告白スケープゴート

*難易度10「蒼穹の真月」直後


一緒に過ごした時間が楽しかった、とレンは笑った。
素直でなければ口も少し悪い。自覚はあるがなかなか改善できないこんな面倒な性格の自分と過ごして楽しかったなんて彼は変わっている。
それでも今は心から嬉しいと思っているのだから、自分もまた成長しているのかもしれない。相手がレンだから、という可能性もあるが。

「ああ……貴方の神機として生きていくのも悪くないなと思ったくらいに」
「確かに、レンが私の神機だったら頼もしいかもね。ここに来るまでも意外と助けられたし」

スサノオと戦っていたとき、ギリギリのところでレンの回復弾に助けられたことを思い出し苦笑した。
嗚呼、でも彼はロングブレードだっただろうか。いつもショートブレードを扱う自分には重くて扱いきれないかもしれない。

「まあ、レンがリンドウの神機で、あのときアナグラにアラガミが侵入して、私がリンドウの神機に触れたからあんたに会えたのだと思うとこの関係性で良かったかもしれないけれど」
「僕がこうやって貴方と話せるのも奇跡なのかもしれませんね」

レン。
彼のことは人間と認識していたけれども、実際は神機使い達をいつも一番近くで守ってくれていた存在。
こうして彼と話すことは好きだった。くだらない話をしているだけで幸せな気持ちになるのだ。

「……レン」
「どうかしましたか?」
「次に会うときに伝えたいことがあるのよ。だから、また会いましょう。これでお別れだなんて言わせないわ」
「僕も……オトハさんにはまた会えるような気がします。だからお別れだとは思っていません」

レンのことが好きだと伝えたかった。
今、伝えてしまうより次に会うための口実にしたくて出かかった言葉をぐっと飲み込む。
さよならは言わずにへらりと笑って見せた。