったような声。でも爆豪くんは右手を大きく振りかぶって爆破を、とした瞬間にマイクが「そう来ると思ったぜ、バッボーイ」って言ってポケットに手を突っ込み取り出した小瓶の蓋を片手で開けて、爆豪くんの顔の前に中身を撒く。「Good night」嗅ぎ覚えのある甘い匂いに目を見開いてももう遅くて、爆破が消えてガクリと体が倒れこむ。それを長い腕で抱えるマイク。「爆豪!」後ろで先生が叫びながら地面を蹴って爆豪くんを取り返そうとするけれど「らしくないわね、イレイザー。後ろがガラ空きよ」って伸びてきた手に腕を取られて「貴方もよい夢を」なんて甘い声と香り。振り返ってミッドナイトを睨みつけながら、そのうち膝をつく先生。眠ってしまった二人を見届けながら、またマイクが電話。「イレイザーヘッド、並びに爆豪も無事に確保しました」
んん、と唸って目が覚めるとそこは病室で。側にはマイクとミッドナイト。「起きたかよ。気分は?」「……変な夢を見た」「そうかい」言いながらマイクがナースコール押して、簡単な診察。名前やヒーロー名、年齢、住所などの個人情報を何度も聞かれて。もう大丈夫と医者からのお墨付きを貰えば塚内さんと一人の青年が病室に入ってくる。入ってきた途端に顔面真っ青にして土下座せんばかりに謝ってくる。謝るばかりで話が読めないのでマイクの方を見れば「そいつの個性が暴走して、消太のマンション中の人間が個性事故にあったんだよ。他の住人はすぐに確保して個性が解けるまで眠り香で眠ってもらってる」聞けば、人生のif物語を作る個性。今の人生からかけ離れた別の人生を一定時間経験し、その経験を生かして将来の夢や方向性を見つける。普段はそういう悩める人向けの事業に携わっているそう。「ちなみに確保に一番手間取ったのは消太だからな!?そのスキル持ったままの指名手配犯設定とか勘弁してくれ」夜中中走り回ったんだからなと騒ぐマイクに適当に謝って、それから青年と塚内さんと話をして、二人は出て行った。同時に今まで静かだったミッドナイトがベッドに腰掛けて、わざとらしく絡みついてくる。「……なんですか」なんだか嫌な予感がして胡乱げに見れば、にんまりと笑うミッドナイト。「私の睡眠を邪魔したんだから、それなりの対価を貰わないと気が済まないのよ」ねぇイレイザー、と言いながらマイクをチラリと見て、隣のベッドのカーテンを開けてもらう。そこで眠っているのは爆豪くんで。あ、クソ、人質設定は勝手に自分が見た夢じゃなかったのかと頭を抱える先生。「なぁあんで、あぁんな夜中にこの子と二人でいたのかしら?」「ちなみにさっき言い忘れたけど、体の一部がくっ付いて個性に掛けられた二人は同じif物語の中に入り込めるらしいぜ」「マイク!」これ以上余計なことを言うなと睨んでもマイクは素知らぬ顔。ミッドナイトはぐいぐい近寄ってきて、胸が腕に押し付けられる。「体の一部!?体の一部って何処よ!?ねぇイレイザーってば!教えなさい!」「断固黙秘します!」「恋愛とか結婚とか興味ありませんって顔してるくせにこんな若い子、っていうか元教え子に手出しちゃって!どういう経緯でどこまでいったのよ!ちゃんと言いなさい!」「黙秘します!」「告白は消太からだぜ」「なんですって!?」「マイク!!」先生が怒鳴っても、べぇっと舌を出すマイク。「俺だって叩き起こされて夜中に走り回されたからな」「だからそれは俺のせいじゃ…!」「そんなことはどうでもいいのよ!どこが好きなのこの子の!ちゅーは!?ちゅーはしたの!?」「黙 秘 し ま す ! !」騒ぐ大人三人の声に、爆豪くんが唸りながら起き始める。その声を聞きつけたミッドナイトは先生を放り出して爆豪くんの方に行く。「あ、こら!」止めても止まらない私的な事情聴取は、全てを供述するまて続いたそう。
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まだ相爆未満)
ここ数日、UAのデスクワークが立て込んでいたのと、担当している事件が大詰めになってきたことであまり眠れていない先生。眠ろうと思っても気が昂っていて寝付きが悪いし、眠れたと思ったらすぐに朝が来る。でもそろそろ終わりが見えてきたからもうひと踏ん張りだと、職員室の自分の椅子に座って伸びをしていたら爆豪くんがやって来る。そういえば今日の日直だった。今回もきっちりと書いてくれている日誌を受け取って、気を付けて帰りなさいと言えば、じいと見られる。「アンタ顔色悪くねぇか?」「……アンタじゃなくて」「せんせー顔色悪くねぇか?」「敬語にはならなかったか」「残念だな」ニヤリと笑いながらも心配そうな瞳。「ちょっと仕事が立て込んでるだけだ。俺の心配するくらいなら上鳴と芦戸に勉強でも教えてやってくれ」「ンで俺が」「切島が、お前の教え方が上手かったと言っていたからな。まぁでもお前の教え方が上手くてもあの二人相手じゃ無理か」「ざっけんな!余裕だわ!満点取らせてやらァ!」「よし頼んだ」あの二人の補講が無くなればちょっとでも余裕ができるぞとか考えながら、先生が爆豪くんの肩を叩く。爆豪くんはケッ!と言いながら帰ろうとして、足を止めてこっちに来る。「どうした?まだ何か用事で、も……は?」近くまで来たと思ったら両手が伸びてきて頭を抱き寄せられる。ぎゅっと力が込められて、ふにふにと胸の部分に顔が当たる。疲れと睡眠不足とあまりにも急な出来事に急停止する先生。それを気にかけることなく爆豪くんは先生のボサボサの髪の毛を撫でて物凄く小さい声で「よしよし」って言う。最後にあやすようにポンポンと叩かれて手を体が離れる。「せんせー。さよーなら」何事もなかったようにそう言って爆豪くんは職員室を出て行った。ポカンとしている先生は「………あ、さよーなら……」が精一杯。何分か固まってからバッと勢いよく振り返る。一部始終を見ていて同じように固まっていたマイクが「NO!NO!NO!俺に話を振るんじゃねぇ!」って先に首を振ったけど「なんだ今のは!?なぁマイク!なんだ!?」ってパニックな先生はお構いなしに食って掛かる。胸倉掴まれて前後にブンブン振り回されるマイクが「へ、へるぷみぃー!」って叫んだところでオルマイやブラドが入ってきて、これ以上話を広げたくなかった先生は一旦冷静にと落ち着こうとするけれど落ち着けるわけがなくて。行動の意味が分からないし、誰にでもしてんじゃねぇだろうななんて心配になって。で、約束通り赤点常連組の二人に勉強を教えてくれたらしく珍しく居残り勉強が無くなって空いた時間に爆豪くんを呼び出す先生。お互い椅子に座って「爆豪、この前の、その、アレは、」と切り出す。「? アレ?」「いや、だから、あの、職員室で…」「職員室……あぁ、アレか」「そう、アレだ」「チッ。わざわざ進路指導室になんか呼び出すから何事かと思ったら」「あぁ、いや、すまん」「ったく」なんて、ハァと息を吐いて向かいに座っていた爆豪くんがやって来る。そして「しゃーねーなぁ」って言ってまた先生の頭をぎゅっと抱き締める。「爆豪待て、そうじゃない!」って慌てるけどお構いなく頭を撫でて「よしよし」って言ってる。なんかもう一周回って冷静になってきた先生はそのままで「これは一体なんなんだ」って聞けば「あ?ババァがクソ親父によくしてんだよ。これしてもらったら疲れが取れるって言ってた」それは愛がある二人がやるから疲れが取れるのであって、誰彼構わずやっていい技じゃないんだぞと言いたかったけれど、粗暴な態度をとることが多い子どもが一生懸命自分を癒そうとしていることに疲れ切っている胸がじんとしちゃって言えない先生。それどころか今までに嗅いだことがないタイプの甘い匂いと、顔に当たる柔らかい感触にうっかり三秒ほど意識が飛んでいて焦る。慌てて爆豪くんを引き剥がせば「もういいんかよ」って言われる。うんうんと頷けば「あ、そ。んじゃあまぁ俺ァ帰る。また疲れた時は言えや」ってあっさりと進路指導室を出て行ったので、一人残された先生は「…あ、オネガイシマス……」って呟いて、それから、いやだからそうじゃない!って我に返るけどもう遅くて。なんだかんだありながらこれがルーティーン化してしまうようなお話が見たい。いつかちゃんと理解した爆豪くんは全力で恥ずかしがる。
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相爆|大人)
ソファで眠っていた先生に「せんせー、起きろよ」って声を掛けたのは爆豪くん。なかなか起きない自分の肩を叩いたり揺すったり。やっと重たい瞼が持ち上げて「ん、なんだ…?」って言えば「はよ起きろ。いつまで寝てんだコラ」って言って軽く頬をぺちぺち叩かれる。「んん、もう少し…あぁそうだ、いっしょにねるか」なんてのんびりした声で言って手を伸ばす。腕を掴んで引っ張って無理やり自分の上に乗せたら「オイ!てめ、起きろや…!!」なんて暴れ始めた爆豪くん。いつもなら嬉しそうにくっついてきて、すり寄ってくるくせに。なんで今日はそんなに頑ななんだなんてムッとして。ギャンギャン怒る顔を両手で挟むように掴んで。キスしてしまえ、なんて顔を寄せたら「おっさんマジでいい加減にしろよ。頭吹き飛ばしてやろうか、アァ!?」って全握力で顔面を真正面から掴まれる。流石に痛くて目が覚めたところで後ろから聞こえる堪えるような笑い声。勢いよく振り返れば精一杯笑いを堪えているミッドナイトと、あーあやっちまったななんて呑気に眺めてるマイクと、見ちゃいけないもの見ちゃったってアワアワしてるオルマイ。ザッと血の気が引いたところでミッドナイトが堪えきれずに大笑い。涙流してひいひい言いながら「あっ、あなたって、そんな甘え方、するんですね…ぷぷぷっ!」とか言うものだから今度は顔が真っ赤になる。よくよく見ればここは爆豪くんと同棲しているマンションではなくてUAの仮眠室だし、帰りのホームルームの時間。「あっ、いや、これは、いや、その……!」珍しく慌てふためく先生の姿にマイクはもう言い訳なんて出来ねぇよと苦笑い。上に乗ってた爆豪くんはするりと降りて「用事終わったし帰る。うちの所長に書類はちゃんと渡しとく」と仮眠室を出て行く。「か、ば、ばくご、待て…っ」って先生が呼びとめたら振り向いて「アンタの今日のご飯全部激辛にしてやるから心して帰って来いよ」なんていつも以上に目を吊り上げて、かっぴらいて額に血管浮き上がらせて、指の骨をバキバキ鳴らしながら言うから「はい……」って言うしかない先生。寝惚けていたとはいえ、爆豪くんの声ひとつでオフモードになっちゃう先生は可愛い。(このあとちゃんと帰りのホームルームした)
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[chapter:AIBK LOG6]
まだまだ相爆未満|大人)
いい歳だし珍しい個性の持ち主なんだからそろそろ結婚して子どもをって、親からも協会からも校長からも事あるごとに言われるようになった先生は結婚というワードに過敏になってしまう程に面倒くさく思ってる。適当にスルーしているんだけど結構みんな鬱陶しいくらいに言ってくるのでストレスフル。マイクが可哀想に思うレベルになってきた頃、出先で大型敵と遭遇。対応していると、この区画の担当だった爆心地もやって来て、確保した後に「久しぶりだな、元気にしてるか」とご挨拶。卒業してから初めて会ったから「背が伸びたな」とか「アンタは相変わらずその格好なんだな」とか当たり障りのないことを喋って。そしたら大型敵から先生が守ったお店の人がお礼にやって来て、二人に広告やらパンフレットやらを渡す。「特別価格でご案内しますので、何かありましたらぜひ!もしもうお済でしたらご友人様にお譲りください」と言われて中を見れば結婚情報誌。どうやら式場やプランなどの相談を主に請け負ってる会社だったらしい。(こんなところでも“結婚”か)とひっそり苦笑い。流石にスタッフの目の前で嫌な顔する訳にもいかず、丁重にお断りしていれば、隣の爆心地が親の仇かってくらいの怖い顔でパンフレットを睨み付けてる。スタッフがいなくなった後に「ケッ!どいつもこいつも結婚、結婚ってうるせぇ」って吐き捨てていたので思わずシンパシーを感じて「爆豪、近々飲みに行かないか」って誘う先生。「あ?」って急に誘われて困惑してる爆心地をよそに連絡先を交換して「じゃあまた連絡する」って現場をあとにする先生。「なんだ、あれ」ってポカンとされているのは気付いていない先生。
後日連絡を取り合って一緒に飲むことに。居酒屋の個室でゆっくりと話していれば、爆豪くんは事務所の先輩後輩が結婚ラッシュらしく、お前も早くしろよと事あるごとに言われるらしい。とうとう皆がいる前で所長にも言われてしまっていっそう強く言われるようになったとか。「今は結婚にメリット感じねぇし、ましてやガキまで考えられっかよ」「わかる」「つうかこんな不定期且つ拘束時間の長ぇ仕事に就いてて呑気に恋愛してる暇あるわけねぇだろうが」「わかる」「プロヒーローってだけで寄ってくるような女に興味も持てねぇし」「わかる」「あとちょっと返事しないだけで、私に興味ないのかって聞いてくる奴ァどういう神経してんだよ」「わかる」「わかるしか言ってねぇな。酔ってんのか」「まだ酔ってない」って感じで話して、盛り上がって、二人で程よく酔っぱらって。「いっそ適当に結婚して適当に離婚するか」とか先生が言えば「やめとけ。アンタの財産いいように全部取られて終わりだぜ」って爆豪くんが笑う。「金はその気になればいくらでも稼げる」「だろうなァ。一回アンタの料金見たけど設定がエグイな」「……なんで知ってんだ。マイクにも言ってないぞ」「うちの所長の管理の甘さを怒れや」「あー。そう言えば一回依頼受けたっけか」同じ悩みと愚痴を抱えた者同士楽しくなっちゃって「お前みたいな性格の奴と結婚したら楽そうだな」って言う先生。「確かにアンタみてぇに合理的主義な女なら楽そうだ」って答える爆豪くん。「俺はメッセージの返信が無くても気にしない」「俺は自分の稼ぎがあっからアンタの財産に興味ねぇ」ここから悪ノリが始まる二人。「自慢じゃないが家事は一切出来ん」「知ってる。逆に俺はなんでも出来る」「才能マンだな」「体のこと考えれば自炊の方が良いんだよ」「でも金はあるからマンションでも一軒家でも買える」「一軒家いいな。庭で家庭菜園」「セキュリティ考えればマンションの方が良くないか?」「じゃあベランダが広いマンションにしようぜ。プランターでやれる程度のもんを育てる」「家に帰らない日の方が多い」「寮もあるし、そりゃそうだろ。俺は一人の時間が欲しいからちょうどいい」この後も色々話をして、帰るころにはマンションの候補が二つまで絞れて、家具の色や配置、二人で暮らす約束事まで決まってて「お前みたいな女がいればいいのに」「アンタみてぇな奴がいればいいのに」って二人して馬鹿らしくなって解散。
次の日。お酒が残った体で寮で寝ていたらドンドンって乱暴にドアを叩かれて、無視していればマイクが勝手に入ってくる。「ショータこれってお前だろ!?どういうことだよ!説明しろ!」って言われて無理矢理見せられたスマホの画面。映し出されたSNSには見知らぬ女性の投稿。『爆心地が年上の男の人と結婚するらしくて色々計画立ててる!』って文章と共に一枚の写真。明らかに監視カメラの映像を写真撮ってる感じだけど、しっかりばっちり映ってる爆豪くんと先生。一瞬で目が覚めて飛び起きて「なんだ、これは!?」って怒鳴ってマイクに詰め寄るも、別の画面のスマホを無言で見せられる。このSNSの投稿がネットニュースになって、ホットワードランキングの上位は爆心地関係で占めていて、教え子たちのSNSは見事に沈黙。「違う!これは違うからな、マイク!」「なんだよ付き合ってる奴がいるなら俺にくらい相談してくれたっていいんじゃねーの?」「だから違う!」「別に元教え子とか同性とか気にしねーよ、俺は」「だから!」「ショータ!」「なんだよ!」「結婚式の司会進行は任せろよ!盛り上げてみせるぜ!イェア!!」「聞け!!」怒鳴っても説明してもマイクは信じてくれないし、後ろでこっそり見てたミドナイやブラドにも「やっぱり付き合ってるんだ…」みないな生温い目で見られる。で、スマホに爆豪くんから着信。電話に出れば向こうも同じようなことになっているらしく、しかも記者に追い掛け回されてると。事務所にもいっぱいいるとかで、来ないように言われたらしい。先生はマイク引っ張って車の運転させて迎えに行く。無事に回収して先生のアパートに。流れでマイクも一緒に連れ込んで、三人で話し合い。「酔ってたとは言えあんな場所であんな話をして悪かった」って先生は謝るし「いや俺もつい熱が入っちまって」って爆豪くんも申し訳なさそう。まだ二人が付き合ってると信じてるマイクが首を傾げてたので昨日の話をすれば、呼吸困難になるくらい笑う。「よくもまぁ酔ってたとは言え、そんなに現実的且つ合理的なプラン建てたな!」って言われて項垂れる二人。で、そんな二人を見てマイクが「いっそのこと結婚すればいいんじゃねぇの?」って。勿論二人とも「ハァ!?」ってなるけど「別に今時同性のパートナーとか珍しくねぇし、それにこれだけの事を詳しく、喧嘩もせず、すんなりと決められる相手ってなかなかいないと思うけど?」って言われて「確かに」ってちょっと納得。「お互い結婚する気も相手を見つける気もなくて、今の結婚しろって言われる状況が嫌なら、パートナーになっちまえよ。合理的虚偽結婚なんてショータらしいぜ」とまで言われてお互い顔を見合わせて「どうする?」「いや、そっちこそどうなんだよ」って言って、暫く見つめ合ったまま考え込んで「…結婚してみるか、俺と」って先生が言えば「俺ァやるなら全力だからな。適当に結婚して適当に離婚するのは許さねぇぞ」って言う爆豪くん。先生は「知ってる。本当にするなら合理的且つ円滑に事を進めるよ」って真剣に。爆豪くんはちょっと笑いながら「住むマンションは決まってるようなもんだしな」って。「あと毎月お互いに出すお金も家具も約束事も、家庭菜園の野菜も決まってるぞ」「ピーマン確定な」「それは苦手だからやめてくれって言っただろ」「だから、俺の青椒肉絲食ってみろって言っただろうが」悩んでた風な割には結婚を前提とした二人の会話をマイクが間に入って止める。「で、どーすんだよ」聞けば「決まってんだろ」って似たような顔で笑う二人。その日の午後には爆豪くんのご両親にご挨拶にいったし、次の日には先生の家にも行って、その次の日には爆心地の結婚が世間に大々的に発表される……っていう好きじゃない同士の相と爆が結婚後に相爆になるまでのお話
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相爆|大人)
朝から些細なことで喧嘩したお二人。喧嘩しても「行ってらっしゃい!!」「行ってきます!!」っていう挨拶は怒りながらもちゃんとして、お互い仕事をこなしていく。爆豪くんは早く帰れる日だったので、ちょっとした仕返しを計画しながら家に帰る。先生が帰ってきてないことを確認してまずは料理。急に暑くなったので、あっさりとしたものを好んでいるけれどこってり味の牛丼を作る。脂身だって多めだ、ざまぁみろ。それから今度はお風呂。先生が苦手だという甘ったるい香りの入浴剤を規定の倍入れる。結構匂う。自分が終わった後に入浴剤を入れればよかったなぁと後悔。次は洗濯物。自分の分はいつも通り畳んで片付けて、先生の分は畳まずに先生の部屋へ。綺麗にベッドメイクされたそこに乱雑に置いて、甘ったるい入浴剤の香りがする自分の体をその上に。皺になったって知ったことか。この匂いが全部移ればいい。『先生ってばいい歳なのに可愛い匂いさせちゃって恥ずかしい』とかなんとか今受け持っている女子高生に言われてしまえ。恥ずかしいだろ、ざまぁみろ!先生のコスチュームやアンダーウェアの上でゴロゴロ転がって匂いつけて。そのうち仕事が疲れていたのもあって眠っちゃう。で、夜中に帰って来た先生。朝は喧嘩して腹立ってたけど流石にクールダウン。それよりも疲れたので爆豪くんで癒されたい。「ただいま」静かに鍵を開けてリビングに行くも爆豪くんは居ない。明日も仕事だし寝てしまったかと肩を落としながら自分の部屋に荷物を置きに行って電気をつけた途端に「あああぁ………」って思わず両手で目を覆う。可愛すぎて目がやられるとか本気で思うくらいには疲れてる先生。(朝から喧嘩して怒ってたくせに人のベッドで寝て、…しかもあれ俺のコスチューム抱えてんのか?は?可愛いが過ぎるだろ。一体どういう教育受けてきたんだ犯すぞ)って愛しさ余ってキレてる。目を覆った時に持ってた荷物は落としちゃってドサドサって音がしたから爆豪くんが起きる。でもよっぽど眠いらしくて起き上がろうとはしない。「んん、しょーたさ……?」って呼ばれたので「ただいま。俺の部屋で寝てたの?」って頭撫でながら言えば、爆豪くんは暫く考えて「くふふふ」って笑う。「きょうは、しょーたさんに、いじわるしたから、かくごしろよ」「意地悪?」「ん。ごはんも、ふろも、いじわるしたからな。おれぁおこってんだ」先生が自分の意地悪に『これは参った』となってるところを想像してるのかニヤニヤ笑ってるけど目はあいてなくて、寝ぼけてる時のようにコスチュームに擦り寄る。「あまいにおい、あんたには、にあわねーだろ」これも意地悪の一環らしい。察した先生は「困ったなぁ」と困っていない声で言って「他の意地悪もちゃんと受け取るよ。今朝はごめんね、俺が悪かった」って謝れば満足気に「ん!」って言ったと思ったら本格的に寝ちゃう。荷物置いて部屋の電気消してキッチンへ。冷蔵庫を開けると牛丼が。(あぁ成る程。意地悪ってこういう…)ここ最近冷しゃぶサラダや麺類を欲していた自分の胃には厳しいかもしれない。(でも大葉の混ぜ込みご飯だし、柚子大根の漬物もある。味噌汁も、これはどちらかと言えば出汁がメインのスープだな)冷蔵庫の中で隠れるようにして置かれていた大根おろしも牛丼用だろうと踏む先生。(意地悪が意地悪になってなってないんだよな。みみっち……真面目だから)美味しく全部いただいて、洗い物も済ませて、お風呂へ。今度はなんの意地悪だろうと期待しながら入ったのに、特に何もなくて、首を傾げながら体を拭いていればいつもと少し違う匂いがした気がしてゴミ箱を覗く。入浴剤の袋がいっぱい捨てられていた。(…これか)そういえば張られていた湯の色が濃かった気がする。(匂い攻撃は風呂からだったのか。……アイツ今の季節と自分の匂いは頭からすっかり抜けてんだろうなぁ)夏はいくらクーラーで温度管理していても暑い。暑ければ発汗量が増える。一般人にとなればそれは汗臭くなるけれど、爆豪くんはニトロの匂いが倍増するタイプ。他の季節と比べて至る所に残り香があって、それは当然先生にもうつる。先生の鼻は発汗量が増えてすぐに慣れてしまっているからあまり気にならないけど、受け持ってる生徒からはこの時期になると毎年香水をつけているのかとよく聞かれる。先生汗臭い、なんて顔を顰めて言われるよりマシなので不満を持ったことはない。爆豪くんが仕掛けた意地悪は全部空回りになってしまったけれど、明日の朝は大人しく降参ポーズを取るとしよう。満足気にうんうんと頷く爆豪くんはきっと可愛い。それからもう一回きちんと謝って、次の休みは心行くまで買い物に付き合おうと決める。爆豪くんが眠るベッドに潜り込む先生。まだコスチューム抱き締めていたのでポイっと捨てて体をねじ込む。爆豪くんが起きて「かんねんしたんか」って夢うつつに聞いてくるので「参りました」って言ってキスする先生。喧嘩しても結局平和なお二人。
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相爆|大人)
某テレビ番組の企画で家での様子をカメラに収めることになった爆豪くん。乗り気じゃないし、一人カメラに向かって話すのも嫌だし、別に話すこともないので適当にカメラセッティングしてキッチンで無言でご飯を作り始める。すると調理の途中で遠くから「ただいま」って声がして、爆豪くんが驚いた感じで「あ?今日帰って来ねぇんじゃなかったんか?」ってキッチンから姿を消す。ちなみに『※爆心地は先輩ヒーローとシェアハウスしています』ってテロップが入ってる。「予定がズレて明日が会議になったから早く帰れた」「メシは?」「食べてきた、けどなんかいい匂いがする」「ドライカレー」「辛い?」「辛くする味付けはまだ」「ちょっと欲しい。ある?」「ん」とか話ししながら戻って来て「カメラなんてどうしたんだ?」って聞かれて「テレビの企画」って答えたら「ふうん」とか言いながらセッティングしてたカメラを持つ先輩ヒーロー。「何やってんだよ」「カメラマン」「アンタが言うと怪しい感じがするな」「裏稼業?」「そうそう」ケケケって悪い顔で笑ってるのもバッチリ撮ってる。そこからは包丁捌きを撮ったり、たまに顔も撮ったり。(アイマスクだけ装着済)「料理のポイントとか言うんじゃないのかこういうのって」とか言われても「ねぇよ、別に」って爆豪くんは素っ気ない。けど「ないのか。いつも美味いのに」って言われるとちょっと照れた感じで「アンタなぁ……」カメラ睨む。これ以上余計なこと言うなよって顔してるけど、笑ってるだけの先輩ヒーロー。それからご飯が出来上がって、それを撮ってる先輩ヒーロー。でもずっとピンボケしてて「か(※本名のためピー音)近くは上手く撮れんから撮ってくれ」って普通に名前呼んでカメラ渡したので「名前呼んでんじゃねぇよ!」って怒られてる先輩ヒーロー。その後綺麗に撮れてる料理が映る。爆豪くんがご飯食べてる間もずっとカメラ回してて「美味い?」って言われて「俺が作ってんだから当たり前だわ」って、ついいつもの調子で笑っちゃう爆豪くん。「アンタ、メディア嫌いだろうが。ンな事してっと痛い目見るぞ」って忠告したのに「おっさんが爆心地撮ってる図なんざ、どうせボツだろ」なんて余裕綽々。でも『※全部使わせていただきました。byスタッフ』ってなってスタジオで「それ見たことか」って頭抱えてる爆豪くんとか見てみたい。そして先輩ヒーローとの日常を詳しく聞かれて困った爆豪くんに後で説教される先輩ヒーロー、もとい先生。先生は声だけの出演だけど爆心地ガチ勢には「あっもしかして……」ってバレてたらいい。
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[chapter:AIBK LOG7]
相爆未満)
登校中に人を助けて個性事故にあった爆豪くん。他の人の痛みを貰っちゃうらしくて、貰っちゃったのが生理痛。しかも二日目の激重のやつ。歩くのも苦痛だし、立ってるだけで脂汗でるし、自分にはない臓器が痛むので対処のしようも分からない。検索する余裕もないし字が頭に入ってこない。それでも学校を休むと言う選択肢はないので気合で歩いて学校に行く。遅刻ギリギリだったけどどうにか間に合った。動いたら蹲ってしまいそうなので出来る限り席から離れず、話しかけてこられても最低限しか返事をせず。今日ばかりは後ろの席の幼馴染みもどうでもよくて。というより考える余地が無い。時折やって来る腹痛が和らぐ瞬間にめいっぱい呼吸してはまた堪えるのみ。(早く今日が終われ)ってばかり考える。で、三時間目が終わってトイレに行こうと思った時に上鳴くんに絡まれて、便乗した峰田くんにも絡まれて。普段なら怒りのボルテージの半分も貯まらないような言葉が凄くイライラして怒鳴ったところで教室がシンとなっちゃって。「じょ、冗談だって…」って本気で怒りすぎて引き気味のクラスメイトの目線に頭の中がぐちゃぐちゃになって、胸の中で何かがつっかえて、息をしたら泣いてしまいそうなくらいに苦しくて辛くて。自分の感情がコントロール出来なくて爆発しそうな瞬間に名前を呼ばれる。声の主は先生で、教室を覗き込むようにして顔を出してる。「手伝って欲しい事がある。ちょっと来てくれ」って、ちょいちょいと手招きされて教室内の空気が嫌だったので早歩きで先生の方に向かう。廊下に出て戸を閉めても「なんだよ、もー!本気で怒るからビビっちまったじゃねぇかよ!」って嘆いてる峰田くんの声が聞こえてまたイライラしてたら先生に頭を掴まれて強制的に先生の方を向かされる。「こっちに来い」そのまま腕掴まれて、連れて行かれたのが保健室。誰もいないのに問答無用で中へと押しやられてベッドに向かう。そこに座っていれば先生が体温計を渡して来るので「熱なんかねぇわ」って言えば「そんな青白い顔で言っても信用ならんぞ」って返されて「取り敢えず測っとけ」って強制的に測ることに。でも痛みを貰っただけで自分の体自体は元気なので熱はない。「熱、ないから、教室に戻る」体温計を返しながら言えば「だめだ。暫く寝てなさい」って言われちゃう。でも折角頑張って学校まで辿り着いて、一人黙って堪えてたのに授業を休むのなんて嫌で、無視して出て行こうとすれば腕を掴まれたので振り払う。「何もねぇって言ってんだろうが!」って怒鳴っても先生は顔色一つ変えない。「いいから寝てなさい。寝て、気分が良くなったら戻るように」自分の言い分を聞いてくれないことが何故か物凄く悲しく思えて癇癪を起こしたように「うるせぇ!」って怒鳴って「大丈夫だって言ってんだろうが!何でもねぇんだよ!こんなんただの、」生理痛だって、そう言いかけて止めた途端に一気に腹痛が酷くなる。吐き気を催すほどに痛くて腹を抱えて蹲み込んだら先生も床に膝ついて背中を摩ってくれる。で、痛みが緩やかになるまで摩ってくれて、その間余計なことは言ってこない。爆豪くんが喋ってくれるのを待ってくれてて。上辺だけの心配とか優しい言葉より、待っててくるのが安心出来てついうっかり泣いてしまいそうになって。感情の揺れに酔ってしまって気持ち悪くて疲れて委ねてしまいたい欲が溢れて、ふっと体の力を抜く。それから「…生理痛、なんだよ」って怒鳴らずにボソッと言えば「どこかで個性事故にでもあったか」って言われて頷く。先生は「少しだけ我慢してくれ」って爆豪くんを持ち上げてベッドに。シャツのボタンを余分に外して、ベルト緩めて。何処かに行ったと思ったら、腰や腹を温めるように毛布をかけてくれる。効くかどうか分からないが、と言いつつ鎮痛剤も飲ませてくれて。寝る体勢は横向きで少し丸まって、背中や腰を摩ってくれる。「個性事故に遭った場合はちゃんと言えよ」って言われて「…ちゃんと把握しておかないと怒られるもんな、先生も大変だな」って突っ掛かるように答えちゃう。それでも先生は「怒られるとかそういう話はしていない。ただきちんと状況を理解していないとお前が辛いだろうが」って言ってくるのでまたうっかり泣きそうになる。別にこれが自分じゃなくても同じ事をして、同じ事を言うんだろうけど、今は自分だけを気にかけてくれているような感じに思えて沈んでいた心が浮上する。安心したら堪えてた涙がじわじわとこみ上げてきてポロッと溢れて、慌てて拭おうとすれば頭まですっぽりと布団をかけられて真っ暗になる。頭をポンポンと布団の上から叩かれて、また背中を摩られる。見ないように、見えないように気を遣ってくれたのだと気付いた時にはもう眠くて眠くて仕方なくてあっと言う間に夢の中。痛みでずっと強張っていた体は思った以上に疲れていたみたいで起きたら夕方が近いような時間帯。慌てて飛び起きたら先生がいたものだから更に驚く。「起きたか。気分はどうだ?」って聞かれて「ずっと居たんか?」って聞く。「流石に授業もあるからずっと居たわけじゃないが、」「そうだよな」ってまだ覚醒しきってない頭を振る。「少しは楽になったか?」「…ッス」「よかったよ。飯田に今日の授業分のノートを貸すよう言ってある。ちゃんと見とけよ。心配ないと思うが、なにか分からないことがあればすぐに聞くように」「ん」「あと四限目に小テストがあったらしいから、明日個別で受けるように」「ん」「何か質問は?」そう聞かれてぼんやりとしている頭でいろいろ考える。特に質問はない。けれど、ないと言ってしまったら先生が帰ってしまいそうで不安が膨れ上がった。だから思わず「あたま、もっかい」って先生を見て呟く。それ以上は何も言わずに。笑われるだろうか。子供みたいと思われるだろうか。鬱陶しいと溜息を吐かれるだろうか。馬鹿なことを言うなと言われるだろうか。不安がグルグルと胸の底で渦巻いて、でも先生を引き止める言葉がこれ以外に出てこなくて。短かな沈黙が辛くて思わず視線を逸らせば、わざとらしく乱暴な手付きで髪の毛を混ぜるように頭を撫でられた。「案外髪の毛柔らかいんだな」それから、手触りがいいからもう少し触ってもいいかって。分かり易すぎる優しさに甘えるように頷いて、わしわしと撫でられる頭が気持ち良くてそのうち目を閉じる。不安はいつの間にか霧散して心の隅にひとつ小さな火が灯ったような気分。それが何かは分からないけれど、撫でられている最中にリカバリーガールが入ってきてその日はそのまま帰ることに。次の日にはすっかりいつもの状態に戻っていて、昨日のことを思い出しては恥ずかしいような情けないような怒鳴り散らしたいような何とも言えない気分。自分の中で整理ができるまで先生と顔を合わせないようにと思ってたのに先生は朝から容赦なく話しかけてきたので「き、昨日のは全部忘れろッ」って言う爆豪くん。「はいはい。次からはちゃんと報告しろよ」ってあっさり離れていく先生の背中を思わず引き留めたくなって(生理痛はもうなくなったっつうのに)って首を傾げる爆豪くん。それからもちょこちょこ先生に話しかけたいような、でも視界に入りたくないような、やっぱり隣に行きたいような訳の分からない感情に振り回される爆豪くん。賢い子なのできっとそのうち理解する。
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相爆|大人)IQ2くらいのお話
爆豪くんの同期組の中でも面の良い面々がピックアップされて乙女ゲームアプリが配信されることになる。しかも声付き。最初は本人がって話だったけど全員あまりにも下手過ぎだったので良く似た声の方々が担当してくれることに。(cv.okmtさん)アプリも無事リリースされテレビやWEBでCMもされちゃってるから先生の耳にも入る。「お前がこういうの引き上げるの珍しいな」「事務所の奴らが勝手に引き受けてたんだわ。チッ、アイツら人で遊びやがって」でも意外とコンプライアンスしっかりしてるしストーリー的にマイナス評価になることはない感じ。だから爆豪くんも放置先生が「どれ、俺もしてみようか」なんて笑いながら言うもんだから「アンタにだけはされたくねぇわ」って却下する爆豪くん。それからずっと忙しくて二人の時間が取れず、爆豪くんは地方に出張に行っちゃう。先生も何だかんだと仕事が溜まってて忙しくしてて、ふと気付いたら三ヶ月くらいまともに声も聞いてなくて。(さみしい)って書類が散らばったデスクに突っ伏して思う先生。試しに電話掛けてみたけど留守電で、でもどうしても声が聴きたくて、そんな時に思い出したのが例のアプリ。似たような声の人が声をつけてくれていると言っても他人だからどうせ違和感があるだろとか思いつつ、藁にもすがる気持ちでダウンロードして起動させる。ストーリーがどうとか、絵や音楽がどうとか関係なくて、ひたすらチュートリアルを淡々と進めて爆豪くんルートへと進んでいく。やっと爆豪くんのターンがやってきての第一声。「!?」って一発で飛び起きる先生。似てるどころかそのもので、気が付けばウン万円課金して爆豪くんのストーリー進めてガチャも回しちゃう。爆豪くんが帰ってくるまでに公開されてる全ストーリーとシークレットまで全部終わらせて、すっかり心の拠り所。(何か凄かったな……)今ならアイドルに恋をする気持ちもわかるかも知れないなんて。で、爆豪くんが帰ってくる日。家で待ってたら帰ってきて、いつもは仕事終わりのラフな格好なのに用事でもあったのか綺麗目な服装で、髪の毛もセットしてて。「消太さん、ただいま。ちゃんと飯食ってたんかよ」なんて出迎えた玄関で言われて、ここ最近ずっと静止画の爆豪くんに心を奪われっぱなしだったので、動いてる上に機械を通してない本物の肉声でちゃんと自分の名前を呼んでくるものだから即キャパオーバーしちゃう先生。近付いてくる爆豪くんを手で制して、反対の手で自分の顔隠して、指の隙間からチラチラ伺いながら「ま、まて、それ以上近付くな、今は二次元くらいの距離がちょうどいい……!」なんて言うものだから察しのいい爆豪くんが「あ!アンタあのアプリやっただろ!」って怒る。「やんなっつってんだろうが!つうかアンタはアプリしなくたって俺の声聴き放題だろうが!なんならもっと凄ぇの聞いてんだろ!」「こら!今の俺とお前は純愛モードなんだ!全年齢向けなんだ!」「意味がわかんねぇんだよ!アプリ消せや!」「いやだ、折角コンプリートしたのに」「すんな!!」やいやい怒られても先生は距離を取り続けて、しばらく追いかけっこしてたらいい。先生はわりと大人気なく全力で逃げる。最終的に爆豪くんが先生捕まえて押し倒して「何ヶ月も離れてたんだから、ちゃんと構え」って言うんだけど先生は「そんなシークレットヴォイスがあるなんて聞いてない心臓痛いキラキラし過ぎ可愛い過ぎ」顔隠して言ってるものだから話にならない感じ。はーって長い溜息吐いちゃう爆豪くん。この日キスするまで三時間かかる。その後アプリは爆豪くんによって削除されるけどしれっと再インストールさせてる先生。
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相爆|大人)
「これほしい」って爆豪くんがスマホを見せて先生におねだりしたのが某有名ブランドのふわふわルームウェア。「いいよ。一週間分いる?」「そんないらねぇわ」「でもこれとか、こっちの色も似合いそうだ」「……やめろ俺が全部決める。今どっから見つけてきたんだよ、センスの欠片もねぇな、マジで」「えええ」とか言いつつなんだかんだと二人で選んで、でも先生独断の奇天烈な色合いは却下して無難なデザインを選ぶ。後日。いつから休んでないかも思い出せないくらい疲れ切った先生が夜帰ってくると、届いたルームウェアに身を包んでいる爆豪くん。(あ、かわいい)明日はやっと、本当の本当にやっとの休みだし今日くらい何にも考えず即物的に夜のお誘いしても許されるだろとか思いつつ抱き付こうとして手で制される。「先、風呂、早く」てっきり甘やかしてくれるのかと思えば冷たい。広げた両手はしょんぼりと下げて、大人しくお風呂に入る先生。ついうっかり湯船で眠ってて、途中で爆豪くんが扉の向こうから声を掛けてくれて助かった。ご飯は食べてきてたからダラダラと歯を磨いて、髪を乾かすなんて選択肢はなく、ようやっとリビングへ。ソファで雑誌読んでた爆豪くんに倒れ掛かるように抱き付けば「!?」って思わず起きちゃう。「これこんなに気持ちいいのか」言いながら両手で爆豪くんの体を全体的に触って質感を楽しむ。「想像以上だろ」「うん」「気に入ったんか?」「うん」「よし」もう一回抱き付いて、大きな体丸めて胸の所に顔を埋めて擦り寄っていく。そういえば頑なにフロントジッパータイプのものは嫌だと言っていたなと思い出して、あぁなんだそういうことかってちょっと笑う。では遠慮なく甘えて堪能させてもらおうって、擽ったそうにしてても容赦なく楽しむ。ケタケタ笑って、二人でソファに転がってじゃれ合うみたいにくっ付いて、もこもこした爆豪くんの手足に絡みつかれて得心して。「絶対ぇ髪乾かしてこねぇだろうなって思ってた」なんて全部お見通しの爆豪くんはドライヤーもタオルも用意済で寝転がったまま、それでも器用に髪の毛を乾かしてくれる。「あー……寝ちまう」「寝たらお姫様抱っこでもしてやろうか」「それは年上の威厳にかけてお断りだ」「ちっ」どうにか眠るのを堪えて、ドライヤーが終わったと同時に起き上がってさっさと爆豪くんを横抱きにして寝室へ。電気も消して温かい体に調度いい冷たさの布団の中に潜り込む。それからもこもこしてる爆豪くんに頭を抱えられるようにして寝る体勢に。腹とか胸とかに顔を存分に擦り寄せて大きく息を吐けば、疲れも相まって一瞬で落ちていく。でも、どうにか口を開いて「あした、ぜったい、ぬがせてやる」って言えば堪えきれないって感じで爆豪くんが笑った。それから「いやされた」って伝えれば、もこもこにぎゅうぎゅうされる。「お疲れ、せんせ」明日はサービスしてやっからゆっくり寝ろ、というのが眠りの淵で聞こえたものだから口に出せないようなとんでもないえっちな夢見ちゃった先生。朝起きた瞬間にちょっとビビったくらいのやつ。寝起きで動転しつつ爆豪くんに話せば正夢になったそうです。
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相爆|大人)
急遽頼まれごとされちゃって自分の部屋で作業してる先生。すぐに終わるようなものなんだけど爆豪くんとゆっくり一緒にお酒飲んでお話してた時間を中断してやってるものだからいつもの倍ぐらいのスピードでやっつけていく。すると酔っ払い爆豪くんがやって来て背中にくっついてくる。「もう終わるから」って言っても離れる様子はなくて寧ろ擦り寄ってくる。服の中に手を入れて腹やら背中やら触ったり、おろしてた髪の毛結んだり。そのうち肩に顎乗せて至近距離で先生見つめながら顎を触る。雑多に生えた髭を指先で弄りながら「これ、あとで俺に剃らせて」って言うから「んー、今のお前は酔っ払いだから怖いな」って苦笑いの先生。「そんな酔ってねぇから大丈夫だって」「酔ってんだろ、手が熱い」「どうしてもだめなんか」先生が渋ってたら爆豪くんが耳元に唇を寄せる。ちゅう、って耳朶に吸い付いて「消太さんの髭剃らせてくれたら俺のあれも剃っていい」って言う爆豪くん。ビックリして手が止まる先生。「いいの、……って、酔い過ぎだぞ」思わず飛び付きそうになったけど、振り返ればとろんとした眠そうな目と目が合って。どうせ酔っ払いの戯言だって気付いて嗜めるように言えば「酔ってねぇと言えねぇことだってあるんだって」とか言うので期待しちゃう先生。「本当にしていいのか?」「その代わり消太さんの髭剃りたい。俺の好きなやつにしてみてぇ」「そんなもんいつでもしていい」「じゃあ俺のだっていい」俺のことも消太さんが好きなようにしていい、なんて追い討ちをかけるように言ってくるので今までにないスピードで作業を終わらせていく先生。「おお、はやくなったじゃねぇか」なんてケタケタ笑って更にくっついて色んなところにキスする爆豪くん。剃るだけじゃなくて舐めるし食ってやるからなって色々計画しながらグルグル喉鳴らす先生。途中、爆豪くんが「便所」ってふらふらっと部屋出て行ったっきり帰ってこなくなる。嫌な予感がしつつも余計なことを考える余裕なんてなく先生は兎に角仕事全部終わらせて大股でリビングまで戻って、炬燵でぬくぬくと眠ってる爆豪くん見つける。「酔っ払いの言うことなんざもう二度と信じねぇからな!覚えてろ!」って半泣きで叫びながらも炬燵から引きずり出してちゃんとベッドに運ぶ。不貞腐れてるので自分も一緒に
入り込んで苦しそうに唸ろうと関係なくぎゅうぎゅうに抱きしめて眠る。次の日起きたら「風呂まだだったのにベッドで寝てんじゃねぇわ!」って何も覚えてない爆豪くんに怒られたので「じゅあ今から風呂入るぞ」ってお風呂に強制連行して有言実行するしさせるし、ありとあらゆるところ気が済むまで舐めてしゃぶって食って泣かせちゃう。そしてまた怒られる。そんな休日のお二人。
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相爆+女子組|大人)
先生との関係知ってる大人女子組。爆豪くん込みの女子会するときは「お借りしまーす♡」ってメッセージ送る。先生は「はい」って短いしか返事しない。でも女子会の途中で写真やらメッセージやら送れば秒で既読付く。「心配ならそういえばいいのにね」って何気なく芦戸さんが爆豪くんに言えば「偶々だろ。あの人そういう心配とか嫉妬とかしねーんだよ」ってグラスに口をつけながら何でもないように言って。横顔がちょっと寂しそうだったので少し考えてから「そういう顔してる爆豪は好きじゃない」とか言い出す。「別にテメーに好かれようが嫌われようがどうだって、」って怒鳴ってるのをスルーして耳郎ちゃんと梅雨ちゃんを爆豪くんの両隣に設置。「はい!自然な感じで飲んで、近寄って!梅雨ちゃんちょっと爆豪の腕に手を添えて!」なんて最早監督のように仕切って写真を色んな角度から撮りまくる。角度のせいも相まってすごくいい感じに距離が縮まってて雰囲気良く見える写真になって、速攻で先生に送る芦戸ちゃん。勿論その一枚だけじゃなくて他の写真もフェイク用に何枚か一緒に。するとまた秒で既読が付いて、一分しない内に爆豪くんのスマホに先生から着信。飲み会やお出かけの時に電話してくることなど滅多とないので慌ててれば芦戸さんが「ほら早く」って急かしてその場で電話に出ちゃう爆豪くん。皆は凄くお静かになってる。電話の内容は急ぎのものかと思いきやどうでもいいことで。インスタントコーヒーの粉って何処だっけとか、もしかしたら雨が降るかもしれないような気がするけど傘持ってるかとか。そんな全く重要性を感じない電話は初めてだったから戸惑ってるけど周りの女子は何故か満足気で朗らかな感じ。最終『お前も男なんだからあんまりくっ付つくとセクハラ扱いされるから気を付けろよ』なんて忠告されて電話を切った。「先生は何と?」と聞いてきた八百万さんに促されるまま先生からの言葉を口にすれば耳郎ちゃんには「ご馳走様」なんて言われちゃう。訳がわからないって顔してれば「先生は私たちと爆豪ちゃんがくっついていたから焦ったのよ」「そうそう。で、焦って電話したはいいものの何言っていいんか分からへん!ってなって」「特に急いでもないようなことを仰ってたんですわ」「何歳になっても青春だねー!」なんて口々に言われて呆けてた顔が真っ赤になっていく。芦戸ちゃんが「先生って意外と大人気ないしヤキモチやきだと思うな」あとすっごい爆豪のこと大好きだよね、なんて続けるものだから「っ、くっだらねーことやってんじゃねぇわ!見んな!笑うな!クソがっ!!」って怒るけど嬉しそうにしちゃってる爆豪くん。その日は予定より少し早く帰っちゃう。家に帰ると先生はやっぱり大人の顔してたけど皆に言われたことが気になってよく観察してたらいつも以上にくっついて歩いてくるし、あんなに聞いてきてたくせに珈琲は飲んでないし、天気予報では降水確率0%だし、ちょっとだけ不安そうな顔して今日のこと聞いてくるし。思わず話の途中で顔を覆ってニヤニヤしちゃう爆豪くん。「え、ど、どうした、話の続きは、おい、おいって、かつき」途中で止めた話の先に何があったのか気になって慌てる先生はどう見たって大人じゃなくて、なんだちゃんとヤキモチ妬いてくれて心配して余裕なく好きでいてくれてるんだなって実感して堪えきれずに声出して笑っちゃう。一頻り笑って「アンタって俺のこと好きなんだな」って「なんか消太さんが可愛く思えてきた」って。「なんだよそれ」って不貞腐れてる顔してる先生をお誘いして寝室に向かう二人。
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相爆|大人)
「かっこいいからはらたつ」ダン、って空になった缶チューハイ机の上に置いて、真っ赤な顔で据わった目で向かいの先生に訴える酔っ払い爆豪くん。「はらたつ。むかつく。なんだよ今の笑い方。ふっ…て感じでわらうんじゃねぇよ。ふざけんな、かっこいいっつうのいい加減りかいしろ」言いながらぺしょんと机に突っ伏して、炬燵の中に更に入り込んでいきつつ、おでこを擦り付けてる。かっこいい、かっこいい、って唸っててそれを見た先生が溜め息。自分のスマホ取り出して「見ろ、おまえはかわいい、せかいいちだ」って爆豪くんの寝顔の写真を見せながら言い出したのでこっちも相当な酔っ払い。「かわいくねぇわ、眼科いけや」「かわいい。おまえこそ自分のかわいさをりかいしろ」「にらむんじゃねぇ。そのかおには弱ぇんだからな」「そっくりそのまま返すからな。涙目でこっちみんな、やりたくなる」「ん、こえ、ひくくすんじゃねぇわ、ひきょうだ」とか言い合って、先生は酔っ払って重たそうな体で這うようにのそのそと場所を移動して爆豪くんの方にやって来たと思ったらぎゅうぎゅう抱き締めてキスして「この目がかわいい」とか「ほっぺたうまそう」とか言って色んなところがぶがぶ噛んじゃう。耳も食べちゃって、そうすれば可愛らしい反応が返ってくるので更に調子に乗っていく先生。爆豪くんも負けじと先生の首筋に噛み付いたり背中とか腰回りとかの筋肉触って「からだ、ぶあついの、すき、はらたつけど」とか「においすき」とか色々言ってお互いがお互いに惚気て擦り寄って。酔いも回ってるので終始ヘラヘラ笑ってる。髭痛いとか言いながらもお互い顔を擦り寄せてその内ラグの上に転がって、机の上の空き缶が転げようと気にせず炬燵の中に潜り込んで一瞬で眠っちゃう。次の日起きたら、お互い自分が言ったことは覚えてないけど言われたことだけは覚えてて妙に照れちゃって、でも昨日のことを蒸し返すことが出来ずにソワソワしちゃうお二人。
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相→←爆|大人)流血表現あり。ハピエン。
「昔、俺に告白してきたこと覚えてるか」なんて唐突に始まった会話に「それ、いま、言うことか」って呆れながらどうにか顔を先生の方へと向ける。柔らかさのない、所々抉れて原型を為していない地面の上に二人転がって、もう指の一本だって動かしたくないくらいに疲れてる。お互い泥だらけ土埃まみれ血塗れで、動かした首がギシギシ軋む。少し離れたところには今回の現場の親玉が気を失っている。二人して並んで地面にぶっ倒れる前に捕縛布でこれでもかと拘束したので多分もう動くことはないだろう。「今なら冗談として聞き流してやるって言っただろ」「続けんのかよ」大部分を破損してしまった左の篭手を外してまだ使える右はそのまま。アイマスクを持ち上げようとしたけど気が緩んだせいか痛みで腕が持ち上がらない。先生も同じで体が傷みだしたんだろう。ゴーグルすら外してない。「あれ、まだ有効か?」「何年前の、話だと、思ってんだ」「やっぱり他にいい人が出来たか」「…」「そうか」そうだよな、なんてひどく寂しそうに言うもんだから、体中どこもかしこも痛いのに体を引き摺って先生の方へと近寄ってうつ伏せになって顔を覗き込んだ。血がこびり付いてるゴーグルを乱暴にズラすと目が合った。「…いい大人が泣いてんじゃねぇわ」「個性使い過ぎただけだって」「うそつけ」二人とも頬に青痣があったり、目の上が切れてて瞼が持ち上がってなかったり、全体的に血で汚れていたりと散々な顔だったけど目があったらそれだけでちょっと安心する爆豪くん。「泣くくらい好きなら、冗談にしてやるなんて言うんじゃねぇよ」「すまん」「やっぱ泣いてんじゃねぇか」「あ、ちがう」「もうおせぇ」取り繕おうとする先生に呆れて爆豪くんはそのまま体を沈める。肩のあたりに擦り寄れば血の匂いが強く混じってるけど先生の匂いが仄かにした。遠くで聞こえていたヒーローたちの声が近くなってくる。「やっぱりこんな状況にならないと何も言えない男は駄目だな。全部忘れてくれ」って言ってるので「駄目じゃねぇ」って言う。先生の言葉を待たずに「全然駄目じゃねぇ。遅くもねぇ。俺は今だってアンタが好きだし、あの言葉を撤回してくれるっつうなら、俺は、」嬉しい、なんて素直に伝えてみる。でも先生からの返事を大人しく待っていても全然返ってこなくて、ふと嫌な予感がして体を持ち上げる。いつの間にか気を失ってた先生の顔色はさっき見た時より悪くて呼吸が弱くてこちらの心臓が止まりそうだった。「――オイッ!!目ェ閉じんな、起きろ!!」って怒鳴ってもピクリとも動かなくて、そのタイミングでやって来た他のヒーローの手を借りて先生を救急車へと搬送する。「一度ならず二度までも俺の告白無駄にしやがったらタダじゃおかねぇからなッ!」って怒鳴って走り出した救急車を見送った後に爆豪くんもぶっ倒れた。
「――……っつうことがあったんだわ」「目が覚めて一発目に聞く話じゃないなそれは」勘弁してくださいって血色の良くなった顔を更に真っ赤にさせて、しかし両腕点滴に繋がれているため隠すことも出来ない先生。同じ日に入院した爆豪くんは若さゆえか回復が早くてもう動いても平気らしく、パイプ椅子に座って先生を見てはニヤニヤしてる。命の危機が無くなったことに安心した反動でのちょっとした意地悪。「んで、どうすんだよ」「なにが?」「結局アンタ気ィ失っちまったから結論出てねぇんだよ」まだ好きだっていったら付き合ってくれんのって聞けば渋い顔して「お前の告白を冗談で処理した男だぞ」「どうせ俺が高校生だったからだろ」「……しかもあんな状況にならないと決意が固まらないような男だ」「そのくせフラれたら泣くような男だしな」「……」「拗ねんな、いい大人だろうが」ケケケケって笑う爆豪くんと、下唇を突き出して拗ねた顔の先生。一頻り笑って、いいんだよ、って言う爆豪くん。「そういうところも可愛いと思っちまったし、それでもまだ好きだからいいんだよ」その代り、と続ける。「さっさと怪我治さねぇと俺ァ先に退院して何処にでも行っちまうぞ」って動けない先生の頬を突いて「はよ治して大人らしく格好つけてデートにでも誘いにこいや」って笑う。速攻で治して誘いに行くって意気込む先生に期待しねぇで待ってるって爆豪くん。その後開き直った先生にこれでもかと愛でられる。
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相爆|大人)
見た目で判断するのは良くない、と分かっていてもどうしたって第一印象の約半分は見た目で決まってしまう。だから「先生ってなんか作れる料理ってあんの?つうか包丁握ったことあんの」って真面目に聞いてしまうくらいには先生は料理が出来るようには見えない。先生は、失礼だなとか言いながらキッチンに立つ。「なんか作ってくれんの?」「まぁ見てろ」ふふんと得意げな先生は冷蔵庫からじゃがいも、人参を取り出してピーラーじゃなくて包丁で皮を剥き始める。爆豪くんの目がまん丸になるくらい手際が良くて、皮は薄くて。「すげぇ。そんなん出来んのか」「まだ若い頃に、捜査の一環で昔ながらの洋食屋さんでしばらくお世話になってたんだよ。短い期間だったけど、こういう下拵えは嫌というほど身についた」あと、そうだな、オムレツも作れる。なんて言うものだから爆豪くんはそそくさとフライパンと卵とバターを用意する。期待してます、ってオーラが凄いので苦笑いしながらも先生はオムレツを作ることに。久しぶりだけどやってみれば案外手が覚えてた。形も火の通り具合も申し分なくて、出来上がったものを皿に移す。「どうだ」それなりに出来るだろと胸を張れば、うんうんと頷いて分かりやすくキュンキュンしてくれているので、可愛いなってつられてキュンキュンしてる先生。でも「……で、こっから何作るんだよ」って言われて、うっと言葉に詰まる先生。そして両肩を掴んで「俺はお前が作るカレーが一番好きだよ」って言う。「……もしかしなくても皮剥きとオムレツ以外は出来ねぇのか!」キュンキュン状態は解除されて目を吊り上げて声を荒げる爆豪くん。「今日はカレー作る予定じゃなかったんだからな!?ルーぐらいは自分で買って来い!」「それでも作ってくれるお前が好きだよ」「調子いいこと言ってんじゃねぇわ!はよ行け!」しこたま怒られつつも無事にカレーが出来上がって食べるお二人。そして、あんなに怒ってたのに、先生がいるときは野菜の皮剥きを頼むようになった爆豪くん。包丁扱ってる先生をとても気に入った模様。
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相と爆♀とミドナイ)
入寮してすぐの頃。いつ見回り行っても共有スペースにいないかっちゃんを気にかけて部屋に様子見に行く先生。ノックしたらすぐに出てきて「なんだよ」って聞いてくるのはいつも通りなんだけど、黒のタンクトップの下は明らかに何もつけてなくて一瞬固まる先生。その日は適当に話して終わって。次の日の見回りはミドナイ。行ったら偶々お風呂上がりのかっちゃんが居て、それ見て「あらあら」って笑ってかっちゃん捕まえて「ねぇ、今週末ちょっと付き合いなさいよ」ってお誘い。嫌がるかっちゃんと強制的に約束して週末にお買い物しに行く。道中ミドナイが「もしかして下着ってあんまり好きじゃない?」って聞けば「窮屈で嫌い」って言うかっちゃん。「コスチューム専用のは付けてるんでしょ?」「あれはそんなに窮屈じゃねぇし」「普段の下着もちゃんとしたもの着ければ大丈夫よ」なんて話しながら下着屋さんに行ってキョロキョロしてるかっちゃんの背中押して店員さんにサイズ測ってもらって、素材とかもこだわって、レースとか可愛い要素は控え目に。制服の下でも透けない色とか助言してもらって4セット買ってみる。お金はミドナイが「いいのいいの!気にしないで」ってニヤニヤしながら払ってくれた。他にもミドナイの買い物に付き合いつつかっちゃんの部屋着も幾つか買って、カフェで一休み。「なんで急に私を誘ってきたんだよ」ってかっちゃんが聞けば「流石がに年頃の男を前にあの格好は刺激が強すぎると思ったし、自分でも分かってて部屋に閉じこもってたんでしょ?」「別に見られても、」「大丈夫だったのは、今までいいお友達が周りにいて気を遣ってくれたからじゃない?男の子か、女の子かは知らないけど」でも入寮しちゃったら色々と危なくなっちゃうものよ、ってミドナイが笑う。「今日のこと他の子にはあまり言わないでね」「わかった」「下着はちゃんと大切に使ってね」「ん」「他にも分からないことがあれば私に聞いてくれていいわ。男の担任には言えないこともあるでしょ」「ん。……なぁ今度は自分で買うっつったら、また一緒に来てくれんの?」「勿論」ランチも一緒にしましょ、って言われて、まだ碌に一人で外出できないかっちゃんが嬉しそうに頷く。結局ランチも奢ってもらってしまって、落ち着かない感じだったかっちゃんにミドナイは「いーのいーの。お金余っちゃってたからちょうど良かったわ」って言って、おっとって口元隠して、意味深に笑って学校に帰る。ミドナイの言葉の意味は分からなかったし、その日の夜に共有スペースで他の男子と一緒に寛いでたら見回りに来た先生がホッとしたような顔してるのも暫く意味が分からなかった。それから定期的にミドナイに自分の体のこと相談するかっちゃんとか良き。先生よりミドナイにコスチュームのサイズの相談して、デザイン変更の書類が回ってくる度にミドナイにお礼を言いに行く先生。
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相←爆)
放課後。「なぁなぁ。誰かキスしたことある?」なんて昨日のドラマを思い出しながら聞くかみなりくん。課題のプリントやってた手は止まってる。同じプリントをやってて先に終わったきりしまくんも、サボらないような監視役してたせろくんも「まだ」って首を横に振る。「そっか。かっちゃんは!?」鞄持って今にも帰ろうと出入り口のところにいる爆豪くんに声を掛ける。「うるせぇ。どうでもいいからさっさと終わらせろや!」「……先帰るとか言っておきながら待ってくれてんの、素直じゃないっていうかなんていうか」「帰る」「わー!うそまってあと一問だから!!」「だったらくっだらねぇこと聞いてねぇではよやれや!」ぎゃあっと怒鳴った爆豪くんに大きく頷いてやろうとしたら、ひょこっと廊下から覗き込むようにして現れた先生。「そろそろ下校時間だぞ。さっさと帰れ」何やってんだ、って隣の爆豪くんに聞く先生。「英語の課題。下校までに提出しなきゃなんねぇんだけどアホ面だけ終わってねぇんだよ」「先生!あと一問!あと一問だから!待って!」「俺に言われても知らん」いいから早く帰れよって睨みを利かせてくるので泣きそうなかみなりくん助けようとせろくんが「先生はキスしたことありますよね?」なんて言い出した。はぁ?って怪訝な顔の先生に「今後の参考までに何か助言ください」って重ねて言って指で最後の一問の部分をトントンと叩く。今のうちにって合図が伝わったかみなりくんは大慌てで取り掛かって、唐突な質問の意図が分かった先生も仕方なく付き合う。でも「助言か、……ないな」それで終わり。「ええぇ…、そう言わずに」「本当にない。あんなもんパッとすればすぐ終わる」「その、パッと、が絶対に難しいやつですよね」苦笑いのせろくんと、興味津々っぽいきりしまくん。爆豪くんは興味無さげにそっぽ向いてる。先生は顎髭掻いて、ううんと唸る。「いっそ難しいくらいが教えやすいんだがな」って言って、隣の爆豪くんに手を伸ばす。爆豪くんが抵抗する暇もなく距離を詰められて、頬を掴まれて、あっという間に上を向かされて。先生の顔が文字通り目と鼻の先。当然キスされることはなかったけど、あと数センチでくっつくくらいの距離。あんぐりと口が開いてるせろくんときりしまくん。真面目にプリントやってたかみなりくんは見えず先生は「な、簡単だろ?」なんて。「え、なに、なになに、えっえっ」ってキョロキョロしてるかみなりくんに誰も答えることなく固まってて、先生は「あと十分待ってやるからさっさと帰れよ、マセガキ共」ってあっさり帰っちゃう。数秒して「〜〜〜〜っあんの野郎!!!!」って復活した爆豪くんが小さく爆破させながら怒鳴って後を追う。すぐに追い付いて背中を掴む。来ると分かってた先生は、なんだ、なんて聞かずに振り返って悪い顔。「ずりぃことしてんじゃねぇわ!」大きい声で怒って、それから小さい声で「俺が告白したからあんな意地悪すんのかよ」って言う。迷惑かけたくないから返事はいらないって言ったのに。付き合えなんて言わなかったのに。歯を食いしばって傷ついてる顔してるから、先生は両手でわしわしと頭を撫でて「意地悪くらいさせろ」って「狡いのはお前だよ。俺は言いたくてもまだ言えないんだから、これくらい許してくれ」って困った顔で笑う先生。自覚ありの両片思い。
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相爆+耳|大人)
仕事がうまくいってない上にモブ上司から夜のお誘いを受けて追い詰められてる耳郎ちゃんと、既に独立している爆豪くんのお話。
※ほんのりですが、モブによるセiクiハiラ・パiワiハiラ案件なので苦手な方はご遠慮ください。
よく利用してるサポートアイテムの会社の創立記念パーティーにお呼ばれした爆豪くん。ホテルを貸し切った大々的なパーティーは大勢の人が行き来していて、必要最低限の挨拶周りも出来たからと中心から外れて一息。
すると遠くに耳郎ちゃんを見つける。姿を見るのは随分と久しぶり。
事務所の上司っぽい男にあれこれと指示されて忙しそうに歩き回っている足は、高いヒールのせいで上手く動いてない。靴もドレスもコスチュームからかけ離れていて趣味がいいとは言えない。ああいうのが好きだっただろうか。顔色も良くなくて元気がないように見えた。
なんとなく気になってしまって目で追っていたら別方向から知り合いに話しかけられてしまって、話をしているうちに耳郎ちゃんを見失う。
まぁ別に同期というだけでわざわざ話をするほどのものでもないしとか色々考えて、折を見て帰ろうとしたんだけどどうにも耳郎ちゃんの様子が頭の隅に引っ掛かってしまって踵を返す。
一通り会場内を散策していなかったらそれでいいと思って歩き回って姿が見えなかったので帰ろうとしたら、さっきの上司っぽい男が部下に荒々しい言葉で怒鳴るようにして耳郎ちゃんを探してた。聞けば、どうやらこの男が所長らしい。自分も褒められた言葉遣いではないけれどあまりいい気分のしない下卑た言葉を遣っているので気分が悪い。
耳郎ちゃんを探す足を早めて、それから会場から離れたロビーの一番隅っこで小さくなって座ってる背中を見付た。
爆豪くんはそのまま近付いて何も言わずにどかっと隣に座って足を組む。耳郎ちゃんは目をまん丸にして驚いてる。
「ビッ、クリした、なに、爆豪も来てたんだ」「……」
「あ、そうだ、先月事務所設立一周年だったんでしょ? 上鳴から聞いた。おめでと」
「……」
「やっぱ凄いよね。っていうか事務所設立も早過ぎ。今年のビルボードチャートだってトップ10確実らしいじゃん」
「……」
「凄いなぁ」
耳郎ちゃんは落ち着いたテンションで、それでもいつもよりベラベラと喋ってて。爆豪くんは何も言わずにずっと聞いて。
それから会話が途切れた瞬間に「それ、なんだ」って聞く。目だけでチラッと見たのは耳郎ちゃんが両手で握り締めてるカードキーとメッセージカードで、力が入り過ぎてるのか手が震えてる。
「あー……」
誤魔化そうとしてるのか、自分からは言いたくないのか、耳郎ちゃんは口端をヒクつかせながら爆豪くんとは反対の方へと顔を背けて
「……どうせ、聞かなくても分かってんでしょ」
って言う。
「あの図体でけぇだけの品のねぇ所長からか」
「暴言。相変わらず」
ははって笑ってるけど本当に笑ってないのくらいは分かるから「行くぞ」って立ち上がる。
握りしめてたカードキーとメッセージカードは奪って耳郎ちゃんを肩に担ぐ。二人が座ってたソファ耳郎ちゃんに似合ってない悪趣味な色合いのピンヒールも脱がせて放る。どうせこれも耳郎ちゃんのものじゃないだろうと踏んでる。
「ちょっ、待って、離してってば……!!」
って慌ててる耳郎ちゃんの言葉には耳も貸さず、さっさとホテルを出てタクシーを捕まえる。耳郎ちゃんは爆豪くんの背中を叩いたり、下ろしてって言ったりしてるものだから周囲からの視線も痛い。
「こんなことしてるとまたあることないこと言われるよ…ッ!」
って噛み付いてくる耳郎ちゃんをタクシーに詰め込んで運転手に住所を言ってホテルから離れて行く。
「モブに何言われようと俺の知ったことじゃねぇわ。そのまま騒いでろ。ちょうど良い」
「ハァ!?なにが、」
耳郎ちゃんの言葉にそれ以上返すことなく爆豪くんは電話掛け始めて、今から帰るだの、用意してほしいものがあるだのいろんなところに電話しては言ってて。
そうしてるうちに爆豪くんのマンションに辿り着いて、タクシーには待ってもらうように言ってから耳郎ちゃんを担ぐ。
その頃にはもう元気がなくて、どうしようって弱気にポツリと零してる。
爆豪くんは自分を部屋の扉を開けて「ただいま」って言いながら耳郎ちゃんをリビングまで運んで、耳郎ちゃんは人のいる気配に驚いて。
さらに「驚いたな」っていう懐かしい声に驚いて担がれてることも忘れて勢いよく声の方向を向く。
「え、ぁ、うそ、あ、あいざわ、せん、なん、で」
って言葉も息も詰まって体が固まった耳郎ちゃんをソファに下ろす爆豪くん。
「俺に言えねぇなら先生に言え」
って言ったかと思うとそのまま玄関へと向かおうとする。
先生が「出かけるのか」って言えば「仕事。いってきます」って言う爆豪くん。それ以上は何も言わずに出て行ってしまう。
二人になった広い部屋で、コスチューム姿の先生が耳郎ちゃんに歩み寄る。ソファに座ってる耳郎ちゃんの隣に座るのではなくて、真正面。適度に距離を取る。目線を合わすようにしゃがんで、担任だった頃と変わらない声で「耳郎、何があったか言えるか」って聞いてくれる。
入学したときは怖いとも思ったことがある目が優しいことはもうずっと前から知っていて。危害を加えるような人でもないことも知っていて。
たった一言で高校生に戻った気分になった耳郎ちゃんは「せんせ、」って縋るように呼んで、震えないように奥歯を噛み締めて、それでもポロポロと涙を零し始めて話し始める。
卒業してから務めていた事務所がだめになって紹介してもらって新しい事務所に移籍したこと。
そこの所長に何故かひどく気に入られてしまったこと。
はぐらかしていれば冷たく当たられるようになったこと。
周りのSKは見て見ぬふりだったこと。
それでもヒーローは辞めたくなくて新しいところも探しているのに所長に邪魔されてしまうこと。
周りの道を塞がれていく上で今日所長が個人的に取っていた部屋のカードキーを渡されたこと。
ことわらないとと思っても声が出なかったこと。
話してるうちに泣き声が大きくなって、涙がとまらなくて、悔しくて、悲しくて。ヒーローとして強くありたいのにこんなことで泣いてしまう自分も嫌で、いっそう泣けてきて。
「ウチ、こんな、…っ、なさけ、ない……ッ」
ヒーローなのにって。ひぐ、って喉を引き攣らせて叫ぶようにして言えば、情けなくないよと言われる。
「ヒーローだからと言って常に強く居る必要はない」
って先生にゆっくりと諭される。
「お前だって泣いたっていいし、助けを求めてもいいんだよ。怖かったな、もう大丈夫だ」
心配することはないと言われてハッとする。爆豪くんが出て行った玄関を扉を追いかけるようにして見れば、
「大丈夫。その所長を早々に爆破するなんてことはしないよ。あの子ももう大人で、責任者だからな」
後のことは爆豪に任せなさい、と言われてティッシュを渡される。
大泣きしたし、擦ったしでメイクはもう崩れてしまって酷い有様だっただろうに、先生は揶揄ってくる事もない。高校の時ですらされなかったのに頭を撫でてくれた。大きくて、記憶しているよりも歳をとった手の平は温かくて体の力が抜けた。
それから「腹減ってないか?爆豪が作ってくれてた飯があるんだ。一緒に食べよう」って言われる。最近はずっと食欲がなくて体重も減ってしまってたからそんなに量は食べられないと思っていたのに、爆豪くんの筑前煮やお味噌汁が美味しくてご飯おかわりしちゃった耳郎ちゃん。
爆豪くんが帰ってきたのは朝方で、疲れ果てて眠っていた耳郎ちゃんは体を動かすことも目を開けることも出来なかったけれど、遠くで先生と爆豪くんが話してる内容だけは聞き取れた。
どうやらあの所長は爆破された方がいっそマシだったくらいの制裁を受けることになったらしい。事務所は別の誰かが引き継ぐようだ。
それから耳郎ちゃんは事務所を退所することになっていて、新しい移籍先は爆豪くんの事務所。勝手に決めないでよ、と思いながらもまた涙が滲んじゃって、ぐずっと鼻を鳴らした。
その後無事に移籍して引っ越しもして心機一転また一から頑張る耳郎ちゃん。時々二人のマンションで一緒にご飯食べるし、派閥組からは移籍したことを超絶羨ましがられる。
その後のその後。
ヒーローのくせに自分も守れないことを責められるのは怖いなと思っていたのに、蓋を開けてみればそんなことは一切なかった。
バッシングを受けたのは元所長と、それから爆豪くん。耳郎ちゃんを引き抜きたいから元所長を罠に嵌めたとか、あの夜爆豪くんが耳郎ちゃんを無理矢理ホテルから連れ出したことが目撃されていたから実は爆豪くんが耳郎ちゃんのことを好きで騙しているとか、本当に好き勝手に言われてる。騒いでる方がちょうど良い、とはこのことだったのかと気付く。
もうすぐビルボードチャートの発表なのにこのままでは支持率がグッと下がってランキングにも何かしらの影響があるかもしれない。それはいやだって心を決める耳郎ちゃん。
爆心地事務所の一員として出動したあとに複数の記者に囲まれて爆豪くんとの関係を聞かれた。いつもは爆豪くんがいれば蹴散らしてくれるのだけれど今日はいない。それを知ってか記者の数が多い。一台のカメラを指差して「これって生放送?」って聞けばうなずいたので「じゃあここで全部話します」って言う。
爆豪くんがあの日助けてくれなかったらどうなっていたか分からないと言うこと。凄く凄く感謝しているということ。恋愛感情など全くないということ。
自分はヒーローだけど元所長が怖かったということ。怖かったことを公に認めるのも怖くて、情けなくて、爆豪くんの優しさに甘えてしまって。世間からの声を聞きたくなくて自分に厳しい声が向かないことにホッとしてしまったこと。
そんな自分が大嫌いだということ。
「ウチは、今回こういうことがあったからこそ、もしウチと同じような目に遭ってるヒーローがいるなら爆心地がしてくれたように助けたい。話を聞いて、力になりたい」
それから。
「あと、あんまり事実と違うこと書くようならこっちにも考えがあるんで」
って言い切った。ニヤッと笑う悪い顔はすっかり爆豪くんにそっくりになってたとか。
「勝手なこと言っちゃってごめん」ってあとで爆豪くんに謝るけど「何も問題ねぇわ。つうかちゃんと策考えてんだろうな」って言って所長自らサポートしてくれる。
爆豪事務所に同期が入ってくるお話が大好きです。
[newpage]
[chapter:AIBK LOG R18]
相爆|大人|R18)
なんやかんやで喧嘩しつつもセッして、絶対に気持ち良くなってることを認めない爆豪くんVS絶対に認めさせたい先生っていうのが見たいなぁっていう小ネタ
爆豪くんは絶対に気持ちいいことを認めたくないので喘ぎ声も噛み殺してほしい。自分の両手で口押さえて「う゛ー!」って威嚇しながら体ピクピクさせてほしい。そんなに大事の喧嘩じゃないけど、ここまで来たら引くに引けない先生も割と全力で気持ち良くさせてほしい。爆豪くんの好きなところを出し惜しみなく責めていく。でも玩具は使わない。「ハッ!オモチャ使わねぇとイかせる自信ねぇんかよ!」って言われたくないから。(絶対言う)射精はどうにかこうにか自分で握ったり気を紛らわせるようなことして我慢したんだけど、その分お尻の感度上がっちゃって、指だけでメスイキさせられちゃった爆豪くん。先生は気付いてて「どうした、まさかイッたのか?気持ち良くないのに?冗談だろ?」とか煽る。当然の如く「イッてねぇわ!気持ち良くもねぇ!!」って怒る爆豪くん。「気持ち良くないなら続けていいよな?」って捕縛布で足も手もちんこも拘束してこれでもかと爆豪くんの弱点を弄って欲しい。「ずりぃ!」って何回も泣いて怒る爆豪くんに「お前が気持ちよさそうに善がるからだろ」って返す先生。連続でメスイキきめて腰ガクガクなって逃げたいのに逃げられないし、今更気持ちいいとも言えないしでもっと泣いちゃう爆豪くん見たい。お尻もちんこも訳わかんないくらい蕩けてんのにまだ「き、きもち、よく、ねぇわ……っ」って言える爆豪くんも見たい。「そうか。気持ちよさそうに見えるが、お前がそう言うなら気持ち良くないんだろうな。仕方ないな」って、じゃああとはこれしかないなって容赦なくちんこ挿れる先生も見たい。そのタイミングでちんこの捕縛解放する意地悪な先生も見たい。すぐに射精しちゃうし、ダラダラずっと垂れ流してるし、お尻でもイッちゃうしでパニックになる爆豪くんは絶対に可愛いな。でも、それでも気持ちいいって言わない爆豪くん欲しいな。「認めたらもっと気持ち良くなるぞ」って言われても首を横に振って「ぜってーいわねぇ!」って泣く爆豪くん。散々イッて失神する手前まで追い詰められたのに負けたくないって気持ちだけで言葉にはせず、先生が降参する。「かった…!!ざまぁみろ」って子どもみたいに笑うのでもうなんでもいいよ、可愛いしってなる先生。このあと気持ちいいって言えるようになって、気持ちが乗ったせいでいつも以上にイッちゃって前後不覚になる爆豪くん。ちなみに、これ気に入ったのか小さい喧嘩する度に気持ち良くないって言い張るセックスを何回かした。逆バージョンもある。先生の大好きなフェラしてんのに絶対に気持ちいいって認めない先生ってやつ。バッキバキに勃起してるちんこ物凄く焦らしながら挿れるやつ。
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相爆+ミッドナイト|R18)
大人二人が爆豪くんにスケベするのが凄く見たいんです。さんぴーっていいよねって話です。
※深いことは考えてないので考えないでください。
※ちんこ突っ込むのは先生の役目。
爆豪くん四つん這いにして、先生のちんこフェラさせて、ミッドナイトがお尻いじってるという構図がほんと好き。
「ふふふ、爆豪くんのお尻やぁらかいのね」
「だからってあんまり無茶させないでくださいよ」
「あなたのブツ突っ込んでる方が無茶なことでしょ」
「爪で引っ掻いたり傷付けたりしないようにってことです」
「そんなのは当たり前のことでしょー?爪だってちゃんと整えてきたわよ。ところでこの子はどこイジメられるのが好きなの?」
「もう少し手前の、…あぁその辺りです。腹側の方が少しザラついてるでしょう」
「んー、……あ、これかな」
とかって勝手に話進めてほしい。
前立腺とか、その周辺の襞の部分とかまだ手馴れていないミッドナイトの指でゴリゴリやられて喘ぎたいのに先生のちんこを喉奥まで突っ込まれてるから「ん゛ん゛ぅ、う゛…っ」って唸るだけになっちゃう。
あと先生にされるのと力加減もタイミングも違うから、予期が出来なくて、唐突に弱点突かれるとカウパーをビュクビュクって零しちゃう。
「かつき、あまり唸るな、響く」
「あら、やっぱりセックスの時は下の名前で呼んでるのね」
「その方が可愛らしくなるんで」
「私も呼んでいい?」
「怒ります」
「けちぃ」
ビクビク跳ねる爆豪くんのお尻と腰と、唸っている声の反応を見ながら段々とツボを突いていくミッドナイト。細い指で前立腺を包み込むようにして、小刻みに刺激を与え、そうかと思ったら強めに抉って。とうとう口に含んでたちんこを吐き出して、ひんひん啼き始める爆豪くん。
「あ゛ぁああ゛あ゛ーっ!!や、そこ強く、すんなぁ、あっ!!」
ボロボロ泣いて腰が下がっちゃうのを強制的に持ち上げて、「そう、ココそんなに好きなの」とか言って攻めてほしい。先生も容赦なく頬に唾液でドロドロになってるちんこ擦り付けて「ほら、早く咥えて」とか言ってほしい。
「むり、む、りぃ…っ!あ、いく、いくいく」
「イッちゃっていいの、爆豪くん。大好きな先生の指でもおちんちんでもない私の指で気持ちよくなっちゃうの?」
「ひぁ、う、あっあっ、だって、だっ、も、出る、ァ…!!な、ぁっ…しょうたさん、出ちまう…っ」
「ならちゃんと咥えて。こっちの口は俺のでいっぱいにして、かつき」
「ふぅ゛、ん、ん゛ん゛っ!!」
無理だっていう爆豪くんの口の中に指突っ込んで、開かせて、ちんこ突っ込んで。爆豪くんイきそうになっていっぱいいっぱいなのに、先生が腰振って出し入れさせるものだから涙と鼻水と唾液で顔ドロドロになって。
「エグいことしますね、イレイザー」
「指が細いからって三本入れて好き勝手に混ぜてるあなたに言われたくない」
って好き放題ヤる大人二人。
爆豪くんはそのまま体をガクガク痙攣させながらお尻だけで射精するし、先生の精液も遠慮なく流し込まれる。
それから「後ろからだったからイッたとこ見えなかったじゃない」ってミッドナイトが拗ねたので、仰向けにされてもう一回お尻だけで射精するまで気持ちいいところいっぱい擦られる。
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相爆未満|大人)
「5分間キスしないと出られない部屋」に入れられた二人。恋愛感情なし。モブ♀抱いたことある系の、たまには頭軽い系の二人。
UAを卒業して何年か経ってからたまたま偶然出会して、昔話や近況報告をするより前に個性事故で「5分間キスしないと出られない部屋」に入れられちゃう二人。時間は累計ではなく継続のものなので、一回でも唇が離れたら最初からってやつ。
二人とも特に急ぎの用はないけれど、こんな奇妙な部屋はとっとと出て行きたくて。まぁキスだけだしいいかなんて軽い考え。
一応先生は
「お前本当にいいのか…?」
って聞いてくれるけど
「別にファーストキスってわけじゃあるまいし。アンタとキスしたってどうも思わねえよ」
って鼻で笑う爆豪くん。
「あ、ファーストキスじゃないの」
「……アンタ俺のこといくつだと思ってんだ」
「にじゅう………に?」
「24だわ」
「え、もうそんななるのか」
「センセーもう40過ぎてんだろ?」
「いやいや。39だって」
とか他愛のない会話しつつお互い距離を詰める。
「立ったまま?」
「で、いーだろ。あ、歳とったら5分間立ってんの足腰にクるんか?」
「いや、俺じゃなくてお前の心配してんだけど」
「ハァ?俺の腰が抜けるとでも思ってんのか。テクニシャン気取りか、だせぇぞ、おっさん」
「そういうわけじゃないって」
爆豪くんは挑発的な感じを崩さないし、主導権握らせておくかと「じゃあはい、どうぞ」って言う先生。爆豪くんは先生の胸倉掴んで引き寄せてキスをする。色気もないただ唇がくっついただけのキス。
(あー……子どものキスって感じだなあ)
とか変な懐かしさに浸る先生。ついでに、多分だけどそんなに言うほどは経験ないんだろうなとか、2人くらいか年齢的に、とか勝手に考える。
で、余所事考えていたのがバレて、超至近距離でガン飛ばされる。
だから思わず唇を離して、
「どうせするなら、おっさんはもう少し情緒というものを大事にしたい」
「アンタの嗜好なんざ知るか」
「まぁまぁ。次は俺からな」
「勝手に順番制にすんじゃねぇよ」
でもまあいいや。アンタの情緒とやら教えてみろよセンセ?なんて眦を眇めて見上げてくるので(あ、その顔は悪くない)とか思っちゃう先生。
「じゃあ遠慮なく」
って腕を伸ばして爆豪くんを抱き締める。そんなことされるって思ってなかったようでビクッとなる。警戒心を解くようにポンポンと背中を叩いて、ぎゅうぎゅう抱きしめて。ツンツン尖ってる髪の毛にキスをして、滑らせるようにこめかみ、目尻、頬にもして。頬に手を添えて、おでこくっつけて。
「キス、するぞ」
って言えば、意識したのか赤くなる顔。でも目だけは負けん気たっぷりの強気な感じなので(そういうギャップには弱いから勘弁してくれ)なんて苦笑い。
「さっさとしろよ」
ってちょっと唇突き出してくるから、啄む感じで軽いキスを何度か繰り返す。ちゅっちゅって音立てて、頬に添えた手で頬を撫でる。もう一回目を合わせてから、本格的に唇を合わせる。自分よりふっくらとしてる唇を堪能するように角度変えて何回も味わって、ちゃんと鼻呼吸してるのを確認しつつ、段々と深いものにしていく。
頬だけじゃなくて耳も撫でて、耳孔を擽って。うっすらと開いた唇を舌先で突いて舐める。おずおずといった感じで開いたのでゆっくり舌を差し込んで。
ついでに、腰に回してた方の手を服の中に入れて、指先でツツーっと背骨を辿る。
「ンンッ…!?」
面白いくらいに体が跳ねてしまったので、その拍子に口が離れちゃう。初めからやり直し。
「ほら、離れたら出られないだろ。じっとしてなさい」
「っ、あ、アンタが変な触り方すっからだろうが!!」
「これも情緒というやつだよ。はいもう一回。こっちむいて」
「くそが…!」
「はいはい」
強引に腰を引き寄せてまたキスをして。今度は早々にディープキスへと持っていく。まだ警戒しているので悪戯はせずに、その代わり口の中を好き放題舐める。歯列も、舌も上顎も全部余すとこなくなめて、奥に引っ込んだ舌を絡みとって。
きちんと鼻呼吸出来ていたのが、口呼吸になって。はふはふって浅く短くなって、顔が赤らんで。その様子を薄めでこっそり観察。
爆豪くんは見られてるの気付いてない様子で必死に先生の舌に吸い付いてみるけど返り討ちにあって声が漏れちゃうレベル。そのうち爆豪くんの腕が首に回される。また距離が近づく。
(そろそろいいか)
なんてまた悪戯を始める先生。相変わらず腰パンしてるから、ちょっとズラすだけで見えちゃう尾てい骨で遊んで、腰骨を撫でて、指先だけで背中を擽って。呼吸に紛れて艶っぽい声が漏れ始めたから、こんなに敏感でよくもまぁ女抱けたなぁとか感心して。ついでにちょっと反応してる下半身に若いなぁとか年の差を感じたり。
「ばくごう、どうする…?」
もうすぐ5分たつけど。どうする?
唇はくっつけたままで聞いてみる先生。5分経ったら出られるから、そうするとキスはおしまい。でもまた離れたら、ゼロからスタート。
「どうする?」
どうしたい?もう少しする?
急ぐ用事もなければ、危害を加えられることもない。ただキスをするだけの部屋。終わらせるかどうかは爆豪くんに委ねる。そのくせ尻を揉んだり、シャツの上から胸を撫でたりしちゃう狡い先生。
爆豪くんはもう完全に喘ぎながらそれでも「〜〜〜っくそが!」って叫んで顔を離す。まだ5分はきてない。
「調子に乗ってんじゃねぇぞ、おっさん!」
「爆豪があんまりにも喘ぐから」
「ぶっ飛ばすぞ!ヒゲがチクチクいてぇから唸ってただけだわ!!」
「お前痛いと感じるタイプか?」
「……いくらアンタでも全力で爆破すんぞ」
「ごめんなさい」
すん、と目が据わったのですぐに謝る先生。さっきまでの艶っぽさはどこへやら。
でもキスを続けたいとは思ってくれているようで。それだけでテンション上がってる先生(ただし無表情)
(キスだけで盛り上がるとか俺もまだまだ若いねぇ)
とか考えてたら爆豪くんに腕を引っ張られて座らされる。すぐに乗っかってくる。首に腕を回されて、ニィと笑ってる爆豪くん。
「一回順番飛ばされてっからな。次は俺からな」
そう言ってキスを仕掛けてくる。当たってる下半身はわざとなんだろうかとか、なんかさっきより上手になってんのは俺の真似してんのか可愛いなとか悶々として出すもの出すまでヤッてほしい。(最後まではヤッてない)
部屋から出たあとは一気に冷静になってなんとも言えない距離感でいてほしいし(24とは言え元教え子になんということを…)とか(せ、せんせぇ相手になにやってんだよ、俺…しかも、あんな、あ、あ、え、喘いで……っ)とかグルグル考えて連絡先も交換せずにそーっと解散してほしい。
んで、ようやく気持ちが落ち着いた二週間後とかにUAに特別講師として急遽爆心地が来てほしい。珍しく動揺して取り乱してマイクに心配される先生。「なにやっとんだ…」って冷たい目で見るけど、何処と無くソワソワして落ち着きない爆心地。「はっはーん。こいつら何かあったな」って鋭いマイクとミッドナイト。
その二人が画策して飲み会が開催されるし、帰りは二人きりにされるし、なんだったらキスもして進展してほしい。
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相爆|R18)
こういうネタをやりたいなぁと細々書いてたメモが出て来たのでお恥ずかしながら晒してみます。1ツイート分くらいのちょっとした小ネタが6個です。
@メスイキスイッチが入っちゃってイくのが苦しいからって逃げる爆豪くんと、すっごく楽しそうにニヤリと笑って捕まえて突き上げる先生が好っ……き。逃げた先にあるのがベッドボードか壁しかなくて掴むところもなくて爪先でカリカリ引っ掻いてるのとか好き。よくある感じだけど好き。
Aセッに慣れてない時は終始ドキドキして顔真っ赤にして喘いで泣いてたのに、ちょっと慣れてきた頃に先生のベルト外してちんこ触る(撫でる)爆豪くん可愛い。超生意気な感じで「ふふん」って笑うので先生に完膚無きまでに啼かされるまでがセット。
B先生お仕事中。爆豪くんお風呂入ってお布団で寝転がって雑誌読んでる。暫くしたら先生が「ちょっと休憩」ってやって来てわざと覆いかぶさって来たので「重い」とかって文句言いつつそのままにしてたら、服越しのお尻にちんこ擦り寄せてくる先生。で、セッしようとか思っていなくてほんの悪戯で、軽い気持ちでやっただけなんだけど、爆豪くんが当たり前のように尻を持ち上げて受け入れるような体勢を取るから狼狽える先生(でもこのあとちゃんとセッした)
C焦らして、焦らして。いつもの三倍以上の時間かけてお尻慣らすというよりイジメられて。もうやだいいから挿れろってぐずぐず泣きながら訴えてくる爆豪くんと、じゃあそろそろ挿れようかとか言いながらも亀頭で縁を擦るだけでまだまだイジメる予定の先生。多分この爆豪くんはお尻の縁を擦られるだけでイッちゃう。
D立ちバックで散々突かれてイかされて、膝ガクガクしてるけど許してくれなくて。必死に目の前のものに捕まって立ってるんだけど、バキバキに勃起してる先生のちんこを何の前触れもなく、ずるんって引き抜かれたら腰が抜けちゃって床に蹲る爆豪くん。
E学生の頃からあわよくば先生と一線超えられないかと準備を怠らなかった爆豪くん。お尻どころかフェラの練習もしているのでそれに関しては自信があった爆豪くん。だから卒業して付き合ってから自信を持って披露するも先生のほうが上手でひんひん啼かされる爆豪くん。
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相爆とマイ爆|R18)
リーマンパロ。新入社員の爆豪くんと、大人のオモチャ作ってる相とマイの二人。
※相マイ相要素はカケラもありません。
※某会社の新入社員で勤続半年くらいの爆豪くん。友情出演、上鳴くん。
社食でお昼ご飯食べていて片付けようと席を立ったら見覚えのない男の人が近付いてくる。社員カードぶら下げてるから社員は社員だろうけど、なにやら無精髭が凄いし、絶対手入れしてないだろって感じの長い髪は肩くらいまであって。目つきも悪い。手ぶらだけど、周りは満席だからここの席を狙ってるのだろうと察してさっさと行こうとすると腕を掴まれる。
「…なんすか」
一応年上の先輩っぽいので怒鳴らずに聞いてみれば、不躾な感じで上から下までジロジロ見られる。
「なにか運動してたか?」
「は?」
「さっさと答えろ」
「……空手とか、まぁ色々」
「色々って?」
「主要な球技系は一通り全部。あと登山もやってる。水泳もそれなりに」
「なるほどな」
「で、なんすか」
聞いても答えてくれない一応先輩っぽい人。値踏みされるような視線はあまり好きじゃなくて思わず睨みつけてしまう。
「目の色が赤っぽいな。コンタクトか?」
「元々だわ」
「そうか。スポーツしてたわりに色も白い」
「焼けにくいんだよ。文句あっか」
段々とイライラしてきてそう言えば、
「いや、ない。理想に近い」
って真剣な顔で返ってきたので「ハァ!?」って大きい声が出た。動揺している間に首からぶら下げてた社員カード見られてふむふむと頷かれて、そうかと思ったら去っていく。残された爆豪くんは意味が分からないままで「なんだよあの不審者」って零す。
「あー、それ相澤さんじゃねぇ?」
休憩時間に話してた上鳴くんに昼の話をしたらそう言われた爆豪くん。
「あいざわさん」
「そ。地下にある商品開発二課の人。相澤さんと、あと山田さんがいる」
「商品開発課に二課があんのか」
「名ばかりの課だって言われてるけどねー。なんかやらかして左遷されたとかなんとか」
「左遷されてそうな面だもんな、ありゃあ」
「俺会ったことないや。山田さんはたまーに見かけるけど」
ふうん、とか相槌打ってたら、ぐいっと顔を寄せて小声で話始める上鳴くん。
「気を付けろよ爆豪。先輩から聞いたんだけど、夜になったら地下から呻き声が聞こえてくるらしい」
「呻き声だァ?」
「そ! 男だったり女だったり。それから変な機械音も聞こえるって。地下にはさ、商品開発二課しかないから、相澤さんと山田さんが何かやってるとは思うんだけど怖くて誰も近付けないって言ってた」
「へー」
怪奇現象ならちょっと興味あるんだけど、なんて呑気に考えてたら遠くから先輩に呼ばれる爆豪くん。見れば先輩の隣には件の相澤さん。
「げっ、相澤さん」
思いっきり顔を顰めた爆豪くんと「じゃ!健闘を祈る!」って走って逃げた上鳴くん。
アイツあとで覚えてろ、と舌打ちしながら相澤さんの元に向かう。
相澤さんの背中を追いかけるように地下へと降りていって、上鳴くんが言ってた商品開発二課に連れて来られる。表札とか何もなくて、コピー用紙に適当に印刷された紙を壁に貼ってるだけ。
「……本当に商品開発‘二課’なんだな」
「なんだ、うちのこと知ってたのか」
「いや、今日同僚から聞いたばっかり。アンタ左遷されたんだって?」
「あー、まだその噂は健在か」
「噂なんか」
「まぁどちらにせよ、お前には関係ないよ」
さぁ入って、と商品開発二課の扉が開く。
中は書類という書類が散乱してるし、物が多すぎて雑多としてる。なんか埃っぽい気もする。うげぇと顔を歪める爆豪くん。
「ひざしー。戻ったぞ、連れて来た」
言いながらパーテーションで仕切られた奥へと進む相澤さん。床にはもう必要ないものなのか書類が落ちているけれど関係なく踏んでいく。コツンと足先で蹴った何かは何処かへ飛んで行ったけれど見てもいない。そうやって失くしたものとか多そうだ。
(掃除してぇ…)
別に潔癖というわけでも、掃除好きというわけでもない。でもこの惨状だけは見過ごせない。あのコーヒーは干からびてるけどいつのだ。なぜパソコンにそんなに埃が積もっている。捨てたい。拭きたい。よくこんなところで居られるな。
なんて考えていたら、パーテーションの向こうから声がして上鳴くんが言っていたもう一人の商品開発二課、山田さんがひょっこりと出てきて、目を丸くした。
(山田がこんなにも似合わない奴いるんかよ)
サラサラとした長い金髪は地毛だろうか。緩くサイドで纏められている毛質は柔らかそう。なにより目を惹くのがエメラルドグリーンの瞳。身長は、随分と高いなと思っていた相澤さんより上をいく。二人が並んでいるだけで圧迫感が強い。
その山田さんが相澤さんと同じようにこちらをじいと見つめて、顎に手を添えている。
そして。
「Great!」
って叫んだと思ったらがっつりと抱き締められる爆豪くん。
「なっ、にすんだよ…!」
暴れてもビクともしないに余計腹が立つ。
「さっすが消太。すげぇイイコ連れてきたじゃん」
「社長の今までの人選がおかしかったんだよ」
「あれ絶対に面白がってたよな!?」
「だろうな」
爆豪くんそっちのけで二人で話しながら、相澤さんはなんかゴソゴソと用意してるし、山田さんはペタペタ体を触ってくる。
「爆豪くん、だっけ? 入社何年目? 年は?」
「今年入社、21」
「21ってことは短大か。スポーツやってた?」
「さっきも言ったわ」
「ソーリー。じゃあそれは消太から聞いておくよ」
今度は爆豪くんの顎を掴んで顔を左右に振って、色んな角度から顔を見てる。
「よし、全部揃った。ひざし、これ使え」
「はーい」
相澤さんが放り投げたメジャーを受け取って、
「じゃあちょっと脱いでみようか、爆豪くん」
なんて笑顔で行ってくる山田さん。
「……は? 脱ぐ?」
「そ。ちょっとした身体測定」
「なんで?」
「俺らの仕事に必要なんだよ。社長直々に爆豪くんの上司には許可貰ってるから。な? ちょっと手伝って?」
お願い、なんて言いながらもパッパとネクタイ外して、ワイシャツのボタン外していく山田さん。
何に使うかは知らないけど、見せられないようなだらしない体でもないし、男同士だし、上司に許可取ってるくらいだからちゃんとした仕事なんだろうって自分から服を脱ぐ。脱いだ服は一人がけのソファの背に引っ掛ける。
下着一枚になったところで順番に測定していく山田さん。身長と体重は自己申告。数値は相澤さんがメモして行ってる。
色んなところ測りながら話をして、たまに相澤さんも会話に参加しつつ、一通り終わったら服を着て。
「いいデータが取れたぜ。サンキュー」
「はぁ、まぁこれくらいは」
「じゃあ仕事に戻っていいぞ。帰り方はわかるな?」
「分かる、……ます」
「今更敬語使わなくてもいいぞ。好きに喋れ」
「…っす」
「俺も俺も。気ィ遣わなくていいからな、爆豪くん」
「呼び捨てでいい」
「オーケイ。じゃあ爆豪。お仕事頑張って」
人の良さそうな顔でにっこり笑ってヒラヒラと手を振る山田さんに見送られて外に出る。
相変わらず廊下は薄暗いし、肌寒い感じがするけど。何も知らなかった行き道より足は軽い。
(ンだよ、アホ面が言ってるような怖いところじゃねぇじゃねえかよ)
なんだったら話し上手な山田さんとの会話は楽しかったなとか思う爆豪くん。相澤さんも不審者っぽいけど仕事に真面目なだけなんだろうとか思う爆豪くん。
次の日、上司から暫く商品開発二課の方も手伝って欲しいと言われる。今の課ではまだ大きな仕事も任されていないし、切羽詰まっている案件もない。というより課自体が少し閑散期。
それを分かっていたので、暇よりいいと爆豪くんは快諾。今日は商品開発二課の方に行ってもいいぞと言われて、そうすることにする。
で、地下にやって来た爆豪くん。
ドアをノックすれば中から「入っていいよ」と山田さんの声。
「おはよーございます」
「Good morning!今日から宜しくな、爆豪」
出迎えてくれた山田さんに連れられて、昨日は行けなかったパーテーションの奥へと連れて行かれる。
そこはいっそう荒れ果ていて、隅っこには寝袋に入って寝てる相澤さん。隈は昨日より濃く見える。
「ちなみに消太はいつも寝袋で寝てるから踏まないように気を付けてくれな」
「いつも」
「イエス! その辺の床で寝てる」
「へ、へぇ…」
こんな雑然としてるところでよくもまぁ平気で寝られるなと顔を引きつらせて、自分の定位置であろうリクライニングチェアーにすわる山田さん。デスクに置かれたノートパソコンは電源が付いている。山田さんに相澤さんの席に座るよう勧められて座れば、ノートパソコンを操作しながら、
「爆豪は彼女いる?」
なんて聞かれる。首を振る。
「今まで付き合った人は?」
「いねぇ」
「わお、勿体ねぇな。格好いい顔してんのに」
「興味ある奴がいなかっただけだ」
入社してからこちら、何度も言われた言葉に嫌気がさす。まだ21なんだから彼女がいなくても焦ることなんてないし、人の勝手だろ放っとけとか思っちゃう爆豪くん。
「ってことはまだ童貞のまんまかー。……そうとなったらちょっと可哀想なような」
「アァ!? なんも可哀想じゃねぇわ!」
「ソーリーソーリー、こっちの話」
言いながらノートパソコンを爆豪くんのほうに向ける山田さん。
「実はさ、手伝ってほしいことっていうのがこういうことで」
「あ?」
カチ、とボタンを押したら始まる動画。なにかの商品のPVみたいな感じ。
なんだこれ、とか思ってじいっと見てたら、際どい下着を着けた女の人が喘ぎ始めて焦る爆豪くん。
最後に商品の紹介が始まって、所謂大人のオモチャのPVだったのだと気付く。
これだけでは何が何だか分からなくて山田さんを見れば、にっこり笑っている顔の横に登場したのがPVに出てたオモチャ。
それだけじゃなくて両手にこれでもかと色々持ってる。ローターとか有名どころは知っているけれど、なんだそのイボイボしてんのは。なんだその規格外みたいなデカさのナニは。
「今見た動画に出てたコレ、俺たちが作ってんの」
二人で、ここで、他にもこんなのとかいっぱい。
「しょ、商品開発、って、まさか……っ」
「That's right! もう4年くらい前になると思うんだけど、酔った勢いで二人で馬鹿みたいな企画書作って遊んでたら偶々社長の目に留まっちまって。あの人元々こっちの界隈の商売にも興味があったらしくて鶴の一声で商品開発二課が誕生したってわけ」
いやぁあの時は三徹してたし、酔ってたしで頭おかしかったな、なんて呑気に昔を思い出してる山田さん。
「4年間で結構な数をプロデュースして、社長と今度は男性版の大人のオモチャを作ろうかって話になって作ったはいいけどこれが本当に気持ちいいかどうか分かんないから……」
その先は聞いてはいけない気がしてバッと立ち上がった爆豪くん、と、それをうしろから捕まえた相澤さん。
「なっ!? て、てめ! 寝てたんじゃ…!?」
「最初から起きてたよ。おはよう」
「狸寝入りしてんじゃねぇ! つうか離せ!! 帰る!!」
「まぁそういうな。最後まで聞いていけ」
「誰が聞くか!」
暴れようとしたらデスクの方へと押し潰されて。ノートパソコンは山田さんが死守。
冷たいデスクに顔を押し付けられて、両手は後ろ手で組まされて相澤さんの体が乗っかって来る。脛を狙って蹴ろうとすれば躱される。うがぁ!と吼える爆豪くん。
「なぁ爆豪お願い! ちょっとだけ試させてくれよ?」
「断る! アンタら二人いるんだからお互いに試せばいいだろうが!!」
御尤もなことを言えば、
「何が悲しくて消太に使わなきゃいけねぇんだよ。そりゃないぜ、爆豪…」
「実験とは言え相手は選びたい」
と言うことで断固拒否な二人。
「で、これを社長にも言えば何人かモデル用意してくれたんだけど、これがまぁ全員ゴリラみたいと言うか変態親父みたいというか……」
山田さんが言いながら思い出したらしくて、身震いしている。よっぽど嫌だったらしい。
「社長が用意するのがそういうタイプの人間ばかりだったからな、社内でいい奴いないか探してたところだったんだ」
そうしたら社食にお前がいた、と相澤さん。
「心配するな。最初っからいきなりケツに何かぶっ刺すってわけじゃねぇんだ」
「そうそう。ちゃんと段階踏んでいくし、痛くはしない。例えば、そうだな……」
デスクに押し付けられたままの顔の近くにオモチャを並べていく山田さん。その中から一つ取ってしっかりと見せてくる。
「亀頭用のローターとかどうよ? ここにちんこ突っ込んで、スイッチいれたら震えるんだぜ。こっちの粘度の高いローション使えば気持ち良さも倍増! イエァ!」
「イェイじゃねぇわ!! クソッ、離せ…ッ!!」
力いっぱい振り払おうとすれば、突然相澤さんがぱっと手を放して、ようやっと自由になる。
「交渉決裂か、残念だな」
「ったりめぇだろうが!」
「でもまぁ仕方ない。流石に急だしな、怖く思っても当然だ」
「………あ?」
「それに、爆豪も鍛えているとはいえ俺に簡単に抑えられる程度。怖い思いをさせてすまなかった」
「っざけんな! 怖くねぇわ!」
「いや、いいんだ爆豪。さっきの話は忘れてくれ。お前には難しかったな」
「難しくねぇわ!」
「でも出来な」
「出来るに決まってんだろうが! ナメんな!!」
「よし言ったな」
「アァン!?」
相澤さんに噛み付いて、一拍置いてから「あっ」て自分の口を手で覆うけどもう遅い。出来るんだろう?と言われて出来ないとは言えなくて渋々頷く爆豪くん。
「昨日お前の同僚と話をしておいて良かったよ。色々教えてもらった」
にこやかな相澤さんと、上鳴あとでシバく!ってキレてる爆豪くん。山田さんは「ヒュー! 消太のやり口さいてー」って茶化してる。