すやすやと寝息を立てている少女を見て、ジュリウスは小さく息を吐いた。
任務中、想定外のアラガミが現れ襲われたのだという。普段なら難なく倒せるレベルの相手だった。特別強い個体ではなく、それどころか他の神機使いが取り逃してしまった個体だったのだろう。そのアラガミは衰弱しているように見えたと同行していたシエルから聞いた。
きっと調子がよくないのに無理して出撃したのだろう。結果、負傷し運ばれてきた。
彼女が無理をするなんてよくあることなのだけれど、その度にひやひやさせられるこちらの身にもなってほしい。
命に別状はない、と言われたが体に傷が残るのも良くないだろう。
「……んぅ……ジュリ、ウス……」
ぎゅっと服の裾を掴まれた。
目を覚ましたのだろうか、と思ったがそうではないらしい。
普段からこれくらい可愛げがあればいいのに。いつも可愛げがない、というわけではないのだが、そんなことを思った。
「……無事で良かった」
ぽつりと呟いて、彼女の金色の髪の毛をそっと撫でた。
ブラッド副隊長とはいえ、まだ18歳の少女なのだ。本来ならもう少し人に甘えていても許されるくらいだろう。
せめて戦えない今だけでも、誰かに甘え、頼ってほしいと思った。