願う夢

「これでよし、と」

いつも着ていた服を脱ぎ、騎乗服のようなデザインの真新しい服を着る。
今までの服はお気に入りだけれど、今日からこの服で頑張ろう、と。そう思って着替えた。
今日からは正式にブラッド隊長である。今までもジュリウスから引き継いで正式に隊長ではあったのだけれど、それを認めてしまえばジュリウスの帰る場所がなくなってしまうような、そんな気がしていた。
実際にそんなことはないのだろうけれど、自分の中ではブラッドの隊長はジュリウスだけだと思っていたのだ。我ながら呆れてしまう。

「いつもと違う服を着ているから一瞬誰だかわからなかったぞ、隊長」
「ジュリウス! ……隊長はやめてくださいな。あなたにそう呼ばれるのはやっぱり慣れませんの」

何度も諦めようとして、それでも諦めきれなくて、夢にまで見た光景。
目の前にジュリウスがいて、こうして会話が出来るなんて不思議な気分だった。

「ノルン。その服装は?」
「新生ブラッド隊、ですもの。新しいブラッドの隊長としてそれらしい服装にしてみようかと思いまして」

形から入るのも悪くないでしょう、と笑う。以前とは少し系統の違う、しかし気品のあるその服は確かに彼女らしい。
文字通りの意味で「生まれ変わった」ブラッド隊の隊長。ジュリウスが抜けた穴を埋める形で就任したときとは違い、清々しい気持ちだった。

「ねぇ、ジュリウス。これから任務がありますの。良ければあなたにも一緒に来てほしいのですけれど」
「ああ、付き合おう」
「ジュリウスが任務のときは遠慮なくわたくしを頼ってくれていいんですのよ」
「今度は一人じゃないからな」

彼女は変わった、と思う。その変化は悪いものではなく、寧ろ良いものなのだろう。
願わくば、これから先もこの場所で。