それは煌びやかな夢

「……本部でのパーティー?」
「ええ、様々な支部の支部長や各部隊の隊長を招いての親睦会のようなものだと聞いていますけれど」

 そのパーティーにブラッドの隊長として参加してほしい、と要請を受けているのだとノルンは続ける。
 正直に言えば、各地の偉い人やすごい神機使いと直接会って一緒に食事をする、というのは出来れば遠慮したい。
 ブラッド隊長である以上、過去にも他の支部との合同任務でその支部の支部長や隊長と仕事の話をする、という機会もなかったわけではないがあまり得意ではないのだ。

「パーティーにおけるマナーが分からない、というわけではないだろう?」
「それは……幼少期にきちんと教わりましたし恐らくは大丈夫だと思うのですけれど……知らない人達に囲まれる、というのには慣れていませんから」

 確かにノルンは上流階級の生まれではあるがパーティーのようなものが頻繁に行われていたわけではないし、知らない人と会話すること自体がどちらかと言えば苦手だった。
 自分が特殊部隊の隊長として受け入れられているからこそ声をかけられたのは理解しているのだけれど。

「意外だな」
「そうでしょうか」
「俺や他のブラッドのメンバーとは最初から今と同じように接していただろう」
「……それに関しては自分でも不思議なのですけれど、ジュリウス達に対してはあまり緊張せずに済んだというのは否定できませんわね」

 ——ジュリウスに対しては別の意味で緊張していたのだがそれを本人に言える筈もなく。

「練習が必要であれば手伝うが」
「そ、それは有難いのですけれど……」

 余計に緊張して大失敗してしまいそう、なんて口が裂けても言えない。