夕焼けにさよなら

「終わりだ」

アラガミの群れに向けた銃口から威力の高い弾が放たれた。群れを率いていたらしいプリティヴィ・マータに命中した弾はまわりの小型アラガミを巻き込むように爆発する。
先程、罠を仕掛けて動けなくなったプリティヴィ・マータに致命傷を負わせたのだ。この威力のバレットに耐えられる筈もない。
完全に動かなくなったアラガミの頭を踏みつけ、ヒイロは地面を睨みつける。
こいつらは人類の敵だ。存在を許してはならない。アラガミに喰われた幼馴染を思い出し、その度にアラガミに対する憎悪が大きくなる。
ヒイロの後ろで援護していたアリサもアラガミの討伐を確認し、彼のほうへ駆け寄った。

「ヒイロ」
「……アリサか」
「任務完了、ですね」
「そうだな」

興味なさそうに返事をしたヒイロは既にプリティヴィ・マータのコアを回収している。
元々、今回の任務には第一部隊リーダーであるオトハが向かう予定だったのだが突然近くにウロヴォロスが現れたらしく彼女はソーマやサクヤ、コウタとそちらに向かうよう指示が出た。
防衛班も付近のアラガミ討伐に駆り出されているようで、残されたアリサがヒイロと共にプリティヴィ・マータを討伐するようツバキに言われたのだ。
ヒイロは乗り気ではなかったが実際に戦闘が始まると敵を斬りつけバレットを叩き込み、呆気ないくらい素早く敵を倒してしまった。

「乗り気じゃなかった割に手伝ってくれるんですね」
「仕事が入ってない日に戦えなんて言われて喜んで同行するわけないだろ」
「まあ、そこがヒイロらしいですけど」
「アラガミを放置したところで百害あって一利なし、だ。俺はあいつらの存在を決して許さない」

だから手伝った、と付け加えるヒイロにアリサは思わず笑う。やっぱり彼らしい、と。
ヒイロの人柄を知っているから彼の発言は不快ではなかった。