*難易度4「ホーム・カミング」後くらい
ふと、ラウンジで何かをしているノルンを見かけた。
「あ、ジュリウス。今夜少しだけラウンジを借りてパーティーを計画していますのよ」
サカキ博士から許可はいただきました、とノルンは笑うがジュリウスにはイマイチ状況が飲み込めない。
彼女はパーティーと言ったが誰かの誕生日だっただろうか。少なくともブラッドに最近誕生日を迎えたメンバーはいなかったと記憶している。
もちろん新しくブラッドや極東に入隊した人物がいるとも聞いていないし逆に他の支部へ異動するという話も聞かないので歓迎会や送別会でもないだろう。
他にパーティーを開くほどの出来事があっただろうか。
「ロミオも無事に戻ってきましたし、ブラッドの気持ちが1つになったお祝いというか、強いて言えば親睦会みたいなものですわ」
「なるほど……確かに今まで大変な日々が続いていた。恐らくこれからも続くだろう。だからこそ、気分転換も必要かもしれないな」
「とはいえ大掛かりなものは出来ませんけれど、夕飯を食べながらお話したりゲームをするだけでも楽しいと思いますわ」
任務に支障を来すようなら困るが、たまに羽目を外すくらいなら構わないだろう。
いつも任務のことばかり考えていても疲れてしまうだけだ。少しの不注意で命を落としてしまうこんな職場だからこそ、“ガス抜き”は必要かもしれない。
ノルンはどうやらラウンジを切り盛りしているムツミから場所を借りて料理にチャレンジしているようだった。
「一応料理は教わったのですけれど、作ったことは殆どありませんから……た、食べられるものを作れるよう頑張りますわ」
「ふ、期待している」
「あ、その顔、あまり期待していませんわね」
あなたが驚くようなものを完成させてみせますわ、と笑うノルンは幸せそうで。
こうやって誰一人欠けることなく、ブラッド全員で笑いながら、アラガミの滅んだ世界で生きられる未来をジュリウスは密かに望んだ。