ブラッドの隊長として任務をこなすようになって暫く経つけれど、部隊を指揮するのはやはり慣れない。
敵の位置を把握し場合によっては仲間に指示をするだけでも大変だというのに、当然ながら自分も戦わねばならないのだ。
距離を取ってブラストで威力の高いバレットを叩き込むか接近して斬り込むか防御をするか。判断を間違えれば仲間の命まで危険にさらしてしまう。
銃で攻撃していた結果、仲間のピンチに弾切れを起こし回復弾が使えないなんてことも頻繁にあった。
隊長という立場は誇らしくもあるけれど、たまに自分よりも相応しい人材がいるのではないかと思う。
ギルバートはベテランであるしシエルも冷静に状況を見定めてくれる。最近入ったリヴィも神機使いとしては自分なんかよりずっと優秀だ。
「ですが、ジュリウスからこの立場を引き継いだのはわたくしですからやっぱり投げ出したくはありませんの」
「お前はお前の思うようにやればいいさ。俺も極力サポートする」
「確かにあなたがいるといつもより戦いやすくて心強いですけれど」
「……何か心配事でもあるのか?」
ノルンのことだから流石に仲間に対して重大な問題を抱えている、なんてことはないだろうが。
少し考える素振りを見せ、それから彼女は口を開く。
「ジュリウス。お時間があるときで構いませんので、その、相談に乗っていただけないでしょうか……」
「……相談? それは構わないが」
「大したことではありませんのよ。ただ、周りから見てわたくしの戦い方に改善点などありましたら指摘していただきたいと」
ノルンの口から「相談」なんて言葉が出たことに少々驚く。
彼女が自分に一人で抱え込む必要はないと教えてくれたように、彼女もまた人に頼ることを覚えたのだろう。
もちろん、まだ慣れたわけではなく抵抗もあるようだが。
彼女からの相談は離れていた分の時間を埋めるようで穏やかだった。