*難易度8「白面金狐」後
クレイドルに、勧誘された。独立支援部隊としてアラガミに怯えずに生きられる世界を作ろうとしている彼らはすごいと思う。
勧誘してくれたリンドウやアリサ、ソーマのことが嫌いなわけではない。臨時隊員のコウタとも仲は良いし、今は任務で留守にしているというコウタの同期にも会ってみたい。
この極東をずっと守り続けている彼らは尊敬の対象である。ブラッド全員を歓迎すると、リンドウはそう言ってくれた。
クレイドルと協力し彼らと同じ夢を見てみたい。否、元々目指す場所は同じなのだ。勧誘されなくても協力を惜しまなかっただろう。
誘いを受けたのだからいつかは「ブラッド」の「隊長」として決断しなければならない。幸い、リンドウ達は返事をゆっくり待ってくれている。
他の隊員とも相談して、それでも最終的な判断は自身に委ねられているのだ。
「わたくしは、ブラッドの一員として部隊とこの世界を守るつもりでしたの」
クレイドルの一員となればブラッドという部隊はなくなってしまうのだろうか。それとも、クレイドルの中の小さな部隊として活動することになるのだろうか。
今は「向こう側」で戦い続ける彼ならどんな選択をしたのだろう。
誰よりもブラッドのことを大切にしていた彼にこの部隊を託されたのだから、彼ならどんな選択も受け入れてくれるような気がする。
「あなたがいつか戻ってくる場所をわたくしはずっと守らねばなりませんの。今は無理だとしても、十年後はどうなっているか分かりませんから」
彼が望まなかったとしても、いつか彼があの場所に残らなくても終末捕喰を継続することが出来る方法が見つかったときに彼の帰る場所がなくなっていたらあまりにも寂しい。
もちろんクレイドルは戻ってきた彼のことも受け入れてくれるだろうが、こればかりは気持ちの問題だ。
「わたくし、あなたを諦めてはいませんのよ……ジュリウス。いつかまたあなたの隣で戦える日が来ると信じていますもの」
これ以上、家族を失いたくはないのだ。
ただ彼は少し長い遠征に出かけているようなものだと自分に言い聞かせる。
「クレイドルの一員となったとしても、ブラッドとして活動を続けたとしても、わたくしはあなたの願いを叶える為に戦い続けますし、あなたの帰る場所も守り続けますわ」
だからどうか、自分の身勝手を許して。