「緑色の瞳は嫉妬の象徴、って言いますよね」
アリサは水を飲みながら、ふと思い出したようにそんなことを口にした。
緑色。ヒイロの瞳の色。鮮やかな色だ。彼の義理の妹だという、今の第一部隊隊長の髪の毛と同じ色。
彼が些細なことで嫉妬なんてするタイプには見えないけれど。
「そんなこと、俺が知るわけないだろ」
大体、この色も両親からの遺伝である。
まあ、全く嫉妬しないわけでもないが、常に誰かを妬んでいるなんてことはない。
同時期に入隊した義理の妹が実力を認められ、リンドウがいなくなり空席となった第一部隊のリーダーに就任したときは流石に少し悔しくも思ったが、自分の実力が足りなかっただけだろう。
尤も自分は人の上に立ち部隊を指揮するなんて出来ないしやりたくもないのでリーダーになりたかったわけではないが。
「でも、案外綺麗な色じゃないですか?」
「……考えたこともないな。鏡でも見ない限り俺に見えるものでもないし」
「ヒイロらしい色というか」
人より目つきが悪いのに見た目ほどきついと感じないのはこの優しい色のお陰なのだろうか。
彼と関わって、彼が悪い人ではないと分かっているからこそ、そう思うのかもしれないけれど。
「……変わってるな」
それはお互い様だろうと思いつつ、ヒイロはぽつりと呟いた。