安らぎ

「たまにはこうしてゆっくりするのも悪くないでしょ?」

ルーチェは笑みを浮かべ、カップを差し出す。お互いに探検隊だから、過酷な冒険に挑むことも多く、意外とゆっくり休む時間はない。
昨日は難しいと噂のダンジョンに挑んでいたし、その前はジバコイル保安官も手を焼くお尋ね者と戦った。ダンジョンで遭難したらしい人達を助けたり、探し物をしたり。
もちろん、好きでやっていることだから嫌になることはないし、寧ろ毎日が楽しいくらいだけれど。
ひのきは温かいミルクティーが注がれたそのカップを受け取る。

「これって……」
「私が淹れたの。紅茶は好きだし」

ひのきの口に合うといいんだけど、なんて苦笑する。

「……おいしい!」
「そう、なら良かった」

彼女が面と向かって「まずい!こんなもの飲めない!」なんて言う性格ではないのは分かっているけれど、おいしいと言ってもらえたことに安堵した。
少なくとも、表情を見ていると心からそう思ってくれているのは伝わってくる。
おかわりもあるからどうぞ、とポットをテーブルに置いて。まだ「お茶会」は始まったばかりだ。

*灯月 七夜様宅ひのきちゃんお借りしました!