「……何で水辺が苦手なあなたが敢えて水辺に出向いてるんですか」

それは藍玉の素朴な疑問である。
ライボルトの彼は相性的には水に弱くはない、筈だ。しかし幼少期に川で溺れて以来、水辺自体が駄目になってしまったと聞く。足首の深さまでなら大丈夫なようだが。
だからこんなところに彼がいるとは思ってはいなかったのだ。恐らくは自分を追いかけてきてくれたのだろうけれど。

「お前こそ、何やってんだ。こんなところまで来て」
「別に、何も。たまには一人になりたいと思うことだってあるでしょう?」

騒がしいのは嫌いではない。
それでも時折、静かな空間が恋しいと感じることがある。まあ、一人で抜け出してしまうのは良くなかったかもしれないが。
自分と違って真面目な黄玉のことだから、いなくなった自分を探してくれたのだろう。自分より余程年長者らしい、と藍玉は思う。
尤も藍玉は10代の仲間たちの保護者として振る舞ってやるつもりなどないのだけれど。

「……まあ、否定はしないが」
「賑やかなのが悪いわけではないんですけどねぇ」

これもきっと、今だけの繋がり。