小さな記憶のかけら
ペニーウォートで戦えるAGE、と言っても基本的に子供である自分たちが言いつけられる仕事は簡単な灰域の調査や素材集めがメインだった。
時折アラガミと戦闘になることもあるがこの辺りはオウガテイルやマインスパイダーのような小型アラガミが殆どで大型アラガミを見かけることは少ない。
戦い始めて日が浅いひよっこAGEとしては強敵と遭遇しないで済むのはありがたいのだが——。
「ユウゴ、今日のお仕事はこれで終わり?」
「ああ、必要な素材はこれで全部だな」
せっかく集めたこの素材も全てペニーウォートの看守のものになるのだが、とユウゴは肩を竦める。
昨日手に入れたレアものの素材も看守に没収され手元に残っていない。AGEである以上、仕方のないことかもしれないがやはり命懸けで手に入れたものを横取りされることに対して不満はある。
ペニーウォートと通信が繋がっているからあまり不満を漏らすことも出来ないが。
——こんな理不尽な世界から逃げてしまえたら、なんて思うけれど辛うじて耐えられるのはきっと隣にユウゴがいてくれるからだ。
ユウゴがいなければ心が折れて死んでしまっていたかもしれない。
「ねぇ、ユウゴ」
「イノリ?」
「私、やっぱり戦うことは怖いのだけどそれでもユウゴが一緒だから頑張れる気がする」
初めてアラガミと戦うことになったときの恐怖も、ユウゴと一緒だから乗り越えられたのだと思う。
ペニーウォートのAGEとしてどれだけ戦えるか分からないしいつか不要と判断されて処分される日が来るのかもしれない。ユウゴと一緒なら、そんな絶望も何とかなる気がした。