光と闇

「ならば余の闇の力を解き放ってみせましょう」
「アンブレちゃんがよく言う闇の力ってなんなの?」
「……っ!? ルフナ、見てたんですか……?」
「うん」

闇の力。そういう能力を与えられたという「設定」だった。
仲の良かった子が入院して、その子を少しでも元気づけようと。笑ってもらいたくて作り上げた強い力を持ったもう一人の自分。
その子は亡くなってしまったけれど、今でも抜けない癖のようなものである。端から見ればおかしな言動にしか見えないことも、一応、理解しているけれど。

「アンブレちゃんって時々よく分からないの」
「そ、そうでしょうか……」
「でも、つよくて頼もしくてたのしいの」

楽しい。なんて久しぶりに言われたような気がする。
小さい子供は素直で正直だと少なくともアンブレは思っているしルフナは嘘をつく子ではないので本心なのだろう。
まっすぐ言われると、少し照れてしまうけれど。
この場所が与えられなければこんな感情を抱く日は来なかっただろう、とアンブレは笑った。