※過去捏造
ルーチェ。光を意味する名を持つその少女がこの世界に光をもたらしてくれるのでは、と純粋に思っていた。
歴史を変える、なんて突拍子のないことを言い出したときは流石に「こいつの頭はお花畑なのか」とも思ったが本気で過去に渡る術を、星の停止を止める術を、見つけ出して実行してしまいそうだと思えてくる。
「そういえばノワールって、黒って意味よね」
「まあ、そうだな」
「私の名前とはイメージが正反対だなって思ったけど確かにヨノワールって見た目も黒いし」
ケラケラと笑うこの娘が世界を救う希望の光だなんて誰も思わないだろう。
時空の叫びと呼ばれる能力は歴史を変える為に必要不可欠だ。そして少なくともヨノワールはルーチェ以外にその特殊能力を持つ存在を知らない。
「……お前のような人間の子供が光だとはな」
「いいでしょ別に。私は母さん達がくれたこの名前が好きだもの。それに、私はきちんとこんな腐った未来に光をもたらす為なら何だってするわ」
たとえこの身が滅び、朽ちようとも。
ルーチェは笑う。それはまだお互いに、青空を、朝焼けを望んでいた頃の話。