負傷

ジュリウスが負傷した、とロミオから聞かされた。
任務中に討伐対象外のアラガミが作戦エリアに複数現れたのだと。何とか全員生きて戻れたが、もしかしたら骨が折れているかも、なんて聞かされたら誰だって慌てるだろう。

「ジュリウス!」

病室に駆け込んだノルンの目に飛び込んだのはベッドに腰掛けているジュリウスだった。
顔色も悪くないし重傷ではなさそうに見える。しいて言えばその細長い指に絆創膏のようなものが貼られているくらいで。

「そんなに慌てて、何かあったのか?」

アラガミの襲撃でもあったのだろうか、と心配するジュリウスに首を振る。
正直ロミオから話を聞いたとき、ジュリウスはきっと大怪我でベッドから起き上がることも出来ないのだろう、と思っていたのでこの状況は想定外だ。
もしかしたら見た目には分からないところが悪いのかもしれない、とも思ったがジュリウスは至って健康そうで、重傷を負っているとは思えない。

「え、あの……わたくしはジュリウスが大怪我をしたと聞いて……」
「大怪我?」

掠り傷だが、とジュリウスは続ける。
その傷も任務で作ったものではないという。ロミオの勘違いなのか、何か別の目的があって嘘をついたのか定かではないけれど、ジュリウスに何事もなくて良かったとホッと胸を撫で下ろした。
もしも彼に何かあったら、と思うとゾッとする。

「だが、お前が心配してくれて嬉しい」
「それは、当然ですわ。心配くらいさせてくださいな。……手当てはちょっと、出来ないかもしれませんけれど」

包帯を綺麗に巻くことさえ出来る気がしない自分が嫌になる。
だからこそ余計に心配出来るうちは心配したいのかもしれない、なんて。

「無事で何よりですわ、ジュリウス」

自分は本当にわかりやすい。