守るべき光を

ジュリウスは自分にとって光だった。
はっきりと覚えているわけではないけれど、従者であるミルトニアから「光」を奪ってしまったのは恐らく自分だ。両親がいなくなったのもきっと自分が原因なのだろう、と察することが出来る。
ブラッドに入隊して、やっと誰かを守れる力を手に入れたと思っていたのに、結局ロミオに、ジュリウスに、守られているだけだった。
自分は誰かを苦しめ何かを奪うことしか出来ないのだろうか、なんてネガティブなことを考えたこともある。否、今でも時々思ってしまう。
だからこそ、一度は失ってしまったジュリウスを、彼の自由を、今度は守りたい。何も守れなかった自分に機会が与えられるのならば。

「ねぇ、ジュリウス。わたくしに、あなたを守らせて。わがままですけれど、これ以上何も守れない少女のままではいたくないの」

彼を守れないことは自分の死よりもつらく苦しい。
戦うための力を与えられてもーー偏食因子を投与され、神機を握ることが出来るようになっても、強くなければ何も守れないのだ。
たとえ強くても、判断ミスで大切なものを失う。ジュリウスがブラッドを抜けた、あのときのように。
そんな当たり前の事実を、失ってから思い知らされた。

「お前はそのままでもいいと思う」
「ですがブラッドの隊長としても、」
「確かに強くなりたいその気持ちは大事だが、限度があるというか、ノルンの場合はまた無茶をしてしまいそうだからな」
「う……」

否定はできないけれども、そんなに思いつめた顔をしていただろうか。
無理に変わらなくていい。ジュリウスはそう小さく笑んだ。