*難易度6「接喰」後
危険な作戦だからよく考えて決断しろ、とサカキは言った。失敗すればブラッド全員とユノの命を失うのだと。
それを聞いても自身の気持ちは変わらなかった。
どんな危険な作戦だったとしても終末捕喰を止める。そして、ジュリウスを呪縛から解放すると。
ただひとつ——彼から託された、ブラッド隊長という隊員の命を預かる立場で自分のわがままだけで他のメンバーを巻き込んでしまっても良いのか悩んでいた。
「……ジュリウス。あなたは今、何を想っているのでしょう」
恐らく今の彼に意識はない。特異点として完成してしまった彼はこの世界の生命を再分配する為に、全てを喰らうのだ。
ジュリウスはこんなことを望んでいたわけではない。
誰よりも仲間思いで、結果的に一人で抱え込んでしまった彼は、ただブラッドを守りたかっただけなのだ。
もう二度と、ロミオのような犠牲を出さない為にも。
「たとえ誰かが反対しても、わたくしはあなたに会いに行きますわ。あなたが一人で全てを抱え込んでしまったことに気付いてあげられなかった、わたくしの責任でもありますから」
ジュリウスが使っていた神機と同じデザインの、白銀に輝く神機をそっと指で撫でた。入隊してからずっと共に戦ってきたこの神機で、ジュリウスを必ず救い出す。
ラウンジに集まっているらしい、他のメンバーにジュリウスとこの場所へ帰るのだと伝えなければ。
大丈夫だ、彼を失わせないしもちろんブラッドもユノも生きて帰ってくる。終末捕喰を完遂させて人類の時代を終わらせるなんて、絶対にない。
失敗したときのことを考えると震えは止まらないが、誰かがやらなければならないのなら。
「わたくしは、あなたと共に生きる為に」
どんなに危険な作戦だとしても戦うのです、と決意を固めた。