あの日、庭園で初めて彼と話したあの日から、きっと彼に惹かれていたのだ。
上司として、先輩として、彼――ジュリウスの強さに憧れた。襲いかかってきたアラガミを瞬時に斬り伏せてしまう彼のようなゴッドイーターになりたかった。
副隊長に任命されたとき、ジュリウスに少しは実力を認めてもらえたのではないかと嬉しくなったことを覚えている。
「隊長。あなたはわたくし達を、隊員を強い意志で引っ張ってください。わたくしはそんなあなたを陰から支えてみせますわ」
「ふ、頼もしいな副隊長」
だが、とジュリウスはノルンの頭を優しく撫でて笑う。お前は何も気負わなくて良いと。
副隊長としての責任感は必要になるだろう。戦闘でも自分のことだけでなく味方の状況も常に把握し指示を出す必要がある。
しかしお前は好きなようにやってくれ、と彼は繰り返す。そんな言い方はずるい。実力を認めてもらえて、信頼されていると勘違いしてしまう。
「……まあ、今のわたくしでは、あなたを支えるのは難しいかもしれませんけれど。自分の力を過信して隊長に危険が及ぶのは堪えられませんもの」
「お前が持っていて俺にないものもあるんだがな」
「あなたが言うのならそうなのでしょうね。自分では自覚もありませんけれど」
あなたほどの人望も実力もありませんけれど、あなたのようになりたいと思っているのです。
ノルンは心の中で呟いた。きっとジュリウスは、自分がこんなにも焦がれていることを知らないだろう。