——ユウゴの為であれば命さえも惜しくはない。
今でもそういう気持ちはある。
ユウゴがいなければ自分は鬼神などと呼ばれるようになるより早く命を落としていただろう。だからこそ、この命をユウゴの為に使い果たすことに躊躇いはない。
もちろんユウゴがその決断を許容する筈がないし、自分だって死にたいわけではないのだからあくまでも最終手段でしかないのだけれど。
「……ユウゴは私に見せられないものなんてないって言ってくれるし、実際に私にいろんなものを見せてくれている」
それはとても嬉しい。ユウゴが誰よりも信頼してくれている証だと思うから。
「でも……私はきっと、ユウゴに見せられないものもたくさんある」
ユウゴの為なら死んでも構わない、と思うこの思考も含めて。
私はユウゴの懐刀。完全に意思のない道具であれば楽だったのに、なんて思ってしまう。
「別に、それならそれでいいんじゃないか?」
「そう、なのかしら」
「人間、誰しも秘密くらいあるだろ」
それはまあ、確かにそうかもしれないけれど。
私が出来ればユウゴに隠し事をしたくない。あまり綺麗な生き方をしてこなかった私にはユウゴの存在は眩しすぎる。
命をかける以外にユウゴに尽くす術がわからない。私はユウゴの何気ない行動にいつだって救われているのに、この恩を返す方法を他に知らないのだ。
「お互い、ペニーウォートに来る前のことは詮索してないしな」
「……厄災前後の記憶なんて、きっとみんな酷いものだから。敢えて傷口を抉る必要はない、と思う」
「話したければ話せばいいし、話したくなければ話さなくていい。今までもそうだっただろ?」
……私はユウゴの存在にとても弱い。そんな自覚はある。