最近よく夢を見る。
それは大抵その日の任務の内容だった。今日はディアウス・ピターを、昨日はプリティヴィ・マータを倒す夢だ。
現実と違うのはその場にいない筈の人達と一緒に戦っていること。
世界の為に螺旋の樹で戦い続けるジュリウス、そんなジュリウスを守って命を落としたロミオ。
声も戦い方の癖もノルンが知っている二人と全く同じだった。二人は戦闘が終わるといつの間にかいなくなるのだ。
何故よりによってあの二人なのだろう。ロミオは葬儀も執り行われ、フライアの庭園には彼の墓がある。
ジュリウスも——認めたくはないが、人間としての生を終えたようなものだった。彼らは会いたいと願っても決して会えないのだ。
ある日の夢でノルンは思い切って夢の中の彼らに問いかけた。
「隊長……いいえ、ジュリウス、あなたは本当に、ジュリウスですの?」
ロミオも、と口にするとジュリウスはゆっくりと頷いた。
夢だと分かっている筈なのに思わず泣き出しそうになってしまう。夢とはいえ彼らにまた会えるなんて。
幸せだった。同時にこれはとても苦しい夢でもある。この世界はいつも残酷だ。
「お前たちが心配だったのかもしれないな。俺も、ロミオも。お前たちにこちら側を任せたのは俺だというのに」
「……本当、身勝手ですのね。わたくしはあなたがブラッドを抜けたあのときからあなたに振り回されっぱなしですわ」
「悪かった」
「でも、わたくしも一人で全てを抱え込んだあなたの苦しみにすぐに気付いてあげられなかったこと、今でも後悔していますの」
これはその後悔が見せた夢なのかしら、とノルンは寂しそうに笑う。
毎日見るようになった夢とはいえ、彼がいない日常に戻りたくなくて、目を覚ましたくはなかった。