痛みを孕んだ

*謎シチュエーション

「ぁ……ッ」

鈍い痛みに思わず声が漏れた。ノルンが普段着ている白い服は破れ、赤黒く染まっている。
この程度の――というほど浅い傷ではないのだが、命に別状がない程度で済んだのはゴッドイーターだったお陰だろうか。

任務で背後からアラガミの攻撃を受けた。油断してしまった。まさか敵の接近にも気付かないなんて。
当然この傷の痛みに堪えながら神機を振るうことは出来ず、撤退を余儀なくされた。

「……すまない、痛かったか?」
「だいじょ、ぶ……ですから、続けて……」

傷口にジュリウスの指が触れる。その度に襲う鈍い痛みと熱がつらくないと言えば嘘になる。
しかし怪我をしてしまったのは自分の責任で、その結果苦しい思いをしても仕方ない。寧ろ手当てをしてくれているジュリウスには感謝しているくらいだ。
ボロボロになったフィーリングタイを脱いで、異性に、それも好きな人に素肌をさらすのは死ぬほど恥ずかしいのだけれど。
シエルとナナが用意してくれた新しい服をぎゅっと抱きしめる。

「……もしかしたら傷が残るかもしれないな」
「これは、自業自得ですもの……仕方ありませんわ」

元々こんな仕事をしているのだから怪我をすることがないわけではない。
今回のようにひどい怪我はさすがに稀なのだけれど、今までだって傷を作って帰ってきたことはある。
それなのに申し訳なさそうな顔をするジュリウスに傷口とは違う場所がズキズキと痛んだ。

「……取り敢えずこれで手当ては終了、だな」
「あ、ありがとう、ございます……」

抱きしめていた服を素早く着込み、ちらりとジュリウスのほうを見る。
少し顔色が悪いように見えた。人の傷口なんて見ていて気持ちのいいものでもないし当然と言えば当然かもしれないけれど。

「……でも、ジュリウスが手当てしてくれたのですから、傷は残らないような気がしますわ」

傷が残ってしまったとしても他の誰かの前で素肌をさらすことはないから構わないのだけれど、なんて。