きっかけ

「ニルギリってさー」

それは所謂恋人という関係である少女の素朴な疑問だった。

「結局ボクのどこが好きなの?」
「は?」

確かにニルギリは女性が苦手である。しかしリュエルは年頃の少女で、ニルギリ自身も女性嫌いを克服できているわけではない。
少女、リュエルは自分のことをボクというが決して男勝りというわけでもなく、現にリュエルの過剰な——とはいえ恋人であるなら当然の範囲とも言えるスキンシップからは逃げ回っている。
周りにはリュエルが一方的にニルギリに好意を寄せていて、ニルギリはそのような感情を一切抱いていないのでは、と思われても仕方ない。
もちろん実際にそんなことはないし、リュエル自身も自分が好かれていないのでは、なんて考えてしまったわけではないのだけれど。

「な、何なんですか突然」
「恋人同士なら別におかしい質問でもないよね」

どこが、と言われても困る。が、他の女性とは違う感情を抱いているのも事実で、これが「好き」という感情なのだろうと思う。
尤もこの年齢でありながら恋愛経験など殆どないから確信はないけれど。

「……別にいいでしょう、何でも」
「えー」

自分でも何故、とは思うが姿を見ると安心出来る。だからきっと「偽り」ではない。


*こばと様宅リュエルちゃんお借りしました!