「選択」

あの日、あの時、自分の判断ミスで、たくさんの仲間を失ってしまった。
それからだ。より多くの人々を救えるのならば少しの犠牲はやむを得ないと考えるようになったのは。たとえそれが自分の命であろうとも、必要であれば犠牲に出来る。
今の仲間たちと出会ったばかりの頃、それで大多数の人が救われるのならばハッピーエンドでしょう? と口にしてダージリンから殴られたことをふと思い出した。

「テメェが犠牲になって何がハッピーエンドだ。少なくともニルギリの死で俺様が幸せになることは一生ねェしお前の死を抱えて生き続けるなんて拷問だ」
「……ダージリンさんって変わってるんですね」
「俺様からすればテメェのほうが変だがな」

たくさんの仲間を失ったとき、生き残った仲間の一人に言われたのだ。隊長がお前でなければ被害は最小限に抑えられた、お前の甘さが招いた結果だと。
もちろんそれを咎めてくれる仲間もいたが自分自身が否定も反論も出来なかった。だからこそ、もう二度とあんなミスをしない。犠牲になった彼らの為にも。

「要するにニルギリの自己犠牲は仲間を不幸にするってことだな」
「……まあ、意見の押し付け合いも無意味ですし今は仲間ですから、そういうことにしておきます」

いつか、この仲間の為に命を懸けられるのならば。