深夜、誰もが寝静まった時間にふと目を覚まして真っ先に視界に映ったのは隣のベッドですやすやと寝息を立てているアインの穏やかな顔だった。
ハイネがアインとパートナーとなって半年。最初は新しい生活に慣れずお互いに苦労したこともあったけれど、今となっては隣にいることが当たり前になっている。
毎朝言葉を交わして、出かけるアインにいってらっしゃいと声をかけて。シャトラのアトリエで暮らしていた頃はそのような相手もいなかったから新鮮な気持ちになる。だが、このやりとりが自分の日常の一部になるのは悪くないと思った。
正直、アインに人生のパートナーになってほしいと告げられたときはひどく驚いた。
元々親しい間柄ではあったし、ハイネにとっては他の人とは違う——特別な存在だったとはいえアインにとって自分は一緒に冒険をした仲間のひとり、くらいの認識だと思っていたのだ。
誰に対しても親切で、困っている人を放っておけなくて、悩んでいる人にそっと寄り添って。そんなことを繰り返しているうちにいろんな人から好かれている。人気者のアインとパートナーになりたいと思うような人間もきっと広い世界のどこかにいただろう。
それでもアインが最後に選んだのはハイネだった。そのことがすごく嬉しいと感じて、嗚呼自分もこの人と一緒に生きていきたいのだと実感した。アインに気持ちを告げられたその瞬間まで誰かとパートナーになるだなんてあまり考えていなかったというのに。
目を覚まして隣にアインがいるという現実に安心感を覚えているしいつもよりアインの帰りが遅いと不安になる。それほどまでにこの光景が当たり前のものになっている。
幸せそうに眠るアインの表情をちらりと見て、小さく笑みをこぼす。これから先の長い人生をこの人と生きていけることが、きっと何よりも幸せだろうと。