瓦解

世界を救うことが出来なかったことに対する、絶望感。
ボクは一体何のために戦っていたのだろう。悲しみ、苦しみ、そんなドロドロした薄暗い感情が渦巻く。――嗚呼、これがダークマターの正体かと改めて自覚し、思わず自嘲した。
ダークマターとの戦いに失敗したボクが未来に全てを押し付けて、のうのうと生きるわけにはいかない。この罪も、責任も、全てを背負わなければ。

「わたしでは、天華の力になれないだろうか」
「……! そんなことはない! キミがいなければボクはきっと、戦うことすら出来なかった」

なゆは人間だけど、無関係な世界に生きるボクたちに力を貸してくれていた。ボクにとってはヒーローだ。
彼女がいなければダークマターを叩くことさえ出来なかったかもしれない。
だからこそ、これ以上巻き込みたくはないのだ。きっとボクは遠い未来でダークマターを倒したら、消滅してしまうから。悲しませたくはないのだ。

「天華。これはわたしの責任でもある。天華との別れも全て覚悟の上だ。それでもキミを助けたいと思っている」
「……なゆ。許されない失敗をしたボクを、助けたいと言うの?」
「友達じゃないか。それに失敗したのは、わたしも同じだ。一人より二人のほうがいいに決まってる」

どうして彼女はそこまで。
そんな疑問はあるけれど、その優しさに救われていた。