我ながら子供っぽい、とは思う。ジュリウスが他の誰かと親しげに話しているのを見るのが嫌だなんて。
先程はラケルと、その前はシエルと何かを話しているジュリウスを見かけた。
分かっているのだ。二人と話すことはブラッドのことや次のミッションのことが殆どであると。
ラケルはマグノリア=コンパスでジュリウスや他の身寄りのない子供の母親代わりをしていて、ノルンも所属しているブラッドを設立した。シエルは彼の護衛をしていたと聞く。
二人とも、自分よりジュリウスとの付き合いも長くて彼のことを知っている――嗚呼でも、シエルはジュリウスのことをあまり覚えていないと言っていたか。
とにかく、幼少期の彼を知っているからこそ不安になるのかもしれない。
「ラケル博士はジュリウスにとって恩師でしょうしシエルも大切な仲間なのですから当然ですのに」
自分だってギルバートやロミオとはよく話すし極東所属の神機使いたちとの仲も決して悪くない。
こんな醜い感情を抱いてしまうなんて情けないと思わず自嘲する。
「それでも、胸の辺りが痛くなりますの。二人ともわたくしよりずっと前からあなたを知っていたのだと思うと、少し寂しいですわ」
「……そうか」
「わたくしが昔のあなたを知らないように、あなたは子供の頃のわたくしを知らないのですから、お互い様でしょうけれど」
「聞いていて面白いものではないがそれでも良ければいつか、な」
「それこそお互い様ですわ。こんな時代ですから誰だって何かしら抱えていますし……話したくないことは聞きませんわよ」
それでも、いつか、全てを話してもいいと思ってもらえるくらいになりたいとは思うけれど。
彼をよく知ったくらいではきっとこの嫉妬心はなくならない。どうしても彼が女の人と話しているのを見ると不安になってしまう。
どうしようもないけれど、それほどまでに彼に惹かれているのだと思えば案外、嫌ではなかった。