私が消えてしまうことは、全く怖くないわけではないけれど、覚悟は出来ている。
記憶を失って、使命なんて忘れてしまっているけれども、人間だった私が歴史を変えることを望んでいたのなら、そしてジュプトルもそれに賛同していたなら。
きっとあの頃の私はもう失うものもなかったから——未来を変えることに対する抵抗も未練もなかったから、そんな選択が出来たのだと思う。
今の私と違うところ。私は過去の世界で仲間を得てしまったから。だから怖くない、とは言えないのだ。
私が消えてしまうことではなく、その結果「彼」をひとりぼっちにしてしまうことが、少しだけ怖い。そして彼と共に歴史が変わった未来を歩めないことも。
「エルバ……私はきっと、あなたにひどいことをしてしまう」
それでも彼は私を嫌ってはくれないのだろうと。
嫌われたいわけではないけれど、彼の長所でもあるその優しさがとても痛い。