*行為に及んでいるわけではありませんが一応注意
目が覚めたらユウゴと共に見知らぬ部屋にいた。
確か昨日は疲れていたからと早めに寝た筈だが、まだ寝ぼけているのだろうか。ぐるりと部屋を見渡す。白い壁と天井。大きめのベッドだけが設置されている。
寝ぼけているだけかと思ったがベッドや壁に触れたときの感覚はやけにリアルだ。
神機は見当たらない——もしもこれが新種アラガミの見せる幻覚の類であれば対処する手段がない。なんてことをぼんやりと考える。
隣にいたユウゴも首を傾げた。
「なあ、イノリ。昨日寝る前、変わったこととかあったか?」
「変わったこと? ……特になかったと思うのだけど……」
クレアやルルに先に休む、おやすみと伝えてベッドで横になって次に意識が戻ったときにはこの場所にいた。
フィムがリカルドからこっそり貰ったらしいお菓子を食べていたから寝る前に歯磨きをすることと食べ過ぎないようにとは伝えたけれど別段いつもと違う、変わっていると思うような出来事ではない。
当然ながらクレアやルル、また男性陣が結託してイノリとユウゴを知らない部屋に閉じ込めた、ということはないだろう。彼らにそんなことをするメリットがない。
フィムも見た目より力があるし何より不思議な力を持っていてもおかしくはないとは思うが普段から「おかあさん」と呼び慕ってくれる彼女がこのようなことをするだろうか。
一応無意識のうちに、という可能性はあるが少なくともイノリはフィムにこのような能力があるなんて聞いたこともないし恐らくエイミーやイルダも知らないだろう。
「……鍵がかかってるみたいね」
「神機があれば壊せそうなんだが……ん?」
「どうしたの?」
「いや、扉にメモみたいなものが挟まって……」
白い紙切れを掴み、それを開いたユウゴがその場で固まった。
何が書かれていたのだろう。背後からちらりと覗き込む。必要最低限とはいえ文字を読めるように練習しておいてよかった、なんてことを呑気に考えて。
『セックスしないと出られない部屋』
それだけ書かれたメモを見て、ユウゴの後ろで固まった。
やっぱり誰かの悪戯かリアルな夢なのでは? 思わずそう呟きそうになってしまう。
正直な話、AGEとしてそのような環境とは無縁ではあったが知識はある程度ある。そうしなければ出られないというのなら仕方ないと思うしユウゴが相手なら抵抗もないくらいだ。
「…………」
「………………」
長い沈黙が続く。
ユウゴにとってイノリは恐らく幼馴染でしかなく、イノリにとってもユウゴは幼馴染だ。そこに恋愛感情はない。悩むのも当然ではある、が——。
「……私は相手がユウゴだったら、平気。これがペニーウォートの看守だったら嫌だと思うけど……」
「…………お前、もっと自分のこと大事にしたほうがいいと思うぞ」
「ユウゴは私が相手だと、嫌?」
「別にそういうわけじゃ」
「ユウゴなら酷いことはしないだろうし……もし酷くされても、ユウゴならいいと思って」
経験があるわけではないけれど、ユウゴが相手なら悪くないかな、なんて。